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10年前、ハズレくじなのに「高らかにガッツポーズ」 ドラフト史に残る、伝説の“勘違い事件”なぜ起きた?

  • 2025.10.23
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【2015ドラフト】当たりくじを引いたと思い笑顔のヤクルト元監督・真中満氏

2015年のドラフト会議で起きた、プロ野球史に残る「勘違いガッツポーズ事件」。当時、東京ヤクルトスワローズの監督を務めていた真中満氏が、高山俊選手(明大)を1位で指名してくじを引き、満面の笑みを浮かべながら高らかとガッツポーズを掲げました。

誰もが当たりを引いたと確信したものの…驚くべきことに、真中監督が手にしていたのは「はずれくじ」。東京ヤクルトスワローズファンを失意のどん底に叩き落としたあの勘違い劇は、なぜ起こってしまったのでしょうか?

歓喜と落胆が交錯した数分間

2015年のドラフト会議では、東京ヤクルトスワローズと阪神タイガースが高山俊(明治大学・外野手)選手を1位で指名しました。

真中監督と金本知憲監督がそれぞれくじを引き、周囲の人々に見守られながら開封。すると、いち早く結果を確認した真中監督が満面の笑みでガッツポーズを掲げました。金本監督は事態を察し、くじを開くことなく席に戻って行きます。

周囲もすっかり真中監督が当たりくじを引いたものと思い、実況のアナウンサーも「ヤクルトです!」と高らかに宣言。場内にもや東京ヤクルトスワローズが交渉権を獲得したことを知らせるアナウンスが流れ、真中監督を褒め称える拍手が鳴り響きました。

その後、インタビューに対し回答する真中監督。高山選手の今後について、「三拍子揃った選手ですので、チームを代表するような選手になってもらいたいと思います」とし、「慣れ親しんだ神宮球場だと思いますので、一緒にヤクルトでプレイしましょう。頑張りましょう」と思いを伝えました。

しかし…その後、事態は一転。驚くべきことに、当たりくじを引いたのは阪神タイガースであると訂正されたのです。会場内にどよめきが起きる中、満面の笑みを浮かべる金本監督。それに対し、真中監督は呆然とした表情を浮かべながら苦笑いを浮かべました。

前代未聞の「訂正」

会場がざわめきに包まれている中で、金本監督は颯爽と立ち上がりインタビューに臨みます。

交渉権を獲得したことに感謝の意を表しながら、「気持ちの整理はもうついて?」という質問に対し「そうですね。ビデオ判定でホームランに覆った、こういう心境です」と回答。

一方の真中監督は、「ガッツポーズを返してください」とすっかり落ち込んでしまったそう。

はずれくじにあった罠

どうして真中監督は、はずれくじを当たりくじであると勘違いしてしまったのでしょうか?

それは、当時のドラフトのくじの仕様に原因がありました。実は、当時ははずれくじにも「NPB」のロゴマークが押されており、それを見て、真中監督は当たりを引いたものであると思い込んでしまったのです。

しかし、実際の当たりくじには「交渉権獲得」と記載されていたそうです。

事件がドラフトに与えた影響

この一件を教訓に、翌年から「はずれくじは完全な白紙」に変更されました。

ある意味ドラフトの歴史を変えたと言っても過言ではない、「勘違いガッツポーズ事件」。ドラフト会議の恐ろしさと人間ドラマが凝縮された、伝説の珍事として今なお語り継がれています。

2025年のドラフト会議は本日16:50から始まる予定です。はたして、どのような結果を迎えるのでしょうか?


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