老後の『マイカー』問題…売ったほうがいい？持っていたほうがいい？→お金のプロが教える“答え”とは

「老後のマイカー問題」、あなたはどう考えていますか？毎日の生活で車があれば便利なのはわかっていても、維持費や使う頻度の問題で「売ったほうがいいのか？」「手元に置いたほうがいいのか？」と悩むシニアは少なくありません。

今回は、お金のプロの視点も交えて、老後のマイカー問題に対する“答え”をわかりやすくお伝えします。

「老後のマイカー問題」にはどんな課題があるの？ 多角的な視点から考える

老後のマイカーをどうするかは、多くの方にとって悩ましいテーマです。老後のマイカーにおける、課題を見ていきましょう。

1. 経済面における課題
   車は購入代金だけでなく、保険料、車検代、税金、燃料費、メンテナンス費など、多くの支出が発生します。特に老後は運転頻度が減ることも多く、これらの維持費のコストパフォーマンスが悪くなる可能性も。車の維持費は車種や乗り方、地域によってさまざまですが、月数万円程度かかります。節約志向の高い人ほどタクシーを贅沢に感じますが、マイカーをやめてタクシーに切り替えた方が経済的にメリットがあるケースもあります。
2. 安全面における課題
   運転自体のリスクも無視できません。加齢により反応速度や判断力が落ちることにより事故のリスクが高まるため、安全面の観点からも車を手放す選択をする人が増えています。お子さま世代から運転を辞めるように言われ、マイカーを手放すかどうかを悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
   
   
3. 精神面における課題
   長年乗ってきた愛車を手放すのは寂しいという心理や、自由な移動手段を捨てる不安も伴います。また地方や郊外の地域では交通機関が不便なことも多く、車無しの生活は不便を感じる場合もあります。こうしたお金、リスク、利便性、心理面の複雑な要素が入り混じり、判断を難しくしているのです。

お金の専門家の考える“ベターな選択肢”とは？

老後資金の問題が叫ばれている今、マイカー問題は老後資金と合わせて考える必要があります。経済面だけでなく、ライフスタイルとも照らし合わせて、次のような選択肢から自分に合っているスタイルを見つけましょう。

1. カーシェアリングやレンタカーを活用する
   車を使う頻度が月に数回程度なら、カーシェアリングやレンタカーの活用で十分という意見も多いです。たとえば毎月の維持費が2万円で、月4回程度車を利用するケースを考えて見ましょう。走行距離にもよりますが月4回カーシェアを利用した場合の費用は、約1万7,000円です。このようにカーシェアなら無駄な維持費がかからず、使いたいときだけ利用できるため経済的メリットが大きいのです。
    
2. 軽自動車やコンパクトカーに乗り換える
   公共交通網が不便なエリアでは、コンパクトカーや燃費の良い軽自動車に乗り換え、維持費を抑えつつ使い続ける選択肢も現実的です。地方では公共交通機関が発達していなく、車がないと生活できないというケースもあるでしょう。
   維持費の安い車種に乗り換えることで、経済的な負担を抑えられます。また乗り換えによって最新の車種に乗ることで、安全性に対する機能を向上できます。
   
   また孫の送り迎えや通勤など利用目的がはっきりしている場合は、車を持ち続ける方がQOL（生活の質）を保ちやすいこともあります。

個々の生活スタイルと地域環境に合わせることが大切

老後のマイカー問題に絶対的な答えはなく、結局は「あなたの生活スタイルや地域の交通環境に合わせた選択」が重要です。経済的に無理のない維持コストか、安全に運転できる自信があるか、公共交通や代替移動手段の充実度はどうかなど、多角的に考えましょう。

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監修者：ゆきひろ

信託銀行に勤務する傍ら、金融系の記事も執筆する兼業ライター。日々富裕層顧客に金融や不動産を活用したウェルスマネジメントや税務に関する提案を行っており、培った知識と経験を活かして情報発信を行っている。過去には大手カード会社でクレジットの審査業務経験もあり、金融全般の知識に明るい。FP1級、宅建士を保有。