1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 土砂災害には前兆がある! 音やにおいも詳しく解説

土砂災害には前兆がある! 音やにおいも詳しく解説

  • 2025.9.19

近年、豪雨の増加により土砂災害のリスクがより一層高まっています。

土砂災害は突然起こる現象と思われがちですが、事前に五感で察知できるサインも多くあります。そこで今記事では、土砂災害の前兆やサイン、被害想定を紹介します。

被害を最小限に防ぐためには前兆となるサインを正しく理解し、早めに対策することが重要です。

土砂災害の前兆

土砂災害が発生する前兆として、主に以下のサインが挙げられます。

こうした前兆が確認された場合、がけ崩れや土石流が起こりやすくなります。

発生すると住宅を含む周囲の地域に対し、土砂や岩石、水が瞬時に押し寄せるおそれがあり、危険です。住宅や建物が押し流され、道路やインフラにも大きな損害が起こる可能性があります。

避難が遅れると命を左右することもあります。災害の前兆を知り、早い段階での発見と適切な対応が欠かせません。

土砂災害の前兆(音)

土砂災害が発生する前兆として、衝突音や地鳴りなどの音が鳴る場合もあります。

こうした音も、土砂災害の直前にみられるサインです。がけ崩れや土石流、地すべりが起きる可能性があります。

もし発生した場合、数秒から数分以内に広範囲が崩壊し、道路・住宅埋没の被害が起こるリスクもあるため、速やかに安全な場所へ移動しなければなりません。

土砂災害の前兆(におい・揺れ)

土砂災害の前兆は、においや揺れで発生する場合もあります。

これらの前兆が現れた場合、がけ崩れや土石流がすでに発生している可能性があります。
何らかの違和感がある場合は、直ちに安全な場所に避難しましょう。

雨量・気象データのサインと被害想定

土砂災害は1時間雨量20mm以上、または連続雨量が100mm以上になると発生リスクが高まるといわれています。なお、土砂災害は短時間の集中豪雨によって発生するケースもあれば、激しくない雨が長く降り続いて発生するケースもあります。

そのため、1時間雨量など短期的な雨量データだけでなく、24時間雨量や数日前から現在にかけてのデータも合わせてチェックすることが大切です。雨量については気象庁のアメダスや過去の気象データ検索で確認することができます。

また、土砂災害の危険度の高まりは気象庁の土砂キキクルを用いることで把握できます。土砂キキクルで表示される危険度の大まかな見方は以下の通りです。

・ 赤色:警戒(高齢者等避難相当)
・ 紫色:危険(避難指示相当)
・ 黒色:災害切迫(緊急安全確保相当)

土砂キキクル内で紫色や黒色で表示されると、すでに土砂災害が発生していてもおかしくない、もしくは発生している状態です。

土砂災害の前兆やリスクを把握するために、こうしたサイトも活用しましょう。

前兆を感じたらすぐ避難!身を守るための3ステップ

土砂災害の前兆が見られる場合は、命を守るために迅速かつ的確な行動が不可欠です。身を守るために必要な行動を解説します。

警戒レベル3で高齢者等避難、同レベル4で全員避難

土砂災害の避難判断を行う基準や判断は、警戒レベルが参考になります。

警戒レベルとは、豪雨や土砂災害、洪水などの災害時に、住民が避難行動をとる目安として国や自治体が発表する段階的な危険度の指標です。5段階で設定されており、数字が大きくなるほど危険度が高く、取るべき行動の緊急性も高まります。

以下の表に、警戒レベルごとに取るべき行動や関連する気象情報をまとめました。

ちなみに、避難行動が必要となる人は、土砂災害の危険性がある場所にいる人です。

具体的には、ハザードマップで「土砂災害警戒区域」または「土砂災害特別警戒区域」に入っている人は、警戒レベルに基づいた避難行動を取る必要があります。

一方、自宅や職場が土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に入っていなければ、警戒レベル4や警戒レベル5となっても避難の必要はありません。ただし、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域は、土砂災害で人家被害が想定される場所を指定しています。

そのため、人家がない場所を車で移動したり、避難路として通ったりする場合、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に指定されていなくても、土砂災害のリスクがある点に注意が必要です。

斜面と反対側へ素早く移動

土砂災害の前兆を察知し、避難する時間や余裕がない場合は、斜面と反対側へ素早く移動することが重要です。

土砂災害は前兆から、わずか数十秒で飲み込まれてしまう場合もあります。そのため、たとえ数mでも斜面から距離を取ることが命を守る可能性を高めます。

素早く避難するためにも、平常時に安全な場所や方向を確認しておくことが大切です。

避難できないときの屋内安全スペース

土砂災害のサインを察知した際に、屋外に逃げることが困難な場合は、自宅内での垂直避難が基本です。

垂直避難とは、災害発生時や発生が予想される際に、建物の2F以上の高い階に移動して安全を確保する避難行動です。土砂災害で垂直避難する場合は、斜面から一番離れた場所に避難します。

垂直避難によって土砂災害の被害を免れた事例もあります。

例えば、令和2年7月豪雨では、岐阜県下呂市で夜遅くから明け方にかけて強い雨が降り、土砂災害が多数発生しました。急激に状況が悪化したため、区域外の避難場所への立ち退き避難が困難でしたが、住民の垂直避難によって被害を免れた事例が確認されています。

基本的には斜面から離れることが望ましいですが、自宅にいる際に土砂災害の前兆が見られるなど、避難することが難しい場合は垂直避難を行いましょう。

特に、夜間に土砂災害が発生すると、避難する間がない可能性があります。そうした場合も想定し、垂直避難できるように日頃からシミュレーションしておくことが大切です。

土砂災害の前兆をキャッチする方法

土砂災害の前兆を見逃さずに命を守るためには、日ごろからの情報収集が欠かせません。

まず、ハザードマップで自分の住む地域やよく行く場所の土砂災害危険区域を確認し、危険箇所や避難場所を把握しておきましょう。土砂災害の危険性が高まり、避難が必要になった際にも、慌てずに避難行動をとることができます。

次に、気象アプリや防災情報アプリを使い、大雨の予報や土砂災害警戒情報をこまめにチェックしましょう。

中でも、気象庁が発表する「大雨警報(土砂災害)」「土砂災害警戒情報」は、土砂災害の危険性が高まった際に発表される重要な気象情報で、避難行動の基準にもなります。大雨が降っている際には、土砂キキクルもリアルタイムで確認し、危険度が高まっていないか確認しましょう。

また、自治体からの避難情報を適切に収集できるかも確認しておくことがポイントです。自治体では、定期的に防災無線の試験放送を行っています。避難情報が発表された際に防災無線が聞こえるか、試験放送で確認しておくことが大切です。

防災グッズと自宅でできる防災対策

大規模な土砂災害が発生すると、道路が寸断されて、迅速な避難や救援物資の搬送が困難になる可能性があります。

そのため、もしもの場合に備えて以下の防災グッズを用意しておきましょう。

・ 飲料水:1人1日3ℓを目安に3日~1週間分
・ 非常食:アルファ米や缶詰など長期保存可能で調理不要なものを3日~1週間分
・ 携帯ラジオ:情報収集のため
・ 懐中電灯
・ モバイルバッテリー
・ 携帯トイレ、ウエットティッシュ、タオル、生理用品
・ 軍手
・ 救急セット

なお、土砂災害は大量の土砂が勢いよく斜面から流れ落ちる現象であり、窓ガラスの強化などはガラスの飛散防止に一定の効果はあるものの、土砂の流入を防ぐことは困難です。

土砂災害に強い家にするためには、建物の基礎の強化や斜面を補強する擁壁(ようへき)の設置などが必要となり、多額の費用や時間がかかります。

そのため、迅速な避難や気象・避難情報の効率的な収集、防災グッズの用意など、ソフト面で防災対策を強化することが現実的です。

まとめ

土砂災害は、一瞬にして人命や家屋、地域の暮らしを奪ってしまう怖い災害です。
集中豪雨は年々増加しており、それに伴い大規模土砂災害は今後増加する可能性があります。
被害を防ぐためには、日ごろからハザードマップや気象情報を確認し、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域を把握しておくことが重要です。

また、土砂災害には目や耳、臭い、揺れ、感覚などで察知できる前兆もいくつかあります。警戒レベルに応じた早めの避難行動を心がけつつ、こうした前兆も見逃さず、適切な行動を取ることで命を守る可能性が高まります。

ハザードマップや防災グッズの確認など、今からでもすぐにできる防災対策もあるので、チェックしてみてください。

<こちらの記事もよく読まれています!>→6月は土砂災害防止月間! 改めて防災意識を高めよう

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

元記事で読む
の記事をもっとみる