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『終活』で考えたいお金のこと…スムーズに進める“コツ”をお金のプロが解説

  • 2025.10.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

終活という言葉を耳にすると、遺品整理やお墓のことを思い浮かべる方も多いでしょう。でも実は、お金の整理こそが終活の大切な一歩です。遺された家族が困らないために、また自分自身が安心して日々を過ごすために、資産や負債、生活費の見通しをしっかり立てておくことが役立つといわれています。

この機会に「終活」と「お金」の関係をじっくり整理し、スムーズで安心な未来づくりに役立ててみませんか?

終活に欠かせない「お金の整理」にはどんなものがある?

終活で「お金」を考えるとき、まず気になるのは「どこから手をつければいいのか?」ということ。お金の整理と言っても、貯蓄だけでなく、年金や生命保険、不動産や借金、さらには葬儀費用など、多角的に検討が必要です。

具体的には、まず自身の金融資産や預金、証券、不動産をリスト化し、次に負債(住宅ローンやカードローンなど)を明確に把握しましょう。さらに、毎月の生活費や医療費、介護費用も予測できる範囲で見積もることも重要です。

また、遺産相続についても考慮しておくと、万が一のとき家族間のトラブルを減らせる可能性があります。争続とならないために遺言書の作成や、生命保険の受取人確認、財産を誰に渡すかを具体的に話し合っておくのもひとつの手です。これらの作業を通して、お金の状況がクリアになると、心の負担が減るという声も聞かれます。

終活の資金計画を立てる上でのポイントとは

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

終活を早期から始める人が増えている一方、財産の管理や整理がうまく進まない人も多くいます。また、預貯金だけでなく、金融資産や不動産の相続を適切に管理している人の割合はまだ十分とは言えません。

具体的には、まず「財産目録」を作ることが有効です。これは現金や預金、株式、不動産、保険契約、借入金などを一覧にするもの。これを作成すると、自分の資産全体や負債の全体像が見えやすくなります。さらに、金融機関や証券会社には「信託銀行」や「遺言信託」など、終活に関するサポートサービスが増えています。専門家に相談しながら財産の整理を進めることで、手続きの誤りや見落としを防げます。

避けたいのは財産情報の一元管理がされていないために発生するトラブル。たとえば、銀行口座や保険の契約が家族に正確に伝わっていないと、手続きが滞ったり、相続争いの要因になったりすることがあります。そのため、財産管理の方法として「エンディングノート」への記載が注目されています。エンディングノートは法的効力はありませんが、今持っている財産の情報や希望を家族に伝えるための有用なツールです。なお、重要な金融関連の書類は安全な場所に保管し、信頼できる家族や専門家に共有しておくことが推奨されています。

加えて、葬儀費用や墓地の費用も見落としがちなお金の問題。こちらも数十万円から数百万円かかるケースが多いため、どういった葬儀やお墓を希望しているのかを明確にし、将来かかる費用を想定することが大切です。あらかじめ準備しておくことで、残された家族の経済的な負担を軽減したり、不必要な費用を払うことがなくなる可能性があります。

終活のお金整理で大切なこと

終活を意識するとき、お金の整理は「不安の解消」と「他者への思いやり」を両立させる重要なポイントになります。まずは今の財産と負債の実態を知ること、そして具体的な資金計画を立てることで、将来の生活の見通しがつくといった点が大きなメリットです。遺言や生命保険など、資産の引き渡し計画を用意することも、争いを防ぐひとつの方法として役立つことが期待されます。

元気なうちにお金のことを見直すことで、将来の生活設計にもゆとりを持ちやすくなるでしょう。終活を機に「自分も家族も安心できるお金の整理」を始めてみてはいかがでしょうか。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。