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「知りませんでした…」孫2人に“110万ずつ”渡そうとした70代祖母、年明けにしようと思いきや…窓口で告げられた“予想外の事実”

  • 2026.11.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、孫への贈与をいつ渡すか迷っていた70代女性Aさんの体験談です。年明けでも同じだと考えていたAさんが、窓口で知ったこととは。

今年はまだ渡していない。年明けでもいいと思っていた

先日、相談にいらした71歳のAさん。夫と二人暮らしで、息子夫婦と、小学生と中学生の孫が2人います。

数年前から、孫それぞれに年110万円ずつ贈与してきました。息子夫婦に事情を話し、孫名義の口座は親が管理しています。贈与契約書も毎回作っているそうです。孫が18歳になったら、通帳と印鑑は本人に渡し、本人が管理する形に切り替える予定です。

ただ今年は、夫の入院や自宅の修繕が重なり、気づけば10月下旬。まだ渡せていませんでした。

「年末は何かと慌ただしいので、落ち着いてから年明けにしようかと思っていまして」

ところが窓口で担当者に伝えると、それはもったいないかもしれない、という話になりました。

12月と1月では、使える枠が変わる

贈与税の基礎控除は、1月1日から12月31日までの1年間で110万円。この区切りは暦年と呼ばれます。この110万円は、もらう側の1人あたりの金額です。孫がほかの祖父母や両親からも贈与を受けていれば、すべて合計して判定します。

Aさんが今年まだ贈与していないということは、今年の枠がまるまる残っている状態です。12月中に渡せば今年の枠を使い、さらに翌年1月に渡せば来年の枠も使えます。孫2人なら、2年分で440万円を非課税で渡せる計算です。

一方、年明けまで待てば、使えるのは来年の枠だけ。今年の枠(孫2人で計220万円分)は、使われないまま消えてしまいます。

「ひと月ずらすだけで、そんなに違うとは知りませんでした…」

使わなかった枠は翌年に繰り越せません。毎年リセットされる仕組みです。

年末の振込は、着金の日に注意

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ここで担当者が念を押したのが、日付の扱いでした。

契約書がない贈与は、受け取る側がお金を受け取った日(振込なら入金された日)が贈与の日になります。契約書を作っていても、入金が翌年にずれ込むと、いつの贈与かを説明しにくくなります。契約書の日付と入金を、どちらも年内にそろえておくのが安心です。

金融機関は12月31日から1月3日まで休みです。年内の最終営業日は12月30日で、30日が土日にあたる年はさらに早まります。月末ぎりぎりに手続きすると、着金が翌年になってしまう可能性があります。余裕をもって、12月の中旬までに済ませておくのが安心です。

また、記録を残すことも大切です。贈与契約書に日付を入れ、振込の記録を通帳に残しておけば、いつの贈与かが明確になります。

一方で、毎年同じ時期に同じ金額を渡し続けることには、注意点もあります。あらかじめまとまった金額を贈ると決めていて、それを分割して渡しているだけだと判断されると、定期贈与として初年度にまとめて課税される場合があるのです。

防ぐには、毎年その都度、贈与の意思を確認して契約書を作ること。金額や時期を毎年少しずつ変えておくのも一つの方法です。Aさんのように契約書を作っている場合でも、「10年間にわたって毎年110万円を贈与する」といった書き方は避けたほうが安全です。

もう一点、知っておきたいことがあります。相続や遺贈で財産を受け取る人への贈与は、相続開始前7年以内のものが相続財産に加算されます(※加算対象となる期間は段階的に延長され、2031年1月1日以降に亡くなられた場合に最長7年となります)。ただし孫は通常、相続人ではないため、この加算の対象になりません。子へ贈るより、孫へ贈るほうが相続税の面で有利とされるのはこのためです。もっとも、遺言で財産を受け取る場合や、生命保険金の受取人になっている場合は加算の対象になります。

「今年の分は年内に、来年の分はまた改めて考えます」

Aさんは、11月中に息子夫婦と話し、年内に振込を済ませることにしました。

贈与の時期を決める前に確認しておきたいこと

同じ金額でも、渡す時期で結果が変わります。次の点を押さえておきましょう。

  • 贈与税の基礎控除は1月1日から12月31日で区切られる
  • 使わなかった枠は翌年に繰り越せない
  • 年内と年明けでは、使える枠が1年分変わる
  • 契約書の日付と着金を、どちらも年内にそろえる
  • 年末は休業日が重なるため12月中旬までに
  • 毎年その都度、贈与契約書を作る
  • 金額や時期を固定しすぎない
  • 孫への贈与は相続前7年以内の加算の対象外(遺贈などがある場合を除く)

贈与税の取り扱いは、税務署や税理士に相談してください。振込の手続きや着金のタイミングについては、取引先の金融機関の窓口で確認できます。

「いつ渡しても同じ」と考える前に、暦年という区切りを確かめておくことが、非課税の枠を無駄にしない第一歩です。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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