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主任「全員帰れないよ!」私の“たった1本の針”で職員室が凍りつき…一部始終に「血の気が引いた」【現役保育士の告白】

  • 2025.10.21
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出典:photoAC(写真はイメージです)

こんにちは。幼稚園教諭、保育士として働き今年で13年目になる現役保育士のめじです。

今回は現場が凍りついた事件を一つ、紹介します。今でも発表会前になるとこの出来事を思い出し、より一層気を引き締めなければと感じさせられます。

発表会準備の最中に起きた“異変"

2月の発表会に向けて、衣装や小道具作りなどで園内も慌ただしかった10月のことです。

私は当時保育士歴2年目、4歳児クラスの担任をしており、劇で使用する衣装作りに没頭していました。

衣装や小道具作りは針と糸を使って行う作業です。危険を伴うため、夕方子どもの人数が減ってから子どものいない部屋で作業をさせてもらっていました。

衣装作りでは、1年目の時からキツく言われていた掟があります。「針は使ったらすぐケースに戻すこと」、「片付け前には必ず針の数を数えて全部あることを確かめること」。

1本でも無くしたら見つかるまで帰れないからね、としっかり叩き込まれていました。

その日もいつも通りケースに戻し、あとは数を数えて片付けるだけ…のはずでした。

「どうして?1本足りない…」

いつもならすぐに確認が終わるはずが、何度数えても針が1本足りないのです。

一瞬にして全身から冷や汗が吹き出しました。

なかなか言い出せず閉園時間に…凍りついた職員室

なんとかこの事態を解決しなければ、と自分の作業した場所を何度もくまなく探しました。

板目の隙間、机の下、自分の筆箱、ゴミ箱…。

しかし虚しくも針は出てこず、時間だけがどんどん過ぎていきます。

今思うと、早く報告して一緒に探して貰えば良かったのですが、当時の私は怒られるという事が怖くて、なんとかバレてしまう前に見つけようと必死だったのです。

気付くともう閉園時間。先生たちも帰りの準備に取り掛かっていました。

このままでは帰れない、と意を決して報告へ。

「すみません。針がどうしても1本見つからなくて…」

私の言葉を聞いた瞬間、職員室の空気が一気に凍りつきました。その時の雰囲気や先生たちの表情は今でも鮮明に覚えています。

「全員で探して!見つかるまで帰れないよ!」

主任の言葉で針探しが始まりました。

全員で四つん這いになり捜索へ。結果は…

始めはそれぞれが思いつくところを探していました。

しかしそれでは時間だけが過ぎるため、全員で横並びになり一斉に探しながら進もうということに。大人が10人、横に並んで這いつくばる姿は側から見るとすごい光景だったでしょう。

私は、自分の油断が先輩や後輩の先生たちを巻き込んで迷惑をかけている、ということに悔しいやら情けないやら。目に涙を溜めながら必死に探しました。

そして約20分後、諦めかけていた時に思わぬところから針が!

床ではなく、衣装を見ていた先生が、衣装についたままになっていた針を見つけてくれたのです。

無事に見つかり安堵する気持ちと同時に、「もし気づかずに衣装を着せて子どもに刺さっていたら」と思うと先程とは違う汗が全身を伝いました。

大失敗から学んだ危機管理

今考えても、あの時の私は完全に油断していました。いつもの作業、いつもの確認で、流れ作業のように雑に確認を行なっていたのです。

また、経験が浅いうちは“すぐに報告しなければならないこと”よりも“どうにか怒られずに切り抜ける方法”を探していたように思います。今回の出来事も、早めに報告していれば先生方を遅くまで残すこともなかったでしょう。

幸い園児に怪我をさせることもなく、針も無事に見つかりましたが、この出来事は私の中でとても大きな学びとなりました。

今では、確認する時には『声出しチェック』を必ず行うようにしています。また、針だけでなく1日の終わりには玩具や環境のチェックも丁寧に行うようになりました。

少しの気の緩みや判断ミス、慣れが大きな事故や危険につながる。この事をしっかりと認識し、これからも子どもの安全を守っていきます。


ライター:めじ

幼稚園、保育園と保育経験を重ね、今年で13年目に突入しました。保育の仕事の中で感じた思いや子どもたちとのやりとり、育児と仕事の両立の事など経験をもとに言葉にしています。