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路線バスに乗るのが「怖い」SNSで共感多数!?「謎の紙でパニック」「料金がホラー」いったい何が問題なのか?

  • 2025.10.15

SNSで拡散された「バス怖い」問題

SNSで拡散された「バス怖い」問題
SNSで拡散された「バス怖い」問題

2025年10月14日、X(旧Twitter)に投稿された「バスに乗るのは基本怖い」という投稿が、瞬く間に拡散され、多くの人々の共感を呼びました。

「バスに乗るのは基本怖い。乗降方式、運賃システム、ICカード対応、バス停での並び方など、地域によってUI(ユーザーインターフェース)が違いすぎる。」この投稿は、都市生活者を中心とする層から強い共鳴を得ており、バス利用の「地雷原」感を象徴する内容が、日常のフラストレーションを代弁する形となりました。

なぜバスのUIは統一されないのか?

反響の背景にあるのは、日本の路線バスが地域ごとに運用ルールが細かく異なり、全国統一のガイドラインが薄いという実情です。日本のバス事業は、複数の民間企業や公営事業者が地域ごとに独立して運営されているため、各社が独自のシステムを構築してきました。この「UIの地域差」は、海外の多くの都市が均一運賃や統一された決済システムを採用しているのと比較しても、日本特有の顕著な特徴と言えます。

このルールのわかりにくさ、つまり「ルール不明瞭」は、利用をためらう大きな要因となっています。国土交通省の路線バス利用促進策に関する調査では、利用頻度が低い理由として、「運賃支払方法がよくわからない」(約15%)、「乗降方法がよくわからない」(約14%)、「時刻表の見方がよくわからない」(約13%)といった具体的な項目が上位に挙げられており、これらのルールに関する不安の合計は20%を大きく超えることがわかります。

利用者を戸惑わせる具体的な違い

利用者を戸惑わせる主な具体的な違いは以下の通りです。

1. 乗降方式と支払いの混乱

前乗り・先払いが標準の都市部に対し、地方では後乗り・後払いが主流です。後払い方式では、乗車時に受け取る整理券と、降車時に運賃表示板で確認する必要があり、距離制で変動する運賃の計算ミスへの不安がつきまといます。往路と復路でルールが変わる「罠」も報告されており、初めての利用者には大きな壁となっています。

2. 複雑な料金システムと決済手段

変動制(距離比例)では、運賃箱の両替機能がなく、おつりが出ない事業者があるため、事前準備が必須となります。「つり銭の無いように」との注意書きがプレッシャーを与えます。交通系ICカードのタッチ方法も、乗降両方か降車時のみかといったルールが地域によって異なります。

3. バス停でのマナーの違い

都市部では列を作るのが一般的ですが、地方では並ばない文化が根強く、急な割り込みや複数系統の混在で混乱が生じます。

「UIに地域差がありすぎる」という投稿は、日本の交通インフラの複雑さが生み出したこの社会的な課題を的確に突き、多くの人々の共感を呼び起こしました。

共感の嵐と具体的な体験談も

投稿は「わかる」「まさにこれ」といった即時反応で埋め尽くされ、リプライ欄は「バスあるある」の祭典となりました。

ルール混乱の体験談として、「地方へ移ったら、謎の紙(整理券)が出てきてパニック。料金が増えていく画面がホラー」といった声が多数寄せられました。また、障害者利用者からは「千円札を両替しようとしても吐き出され、運転手が無反応。バス怖い」との切実な声も出ています。

高齢者や初心者目線では、「お年寄りがICの使い方を間違えて乗車遅れ。運転手が親切に教えてくれる文化が失われそう」といった、配慮を求める意見も見られました。そのほか、「全てのバス停に作法を記載して。予約制やアプリ統一を」といった具体的な改善提案のほか、「おじいちゃんの小銭探しで+1分」といったユーモアを交えた「遅延あるある」も投稿されています。

投稿が可視化した社会課題

この投稿は、「孤独じゃない」という安心感を共有する場を提供し、公共交通機関のアクセシビリティ向上を後押しするムーブメントに発展しつつあります。日常の小さな恐怖を共有することで、バス会社に対し、利用者目線でのUI統一と改善を促すきっかけとなるのではないでしょうか。

(足立むさし)

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