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【60代からの終活】自分らしい最期を迎えるためにいまから始めておきたい準備とは?司法書士がアドバイス!

  • 2025.11.9

「終活って、まだ先の話」と思っていませんか? でもじつは、元気なうちに始めることこそが、終活のいちばんのポイント。そこで今回は終活のなかでも「自分の最期について」「死後のことについて」、専門家である司法書士の太田垣章子さんに伺いました。

自分の最期について考える

「死の話はタブー」と思わず自分の家族のために決めておく

「自分がどんな死に方をしたいのかということも、いまのうちに考えておくべきです。日本では死について話すのがタブーとされる風潮がありますが、それは間違い。あなたが自分の望む最期を迎えられるように、そして大事な家族を困らせないために、決めておかなければならないことなのです。『日本尊厳死協会』という関連団体があるので、そちらの活動内容もぜひ参考にしてみてください」

日本尊厳死協会とは 自分の最期について、本人の意思を尊重し、延命治療の中止や自然な死を迎える権利(尊厳死)を支持する公益財団法人。会員になると、「延命治療の中止を望む」等の本人意思を記した公的証書“リビング・ウィルカード”が発行される。

どこまで治療するかを具体的に決めておく

自分の意思を伝えておかないと、自分の判断能力がなくなったときに、すべての決断を家族に委ねることになります。場合によっては、安らかな最期を迎えるか、長い治療生活を送るか、酷な選択を迫ることに。そうならないためにも意思を伝えておきましょう。胃ろうをするか、人工心肺を用いるか、判断能力がなくなったらどうするか、コミュニケーションがとれなくなったらどうするかなど、あらゆるケースを想定して具体的に決めておくのがベスト。

死後のことについて考える

しっかり備えて、家族に負担をかけない。それが愛情表現に

「死について考えたときに気にかかるのが、やはり自分が死んだ後のこと。残された家族のために考えておかなくてはいけません。財産、家、もの……どんなに暮らしや持ち物をコンパクトにしても、なにかしら残るものはあります。そしてその始末をしてくれるのは、ほかならぬ家族です。あなたがあらかじめ決めておくだけで、体力的にも精神的にも彼らの負担がぐっと減ります。あなたが備えておくことが、大切な人への愛情を示すことにもなるのです」

サブスクや銀行口座、クレジットカードを整理しておく

あなたにしか管理ができないお金や情報は、死後、残された人を困らせる種に。ネットバンキングや仮想通貨、クレジットカードなどは、なかなか他人が介入するのが難しいものです。サブスクリプションなどは、たとえ亡くなった後でも、解約しない限り自動的にお金が払われ続けてしまいます。使っていないものはいまのうちに解約するなどして、少しずつ整理しておきましょう。

家族と話し合っておく

大事なのは、あらかじめ家族と話し合っておくこと。死をタブー視せず、必要なことだと考えて家族会議の開催を。財産はどうするか、家やものの片づけはどうするか、お葬式やお墓はどうするか、認知症になったらどうするか、いざというときの治療方針など、具体的に話し合っておきましょう。そうすることで、お互いの不安やわだかまりを解消できます。

遺言書を作っておく

遺言書と聞くと「私にはまだ早い」と思うかもしれませんが、人はいつ死ぬかわかりません。遺言書の作成で、死後のさまざまなトラブルや面倒な手続きを回避することが可能。後々残された家族を助けるものだと心得て、作っておきましょう。遺言書には、大きく「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の2種類があります。

遺言状の種類

\おすすめはコチラ/公正証書遺言

本人と証人が立ち会いのもと、公証人が作成する遺言書。専門家のもとで作成するため、無効となる可能性や紛失・改ざんのリスクはありません。開封時の検認手続きも不要です。手数料(相続する財産額により変動あり)がかかりますが、安心で安全のため、個人的にはこちらが断然おすすめです。

自筆証書遺言

遺言者が自分の手で作成する遺言書のこと。無料で作ることができますが、紛失や改ざんのリスクがあり、不備により無効となってしまう恐れもあります。また、開封時には裁判所の検認手続きが必要です。時間がかかるうえ、全相続人に財産の詳細が知れ渡ってしまうことが配偶者のストレスになることも。

教えてくれたのは

司法書士 太田垣章子さん

賃貸不動産経営管理士、合同会社あなたの隣り代表社員。賃貸トラブル解決や、「人生100
年時代における家族に頼らないおひとりさまの終活」支援に注力し、メディア出演や講演多数。著書に『あなたが独りで倒れて困ること30』(ポプラ社)など。

イラスト/鈴木衣津子 構成・文/平井薫子 ※素敵なあの人2025年12月号「いまから備えておきたい 素敵世代の終活」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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