1. トップ
  2. 工夫して10秒で計算してみて!「94×86」→暗算できる?

工夫して10秒で計算してみて!「94×86」→暗算できる?

  • 2025.10.30
undefined

九九を覚えている人なら一桁同士の掛け算は簡単なはずです。一方、二桁×二桁となると、筆算なしではなかなか答えが出せない人が多いのではないでしょうか。

しかし、工夫次第で、簡単に計算できる二桁の掛け算もあるのです。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
94×86

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「8084」です。

どうやって計算すれば、暗算で、しかも10秒という短い時間でこの答えが出せるのでしょうか。

次の「ポイント」で、暗算方法を確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「90に4を足した数と90から4を引いた数の掛け算」として計算することです。

つまり、94×86を(90+4)×(90−4)として考えるということです。

このように、「同じ数Aから同じ数Bを足したものと引いたものの掛け算」は、次の3ステップで暗算ができます。

(A+B)×(A−B)の暗算方法

ステップ1:A×Aを計算する
ステップ2:B×Bを計算する
ステップ3:A×Aの答えからB×Bの答えを引く

では、この手順に従って、94×86を計算してみましょう。

94×86=(90+4)×(90−4)の暗算方法

ステップ1:90×90=8100
ステップ2:4×4=16
ステップ3:8100−16=8084

この方法なら、簡単に掛け算ができたのではないでしょうか。

この暗算方法が成り立つ理由

先に紹介したような計算方法で掛け算の答えが出てくるのは、ちょっと不思議かもしれません。

もちろん、この暗算方法が成り立つのには理由があります。

まず、次の分配法則を思い出してください。

<分配法則>
a×(b+c)=a×b+a×c
(a+b)×c=a×c+b×c

※()の中が−でも分配法則が使える
a×(b−c)=a×b−a×c
(a−b)×c=a×c−b×c

では、この法則を使って(A+B)×(A−B)の計算をしてみましょう。

まずは、(A+B)をひと固まりと見て、(A−B)にばらばらに掛けていきます。

(A+B)×(A−B)
=(A+B)×A−(A+B)×B

次に、AとBをそれぞれ()の中の数に掛けていきます。

(A+B)×A−(A+B)×B
=(A×A+B×A)−(A×B+B×B)
=A×A+B×A−A×BB×B←()の前に−が付いたとき、()を外すと中の+・−は反対になる

−(A×B+B×B)の()を外したとき、B×Bの前が+から−になるのがポイントです。

掛け算は掛ける順番を変えても同じ答えになるので、B×AとA×Bは同じ数になります。つまり、同じ数から同じ数を引いている+B×A−A×Bの部分は消えるということですね。

A×A+B×A−A×B−B×B
=A×A−B×B

これで、(A+B)×(A−B)がA×A−B×Bとして計算できる理由が分かりましたね。

まとめ

今回は、同じ数Aから同じ数Bを足した数と引いた数の掛け算について暗算方法を紹介しました。

この暗算方法は、インド式計算法の一種として知られています。A×AからB×Bを引くという計算手順は、単純だからこそ暗算に最適です。一見不思議に見えるこの方法も、分配法則を使ってみると、ちゃんと「成り立つ」理由があることが分かりますよ。

インド式計算法には、他にも様々なパターンがあります。気になる人は、ぜひ他の計算法も調べてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


この問題は解けるかな?

【脳トレ】「100mLは何cc?」大人が意外と間違えがちな『算数問題』特集
【脳トレ】「100mLは何cc?」大人が意外と間違えがちな『算数問題』特集