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星のや東京に【鮨 大手門】がオープン。創造性豊かな江戸前鮨と酒肴に舌つづみ。今なら外来も受付中

  • 2025.11.15

日本経済の中心地、東京・大手町にある塔の日本旅館「星のや東京」。2025春に星野リゾート初の鮨店【鮨 大手門】がオープン。定員8名のカウンター席で、会席料理の技法を活かした酒肴と握りをコース仕立てで用意。敷地内に湧く “東京の天然温泉” を楽しんだ後、和服仕様の館内着のまま気軽にお鮨のコースを食べられるのが魅力です。予約制で外来の利用も可能です。

|星のや東京にある鮨店とは

「星のや東京」があるのは高層ビルが立ち並ぶ大手町のビジネス街。江戸城の正門に当たる “大手門” に近く、有力大名の武家屋敷が立ち並んでいた土地柄です。今回は10月に行われた試食会「鮨 大手門メーカーズディナー」に参加。紹介する料理とペアリングしたお酒の一部は秋メニューとして11月29日(土)まで提供されます。

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▲日本旅館「星のや東京」の壮麗なエントランス

84の客室数を誇り、館内は畳敷きのシューズオフスタイル。地下1,500mから汲み上げる天然温泉の大浴場をはじめ、ラウンジではソフトドリンクやお菓子、煎茶の体験を無料で楽しめます。

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▲地下1階にある「鮨 大手門」

メニューはお任せのみで、全国各地の旬の魚介を厳選。江戸前鮨を中心に日本各地の握りをクリエイティブにアレンジします。さらに日本酒やワインを豊富にそろえ、通常は8種類ほどのお酒を組み合わせたペアリングコースも用意します。食事は二部制で、一部は17時30分から、二部は20時から。1名¥36,300(税サ込)で、今なら外来利用も可能です。

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▲店内はカウンター8席のみ

カウンターには樹齢200年の青森ヒバの一枚板が使われ、目の前で鮨を握る手仕事も見られるほか、職人やスタッフとの会話も楽しめます。

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▲料理長の西村将氏

西村氏は料理自慢で知られる京都の「貴船 右源太」やハイクラスホテルの日本食レストランで腕を磨き、2025年に星のや東京「鮨 大手門」の料理長に就任。料理についての会話も弾みます。

|鮨と酒のドラマチックな組み合わせ

お任せのメニューは、前半に酒肴が続き、後半は鮨を一貫ずつつ提供。そのうえ今回は日本海を望む京都・丹後半島の伊根町で、270年続く「向井酒造」の多彩なお酒を10種類用意。1階が船の収納庫、2階が漁具置き場になる海に面した建物が、230軒連なる “伊根の舟屋” が世界的に知られる漁師町。向井酒造も舟屋に面した場所にあり、仕込み蔵に舟屋を使うなど、“日本でいちばん海に近い酒蔵” の酒を、鮨と組み合わせるドラマチックな試みです。

毛ガニのほぐし身に加え、カマスの上には揚げた大黒本しめじが飾られ、コクと酸味が際立つ土佐酢のジュレを和えながらいただきます。

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▲「カマスと毛蟹の和え物」

最初のお酒は向井酒造を代表する銘柄「京の春」から特別純米酒。酒米は徳島県阿波町で肥料をできるだけ使わず栽培された特A山田錦、精米歩合60%。米の旨味が広がって、心地よいのど越しの旨い酒。仕込み水はすべて蔵の裏手にある小高い山から引いています。土佐酢のジュレとの相性もよく、“最初のご挨拶” を飾るお酒です。

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▲最初の一杯は「京の春 特別純米源酒」

さっぱりとした「カマスと毛蟹の和え物」に続く二品目は、その真逆となる濃厚な味わいの「牡蛎の田楽」。“牡蛎とリンゴのグラタン” をイメージした一皿は、白味噌と卵黄を合わせた玉味噌をのせて焼き上げ、酒粕を加えたクリームチーズが添えられます。リンゴの甘味に牡蠣と玉味噌の濃厚な味は、盃につい手が伸びる趣向です。

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▲リンゴと組み合わせた濃厚な「牡蛎の田楽」

「牡蛎の田楽」には白ワインと日本酒のダブルペアリングを用意。イタリア・ベネト州にあるワイナリー、ナルデッロの「ソアヴェ・クラシコ ヴィーニャ・トゥルビアン」は、樹齢60年のガルガネーガ70%とトレッビアーノ・ディ・ソアーヴェから作られた辛口で、コクのある余韻が残ります。そして「京の春 純米生原酒 にごり酒」は精米歩合67%の山田錦を使ったやや辛口。生原酒ならではの活性酒で、味の濃い「牡蛎の田楽」によく合います。もちろんひとつの料理を異なる酒種で味合うのは初体験。料理の余韻も違って感じられる試みでした。

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▲「京の春 純米生原酒 にごり酒」と「ナルデッロ ソアヴェ・クラシコ ヴィーニャ・トゥルビアン」

お造りに合わせて、向井酒造を代表的するお酒をペアイング。甘鯛の昆布締めと蒸しアワビには、ポン酢と煎り酒のジュレがかかります。そんな甘酸っぱい料理に合わせたのが、伊根町で復刻栽培した古代米 “紫黒米” と京都産の酒米五百万石を合わせて作ったロゼワインのように赤い「伊根満開」。ポリフェノールやアントシアニンが含まれ、お米の香りとともに旨味やフルーティーな甘味を楽しめる個性際立つお酒です。

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▲「伊根満開 古代米」と「甘鯛の昆布締め」

「戻り鰹の巻物」もダブルペアリングにトライ。鰹と秋茄子、にら、大根の甘酢漬けを巻いた美しい出来栄えで、重湯(おもゆ)を使った辛子醤油でいただきます。スペイン・マヨルカ島の赤ワインはソカ レルの「マント ネグレ エスクルサック」。2種類の地場品種マント ネグレとエスクルサックを使い、果実味と旨味、優しい口当たりは、赤味のカツオに合う島ならではのワイン。日本酒は「夏の思い出 純米酒焼酎麹仕込み」。精米歩合70%の辛口の酒米・五百万石を、焼酎用の白麹で仕込みます。白麹特有の酸味や米の甘味など、甘辛酸味が一体となる個性派です。

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▲「戻り鰹の巻物」とスペインの「マント ネグレ エスクルサック」

ポン酢や醤油の味が続いた後は甘く奥行きのある鰯の蒲焼が続きます。トッピングされた梅わさびの優しい酸味やピリッとした黒七味にくわえ、シャキシャキ食感の青葱など、いくつもの味が口の中で入れ替わり立ち替わり感じられる一品です。

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▲「鰯の蒲焼き飯」

蒲焼きの甘味に当ててきたのが力強い「益荒猛男(ますらたけお) 特別純米原酒 山廃仕込み」。45年ぶりに復活した “幻の酒米” 但馬強力を使い、向井酒造の蔵住み乳酸菌を利用して、山廃仕込みで味の腰を強く仕上げた原酒です。ラベルは子供や漁師の姿を力強く描いた木版画家 村上暁人氏の作品。無骨なお猪口に注がれた熱燗はキリッと辛口で、複雑な旨味や苦味とともに蒲焼をほお張りました。

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▲漁師町伊根ならではの酒「益荒猛男 特別純米原酒 山廃仕込み」

いくらをたっぷり飾る「伊勢海老と無花果の揚げ出汁」には、「おべっさん 特別純米原酒 生酛仕込み」の冷酒と熱燗を用意。伊根町の戎神社のお祭りを “おべっさん” と呼ぶことから名付けられたお酒は、無農薬で育てられた伊根産の雄町を使用。精米歩合は80%でキレのある仕上がりに。温かい餡にひたる奥行きのある揚げ出汁を、キリっとした冷酒と、味が膨らむ熱燗で味わう体験です。

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▲「伊勢海老と無花果の揚げ出汁」と「おべっさん 特別純米原酒 生酛仕込み」冷酒と熱燗

|この日の握りは12貫

コースの後半は握り。「漬け」や「酢締め」など江戸前の技を楽しめます。シャリは赤酢と京都の千鳥酢を使った優しい味で、食べやすさを重視。1品もしくは2品の鮨で1つのお酒とペアリングしました。

最初の握り「小肌」と、サッパリとした「赤身の早漬け」に合わせたのは「京の春 特別純米 生酛仕込み」。京都府が品種改良した酒米の「祝(いわい)」を精米歩合60%で使い、香りのいい6号新政酵母で醸造。手間がかかる生酛仕込みの特別純米酒は “握りのパート” の始まりを告げるプロローグ的存在です。

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▲「京の春 特別純米 生酛仕込み」

初めの一貫は小肌と相性のいい赤酢を使い、柔らかく仕上げています。赤身の早漬けは魚の旨味を引き出すため、醤油に3分ほど漬けたもの。伝統の江戸前を味わいました。

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▲「小肌」と「赤身の早漬け」

「剣先烏賊」と「あこうのコブ締め」をはさみ、脂ののった中トロをいただきました。ペアリングは恵比寿様のラベルが目印の「おべっさん」が二度目の登場。ただし先の特別純米原酒から特別純米 “生” 原酒に変わります。同じ生酛作りでも生原酒となるとまろやかなとろみが生まれ、少し熟成させた中トロの脂の旨味にピッタリでした。

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▲「中とろ」と「おべっさん 特別純米生原酒 生酛仕込み」

大トロに合わせたのは、自然派ワインで知られるクリストフ・パカレの「ボージョレー・ヴィラージュ」。ブルゴーニュのボジョレー地区で広く栽培されている黒ブドウのガメイ・ノワールを使い、フルーティーな香りと味、爽やかな飲み口は、脂ののった大トロにベストマッチの組み合わせでした。

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▲「大トロ」+「ボージョレー・ヴィラージュ クリストフ・パカレ」

|終盤の握りは個性派ぞろい

大トロを食したところで、地方特有の鮨や料理長が腕を振るうクリエイティブな鮨が登場します。ペアリングのワインや日本酒も、それに合わせてさらに個性が高まります。

いよいよ変わりダネ同士のペアリング。和歌山県の郷土料理「目張寿司」に合わせるのはスペイン・カタルーニャ地方の「コネクシオ・コスミカ」。ブドウ品種はカタルーニャで広く栽培されるチャレロで、オレンジの皮や種を8日ほど漬け込んだ個性派です。柑橘の爽やかな酸味や苦味が感じられるオレンジワインは印象的な一杯。「目張寿司」と「車海老」の握りに合わせました。

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▲「コネクシオ・コスミカ」と「目張寿司」

「目張寿司(めはりずし)」は、漁や山仕事のお弁当として食べられていて、塩漬けにした高菜で包んだ白米か酢飯のおにぎりで、中に刻み高菜が入ります。和歌山出身の料理長西村氏は、いくらや刻んだ中トロ、らっきょうを使ってゴージャスにアレンジ。甘みやイクラの塩味、中とろの旨味や高菜の歯ごたえもあり、口の中で様々な味が入れ替る逸品です。

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▲和歌山の郷土料理「目張寿司」を創造性豊かにアレンジ

海苔にたっぷり盛られた雲丹は手巻き鮨風。米粉と塩をブレンドしたライトな塩味の “淡雪塩” が振られ、絞ったすだちの、爽やかな風味が口の中に広がります。「特別純米生原酒 山廃仕込み うらなぎ」は、“日本の里100選” に選ばれた丹後半島の山間にある上世屋地区の棚田で作られたコシヒカリを使い、蔵住みの天然乳酸菌を使った山廃仕込み。米の旨味を感じるスッキリ柔らかなやや辛口を、濃厚な雲丹の味に合わせます。

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▲「雲丹」と「特別純米生原酒 山廃仕込み うらなぎ」

「煮蛤」と「穴子」には京都府が品種改良し府内だけで限定生産される酒米 “祝” で作る「京の春 純米大吟醸」をいただきました。6号新政酵母の澄んだ香りと穏やかな旨みが広がる、まろみのあるお酒を満喫しました。

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▲「煮蛤」と「穴子」に合わせる「京の春 純米大吟醸」

最後の一品は多彩な味のグラデーションが楽しめる「棒寿司」。鯖の棒寿司には柴漬けのシャリが入って生姜味噌をトッピング。鯖の脂と味噌のコク、柴漬けの爽やか酸味が口の中で混じります。秋に旬を迎える脂ののった名残鱧の照り焼きや、屋根の形になったユニークな玉子焼きなど、最後まで楽しませてくれるひと時でした。

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▲最後の一品は「棒寿司」

東京・大手町にある日本旅館「星のや東京」にオープンしたお店【鮨 大手門】。今回は特別メニューを紹介しましたが、イベント限定の特別献立とペアリングをあしらったコースを11月29日(土)まで提供します。ワインとともに、海に最も近い蔵元「向井酒造」と、握りや魚介の組み合わせはドラマチック。ぜひこの機会に魚と酒、そして職人の腕前を味わってみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:星のや東京 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyatokyo/>

期間:2025年10月27日(月)~通年 ※月、火、金、土、限定 料金:1名¥123,661~(2名1室利用時、税・サービス料込)含まれるもの:1泊2日の宿泊料(通常料金の15%off )、鮨 大手門での夕食(コース料金のみ) 特別ペアリング:2025年10月27日(月)~11月29日(土)の期間は記事で紹介したイベント特別献立を用意。日本酒とワインを合わせて8種程度の料金はプランには含まれません。ペアリング1名¥12,100(税・サービス料込) 夕食 時間:一部 17:30、二部 20:00 定員:各回8名

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