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「息子の将来のため」20年で1,200万円を積み立てた母→死後、40代息子が相続しようとすると…発覚した事実に“耳を疑ったワケ”

  • 2026.10.31
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!元メガバンク銀行員の渡辺智です。

「息子の将来のために、少しでもお金を残してあげたい」

そんな親心から、20年間にわたり毎月5万円、合計1,200万円を息子名義の口座に積み立ててきた70歳の女性。ところが、母親が亡くなった後、思いもよらない問題が発覚します。

相続手続きを進めるなかで、税理士から告げられたのは「息子さん名義の預金でも、相続税の対象になる可能性があります」という衝撃の一言でした。

なぜ、息子のために積み立てたお金が、母親の相続財産とみなされるのでしょうか。今回は、銀行の現場でも問題になりやすい「名義預金」の落とし穴について、具体的な事例をもとに解説します。

20年間、息子のために積み立て続けた1,200万円

埼玉県に住む70歳のSさん(仮名)は、夫と二人暮らし。45歳になる一人息子は、すでに独立して家庭を築いていました。

Sさんが息子名義の銀行口座にお金を積み立て始めたのは、50歳のときでした。

「将来、息子がお金に困ったときに使えるようにしてあげたい」

そんな思いから、毎月5万円を欠かさず入金してきたのです。

5万円といっても、年間では60万円。20年間で積み立てた金額は、合計1,200万円に達していました。

口座は息子名義でしたが、通帳や印鑑はSさんが自宅で保管。息子自身は、その口座の存在を知っていたものの、預金を引き出したことは一度もありませんでした。

Sさんは「息子名義の口座なのだから、当然、息子のお金になっている」と考えていました。

しかし、この何気ない管理方法が、後に相続手続きで問題になるとは、当時のSさんは想像もしていなかったのです。

母親の死後、税理士から告げられた想定外の指摘

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

積み立てを始めてから20年後、Sさんは70歳で亡くなりました。

相続手続きを進めることになった45歳の息子は、母親が残してくれた1,200万円について、特に心配していませんでした。

「自分名義の口座に入っているお金だから、相続とは関係ないだろう」

ところが、相続財産の確認を依頼した税理士から、思いもよらない指摘を受けます。

「この1,200万円は、お母様の相続財産として扱われる可能性があります」

息子は耳を疑いました。

「えっ? 私の名前で作った口座ですよ。それでも相続税がかかるんですか?」

税理士によると、預金の名義だけでなく、誰がお金を出し、誰が管理していたのかが重要になるといいます。

今回のケースでは、積み立てたお金はすべて母親が負担し、通帳や印鑑も母親が管理していました。息子が自由に使える状態だったかどうかも、判断のポイントになります。

つまり、息子名義であっても、実質的には母親の財産である「名義預金」と判断される可能性があったのです。

「母が20年間、私のために貯めてくれたお金なのに……」

息子は、預金の名義だけでは所有者が決まらないという現実に、言葉を失いました。

元銀行員が解説する、名義預金で失敗しないための注意点

今回のようなケースは、銀行の現場でも珍しくありません。

親が子どもの将来を思って積み立てたお金でも、口座の名義だけで贈与が成立するわけではないのです。

重要なのは、子どもが贈与を受けたと認識し、実際にそのお金を管理・使用できる状態にあったかどうかです。

例えば、毎年60万円を息子に贈与し、息子自身が口座を管理していたのであれば、贈与が成立していると判断される可能性があります。

一方、親が通帳や印鑑を保管し、自由に入出金していた場合は、親の財産とみなされる可能性が高まります。

なお、名義預金と判断されたからといって、必ず相続税が発生するわけではありません。

相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除があり、相続財産の総額がこの範囲内であれば、原則として相続税はかかりません。

大切なのは、預金の名義を変えることではなく、贈与の意思を双方で確認し、その事実を記録に残すことです。

親の愛情から始めた積み立てが、思わぬ相続トラブルにつながらないよう、生前から適切な準備をしておきたいものです。


執筆:渡辺智
元メガバンク銀行員・金融ライター。銀行で11年間、富裕層を中心とした資産運用・相続・住宅ローンなどの相談業務に従事。5,000件以上のライフプラン相談実績を持つ。

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