『お金が逃げる家庭』で共通していた…ポイント還元で損する“使い方”とは？

ポイント還元は、上手に活用すれば家計にとってプラスになるものです。しかし、ポイント利用を目的としてしまうと、かえって家計を圧迫してしまうケースもあります。今回の記事では、身近なポイント還元の使い方について、どのような点に気をつけるべきか、お金のプロが詳しくご紹介します。

ポイント還元の罠とは？ただ得するだけじゃない複雑な仕組み

ポイント還元は、消費に対して一定の割合でポイントが還元される仕組みです。スーパーの買い物やクレジットカードでの支払い、スマホ決済の利用などでポイントが還元されます。これらは、一見お得に見えますが、ポイント還元だけを意識すると逆効果になることもあるのです。

まず、ポイント還元を得るために不要な買い物が増えるケース。ポイント還元率が高いからという理由で、本来必要ない商品の購入や、まとめ買いをしてしまい、結果的に無駄遣いになる傾向があります。

次に、高い還元率のサービスを使うために、手数料や年会費がかかるカードを新たに作ることです。ポイント還元額より手数料などのコストが大きくなることも少なくありません。

最後にポイント失効のリスク。せっかく貯めたポイントも使用期限を過ぎれば消滅するため、還元の意味がなくなります。

ポイントを貯めることに熱中して、トータルの支出が増えてしまう可能性があるため、ポイントだけに惑わされないことが重要です。

ポイント還元を賢く活用し、「お金が逃げる」状態を回避するためには、どうすればよいのでしょうか。5つの工夫と心構えを紹介しますので、参考にしてみてください。

こうした基本を押さえれば、ポイント還元は「賢い節約ツール」として力を発揮しやすくなります。最も大事なことは、毎月の予算管理を行い、黒字家計を作ることです。ポイント還元は、必要な物の購入や、サービスの利用をした結果得られた「おまけ」のようなものと理解しましょう。

ポイント還元は一見お得な仕組みですが、慣れないうちはその使い方に注意が必要です。不要な買い物や高コストカードの利用、ポイント失効を避けられない場合など、思わぬ損失が家計に響くことがあります。「お金が逃げる家庭」に共通しているのは、ポイント還元のメリットだけに惑わされることだと言えるでしょう。

節約の意識は大切ですが、同時に全体の収支を見渡し、賢くポイントを活用することが重要です。細かい数字に振り回されず、生活を豊かにするツールとしてポイント制度と向き合ってみてはいかがでしょうか。

監修者：中川佳人（なかがわよしと）

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。