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鳥羽水族館「ラッコライブカメラ」、飼育員にモザイク処理。背景に一部視聴者からの“カスハラ”

  • 2025.10.23
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出典元;photoAC(画像はイメージです)

長年人気を博してきた鳥羽水族館の「ラッコ水槽ライブカメラ」について、2025年10月15日付で配信内容の一部変更が発表されました。

この変更のきっかけとなったのは、一部視聴者から飼育係スタッフに対して過度な言動や不適切な問い合わせがあったこと。館側ではこうした行為を「カスタマーハラスメント(いわゆる“カスハラ”)」に該当すると判断し、スタッフのプライバシー保護と安全を守るための対応を決定しました。

配信内容の一部変更が発表されると、ファンの間では「飼育員さんを含めてファンだったので悲しい」「スタッフを守るためには仕方ない」など複雑な声が上がっています。

果たして、これまで楽しんできた視聴者は、今回の発表をどのように受け止めているのでしょうか。詳しく紹介します。

鳥羽水族館の発表内容

鳥羽水族館は2025年10月15日、「ラッコ水槽ライブカメラ」の配信方法を一部変更することを公式サイトで発表しました。今回の変更は、視聴者が安心して楽しめる環境を維持するとともに、飼育係のプライバシーと安全を守るためとしています。

具体的な変更内容は、給餌やトレーニングなど飼育係が映る場面をすべてモザイク処理にするというものです。これまでラッコたちと飼育係のやり取りは動画の魅力のひとつでしたが、一部視聴者による過度な言動や不適切な問い合わせが確認され、カスタマーハラスメントに該当すると判断される事例もあったといいます。

こうした問題を受け、水族館ではスタッフのプライバシーや安全、心身の健康を守るため、やむを得ずこの対応を取ったと説明しています。

なお、ライブカメラ自体の配信は継続されるため、ラッコたちの姿はこれまで通り視聴可能です。水族館側は、今後もより安心して視聴できる環境づくりに努めるとともに、ラッコたちへの変わらぬ温かい声援を呼び掛けています。

人気を集めたライブ配信

鳥羽水族館では、2024年4月14日からYouTubeでの「鳥羽水族館 ラッコ水槽ライブカメラ」の24時間生放送配信を開始しました。

水族館では現在、「メイ」ちゃんと「キラ」ちゃんという2頭のラッコを飼育しています。

メイちゃんは、2004年に鳥羽水族館で誕生したメスのラッコで、国内の水族館で暮らすラッコのなかで最年長。好奇心旺盛で賢い一方、少し寂しがり屋な一面もあるといいます。

一方のキラちゃんは、2008年に和歌山県の「アドベンチャーワールド」で生まれたメスのラッコで、2021年からメイちゃんとともに鳥羽水族館で過ごしています。

2頭が仲良くプールで遊ぶ様子や、飼育員さんと触れ合う姿を24時間映し出すライブ配信は、SNSでも「鳥羽水族館のラッコたちに癒されています」「夜でも様子が見られるのは嬉しい」「現代社会のオアシス」などと好評でした。

SNSでの声

SNSでは、今回の変更を受けてさまざまな声が寄せられています。

  • 飼育員さん込みでファンだったので悲しい。
  • 飼育員さんを見られなくなるのは残念だけど、守るためには仕方ない。

ライブカメラではラッコの様子はもちろん、ラッコと飼育員さんとのやり取りを楽しみにしていた人も少なくありません。飼育員さんの姿にモザイクがかけられる対応には「残念」「悲しい」といった声が目立ちました。

一方で、この変更の原因となった一部視聴者の言動には、怒りの声も集まっています。

  • 飼育員さんに過度なクレームがいくのはおかしい。
  • カスハラした人たちは許せない!
  • 従業員の方たちを傷つける行為はとても残念。

あまりにも行き過ぎた行為には、適切な対応をとったほうがよいのでは、という指摘もありました。

  • カスハラした人を特定したり、開示請求したりしてもいいと思う。
  • カスハラは威力業務妨害になるのでは?

観る側のマナーの向上を

今回の鳥羽水族館のライブカメラ配信変更は、スタッフの安全と尊厳を守るための対応として行われました。

SNSでは、「飼育員さんの姿が見られなくなるのは残念」「スタッフさんを守るためなら仕方ない」といった声が寄せられ、理解と惜しむ気持ちの両方が広がっています。

一方で、「カスハラは許されない行為」「威力業務妨害にあたる可能性もある」というように、一部視聴者のマナーを問題視する意見も多く見られました。

動物たちを支えるスタッフを守ることは、結果的に動物福祉の向上にもつながります。その意味でも、今回の対応は適切な判断だったといえるでしょう。

とはいえ、そもそも一部視聴者の過度な言動がなければ、このような変更は必要なかったはずです。観る側の思いやりある行動が、誰もが安心して楽しめる環境づくりにつながるのではないでしょうか。


参考:
ラッコ水槽ライブカメラ 配信内容の一部変更について(鳥羽水族館)
ラッコ水槽ライブカメラを公開!(鳥羽水族館)
鳥羽水族館ラッコ水槽ライブカメラ TOBA AQUARIUM SEA OTTER LIVE CAMERA(鳥羽水族館 TOBA AQUARIUM)


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