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絶対にクリックしないで!その有名人広告、詐欺かも。警察庁が警告する被害急増中の手口とは

  • 2025.10.19
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

動画サイトで、見慣れた有名人が投資や株について語る広告を見て、「あれ?本当に本人?」「何かおかしいな」と疑問に思ったことはありませんか?

近年、SNSや動画広告などで、有名人の顔写真や名前を無断で使用し、投資や暗号資産などを勧誘する“なりすまし広告”が急増しています。

実際に、実在の人物を装った虚偽の広告を信じてしまい、金銭的な被害を受けたという報告も相次いでいます。

それでは、こうした「有名人なりすまし広告」はどのように拡散され、どんな点に注意すべきなのでしょうか。被害を防ぐためのポイントや警視庁などが行った注意喚起の内容、そして世間の反応を詳しくご紹介します。

なりすまし広告とは?

なりすまし広告とは、有名人の名前や顔写真、さらには実在する記事のような見せ方を用いて、あたかも信頼できる情報源であるかのように装い、投資やサービスへの勧誘を行う広告のことです。広告を見た人に安心感を与え、金銭のやり取りや口座開設などにつなげるのが特徴です。

典型的な手口の流れは、まずSNS(InstagramやYouTubeなど)上の偽アカウントや偽広告を通じて始まります。これらは著名人の公式アカウントやWebサイトに掲載されている写真を無断で使用し、本人になりすますこともあるため、十分な注意が必要です。

SNS上の広告や偽URLをクリックすると、LINEのグループや詐欺サイトへの誘導が行われるほか、個人のLINEアカウントやSMSに直接連絡が来るケースもあります。

LINEのグループに参加すると、犯人は特定の銘柄の投資勧誘や口座開設・入金の要求を行います。複数のアカウントを使って投資が成功しているかのように見せかけ、参加者が投資を行いたくなるように仕向けるのが特徴です。

指示された個人口座に入金すると、最初は利益が出たように見せかけられますが、高額入金後に連絡が途絶えたり、出金時に追加の入金を求められた直後に連絡が取れなくなったりするなどの被害が報告されています。

警察庁(NPA)も「SNS型投資詐欺」として、こうした手口の具体例をまとめて注意を呼びかけています。有名人の名前や画像を安易に信じず、誘導先での金銭のやり取りには十分な注意が必要です。

警察庁や警視庁による注意喚起

警察庁や警視庁は、SNS上での「なりすまし広告」をきっかけとした投資詐欺の急増に注意を呼びかけています。最近では、有名投資家や芸能人の名前・写真を使って「この方法で誰でももうかる」「無料で投資を学べる」といった広告をSNSや動画サイトに掲載し、LINEなどへ誘導する手口が目立っています。

例えば、実業家のホリエモンこと堀江貴文氏の画像や動画、音声を無断で利用し、あたかも本人が「儲かる方法」を語っているかのように見せかける、悪質な動画広告が確認されています。

警察庁によると、特にYouTubeに掲載された広告からの被害が急増しているとのこと。単月でみると、YouTube広告からLINEに誘導されて被害に遭うケースが約98%を占めるといいます。

また、警官を装った詐欺では暗号資産の送信を求める手口が増加しているほか、マッチングアプリなどを通じて「将来のため」などと投資を持ちかけるロマンス詐欺の被害も拡大しています。

いずれも実在の人物や企業を装う点が共通しており、見た目が本物のようでも容易に信用しないことが大切です。警視庁は、不審なメッセージや広告には反応せず、速やかに通報するよう呼びかけています。

実際にこんな被害も

実際に、有名人を名乗るSNS投資広告によって、多額の被害を受けたという相談が寄せられています。

千葉県の公式Webサイトではこのような事例が挙げられています。ある相談者は、有名人の投資指南を謳う広告を見てサイトに登録し、オンラインのグループに加入。投資で儲かったという投稿や有名経済学者を名乗る人物からの電話を信じ、2,500万円を投資しました。6,360万円まで増額したため出金を申し出ると「税金の支払い」を求められたうえ、最終的に口座を凍結され、騙されたと知ったといいます。

消費生活センターによると、有名人の写真を無断で使った偽広告やなりすましアカウントを通じたトラブルが数多く寄せられているとのこと。「無料で稼げる」「楽に稼げる」などと謳う広告は特に注意が必要で、疑わしい場合はアクセスせず、公式サイトで確認することが大切です。

投資勧誘を受けた際は、業者が暗号資産交換業や金融商品取引業の登録等を受けているか金融庁のサイトで確認し、不安を感じたら早めに警察や消費生活センターへ相談しましょう。

SNS上での声

SNS上では、実際に被害に遭った人や、詐欺の巧妙さに驚いた人の声が多く見られました。なかには、「本物だと思って信じてしまった」という体験談も少なくありません。

  • アプリもサイトもすごく手が込んだつくりになっていて騙されてしまった。
  • 偽物の取引画面は本当によくできていた。
  • 知らず知らずのうちに詐欺ページに導かれていました…。
  • なりすましアカウントにフォローされていました。
  • 本物かと思ってフォローしたら偽物でした。

被害の多さに、運営側にも対策してほしいという声も寄せられていました。

  • SNS事業者やアプリ運営者などに対して法改正しなくてはならないと思う。
  • なりすましのアカウントは取り締まってほしい。

詐欺の巧妙化が進むなか、利用者が安心してSNSを使えるよう、環境整備を望む声が高まっているようです。

見抜く・防ぐための対策とは

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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

なりすまし広告や投資詐欺に遭わないためには、まず「疑ってみること」が重要です。なかには、著名人の写真や名前を無断で使って信用させようとする偽広告もあり、安易に信じてしまうとトラブルに巻き込まれるおそれがあります。

また、振込先が個人名義の口座であれば詐欺の可能性が高く、絶対に送金してはいけません。被害回復は非常に難しいため、少しでも不審に感じた場合は、その場で取引や入金をやめ、すぐに消費生活センターや警察などに相談しましょう。

消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
警察相談専用電話「#9110」
最寄りの警察の相談窓口につながる全国共通の電話番号です。
出典:SNSをきっかけとして、著名人を名乗る、つながりがあるなどと勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増-いったん振込してしまうと、被害回復が困難です!-(国民生活センター)

被害を未然に防ぐためにも、違和感を感じた広告には近づかず、信頼できる機関に相談しながら情報を確認する習慣をもつことが大切です。

慎重な判断と冷静な対応を

SNSや動画サイトに表示される“有名人なりすまし広告”は、見慣れた名前や写真を使って信頼させ、巧みに金銭をだまし取る悪質な手口です。実際に被害が相次いでおり、広告の精巧さから「本物だと思った」という声も少なくありません。

警察庁や国民生活センターも警戒を呼びかけているように、SNS上の情報をうのみにせず、「本当に本人が発信しているのか」「個人名義の口座に送金を求められるのはおかしいのではないか」と慎重に判断しましょう。

少しでも不審に感じた場合は、すぐに取引を中止し、消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)に相談をしてください。

被害を防ぐためには、安易に信じることなく、本物かどうかをしっかりと確かめる姿勢が大切です。


参考:
令和7年8月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)(警察庁)
SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください!(金融庁)
生成AIによる偽動画に注意!(伊勢市)
著名人を名乗るSNS型投資詐欺に注意(警視庁)
有名人なりすましのSNS投資広告のトラブル(千葉県)
SNSをきっかけとして、著名人を名乗る、つながりがあるなどと勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増-いったん振込してしまうと、被害回復が困難です!-(国民生活センター)


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