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これどうやって計算するか覚えてる?「四角錐(しかくすい)の体積は?」→正しく計算できる?

  • 2025.10.26
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体積の問題は紙の上ではイメージしづらく、面積の問題に比べて難易度は高めです。ただし、基本公式さえ覚えておけば、案外スムーズに計算できることもありますよ。

今回は、四角錐の体積を求めてみましょう。

問題

次の四角錐(しかくすい)の体積を求めなさい(底面は正方形です)。
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解答

正解は、「50cm3」です。

150cm3と答えてしまった人は、残念ながら間違いです。「ある数」で割るのを忘れていませんか?

次の「ポイント」で角錐の体積の公式を復習してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「底面の面積×高さ÷3」という角錐の体積の公式です。

円錐や角錐の体積を求めるときは、3で割ることを忘れてはいけません。

問題文を見ると、この角錐の底面は正方形であることが分かります。正方形の面積は、一辺の長さ×一辺の長さで求められましたね。

問題の図を見ると、底面の正方形の一辺の長さは5cmです。よって、底面積は次のように求められます。

5cm×5cm=25cm2

次に、高さを掛けます。

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図より高さは6cmだと分かりますので、公式に当てはめると、次のように体積を計算できます。

底面積×高さ÷3
25cm2×6cm÷3=50cm3

3で割ることを忘れると、答えが150cm3になってしまうので注意してくださいね。

また、体積の単位はcm3です。50cm2(面積の単位)と答えないようにしましょう。

【おまけ】どうして3で割るの?

角錐の体積を求める際、唐突に出てくる÷3ですが、どうして3で割るのか気になる人もいるかもしれません。

÷3の正体は、高校数学を使うと分かるのですが、ちょっと難しい説明になってしまいます。

そこで、ここでは簡易的に3で割る理由を考えてみましょう。

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一辺の長さがAの立方体は、上の図のように線を引いていくと6個の角錐に分かれます。ここで、角錐の体積をVとします。

立方体の体積は「一辺の長さ×一辺の長さ×一辺の長さ」なので、次の等式が成り立ちます。

6×V=A×A×A
6個の角錐の体積の合計=一辺がAの立方体の体積

Vの底面積はA×A、高さはA÷2です。ここで、V=底面積×高さ÷?として、?に当てはまる数を考えましょう。

6×V=A×A×A
6×A×A×A÷2÷?=A×A×A

この等式が成り立つためには、?は3でなければなりませんね。

これで、角錐の体積の公式に÷3が出てくる意味がなんとなくイメージできたのではないでしょうか。

まとめ

今回は、角錐の体積を求める問題にチャレンジしました。

角錐と円錐の体積は、どちらも次の公式で求められます。

底面積×高さ÷3

円柱や角柱の体積を求める公式「底面積×高さ」に÷3をつけ足した形をしていますね。この÷3は忘れやすい部分ですので、ぜひ意識して覚えるようにしましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


もう一問挑戦!

これどうやって計算するか覚えてる?「底面の正方形の1辺の長さが4cm、高さが6cmの四角錐」→体積は?
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