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マンションでも必要! 台風に「水のう」で対策

  • 2025.9.9

なかには「マンションやアパートでは必要ない備えだ」と思っている人もいるかもしれません。しかし、玄関前の廊下やベランダなど共用部の排水が間に合わないと、部屋まで浸水したり、トイレや洗濯機・浴室の排水口から汚水が逆流したりといった状況が発生することが考えられます。

浸水を防ぐために「土のう」を用意するのはハードルが高いですが、水を使って作る「水のう」なら、家にあるもので簡単に作ることが可能です。住居が集合住宅か戸建てかを問わず、いざという時に役立ちます。

今回は水のうを実際に作り、台風や豪雨の前にどのように対策していけばよいか実践します。

集合住宅でも浸水の危険アリ!

集合住宅に住んでいて、特に2階以上に住んでいる人は、豪雨災害による住居内への浸水を想定していないことが多いかもしれません。しかし、戸建て住宅か集合住宅かに関わらず、2階以上の住居内に浸水する可能性は十分にあります。

ここからは台風や豪雨の際に浸水する危険性の高い3つの場所と、それぞれの対策を紹介します。

浸水危険個所①:ベランダ

ベランダの排水能力以上に雨が降れば、掃き出し窓から浸水する危険があります。まずは、雨が降る前に排水口周りの掃除をすることが重要です。ゴミが詰まっていたり、植木鉢などで排水口がふさがれていたりしないか確認しましょう。

排水口の清掃だけでは不安がある際には、水のうや土のうで浸水対策をすることができます。しかし、窓の幅が広い場合や窓の数が多い場合は、水のうや土のうのみでの対策が難しいかもしれません。その場合は、後述するプランターなどを使用する方法も役立ちます。

ベランダの台風対策についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
台風到来!事前にやるべきベランダの安全対策

浸水危険個所:②玄関

集合住宅でも、玄関が外廊下につながっている場合、排水が追い付かないほど雨が降ることで玄関から浸水するおそれがあります。

玄関ドアはベランダにつながる掃き出し窓よりも幅が狭く、水のう・土のうによる対策が可能です。

浸水危険個所:③トイレ・風呂・洗濯機排水

見落としがちなのが、下水とつながっているトイレ・風呂・洗濯機の排水口です。雨が多く降ると下水管が雨水で満たされ、生活排水が流れなくなって汚水が逆流してくる危険性があります。

逆流は1階はもちろん、2階以上でも起こることがあります。これは水のうでの対策が効果的です。

下水の逆流が起こる前には、排水口から「ゴボゴボ」と音がしたり、水が跳ねたりすることがあります。こうした現象は一時的に下水内の水量が増加することで空気が押し出されて起こります。

こうした前兆が起きる前に、余裕をもって対策できると安心ですね。もし前兆がみえる場合は急いで水のうを作り、対策しましょう。

水のうを作ってみよう

都市部や集合住宅に住んでいると、大量の土をすぐに用意できず、土のうをつくることが難しいかもしれません。そんな時は、水とポリ袋を使ってできる水のうを作りましょう。

水のうを作るために必要なものは、45Lなど大きめのポリ袋と水のみです。

【材料(水のう1つ分)】
・45Lなどの大きめのポリ袋2~3枚
・水20L程度

水のうは、ポリ袋さえ多めに準備しておけばいつでも作ることができ、水のうを作ること自体は簡単でした。しかし、重量があるため持ち運ぶのはかなりの重労働です。

20kg程度なのでそこまで重くないように思われるかもしれませんが、水のうはブヨブヨと動いてかなり持ちにくく、実際の重さ以上に重く感じます。落下すると水がこぼれることもあるので扱いには注意が必要です。

水のうで浸水対策をしてみます

まずは、お風呂・トイレ・洗濯機の排水口に対策します。

お風呂は、洗い場の排水口と、浴槽の排水口の2ヶ所に水のうを1つずつ置きます。置くだけでOKです。排水口に押し込むように入れると袋が動きにくいです。

引き続き、窓やドアの前に置くための水のうを準備してみます。

ただ水のうを並べて置くだけでは水のうが動いてしまうため、固定しておく必要があります。段ボール箱に水のうを詰めることで固定可能です。

下の写真は段ボール箱に入れた水のうと、そのままの水のうです。水のうだけだと、少し触れただけでも中の水が動き転がっていってしまいます。箱に入れると動かずに設置することができます。

段ボール箱の代わりに、四角いタイプのプランターに入れてもOKです。

使用後の水のうは、水を流してしまえばあとはポリ袋が残るだけ。使った後の処理も簡単です。

設置場所が浴室などの水場なら、設置場所でそのまま袋をカッターで切って水を流すこともできます。トイレの場合は慎重に水を抜かないと便器の外に水が漏れるので注意してください。

プランターや板・ポリタンクでも対策できる

もし家にあれば、横長の四角いタイプのプランターや板、ポリタンクでも水のう・土のうの代用品が作れます。

プランターがある場合は、そこに土もしくは水のうを入れて並べ、全体をブルーシートでグルグルと巻いて使います。先ほど紹介した、段ボール箱でのやり方と同様です。

ポリタンクも同様で、中に水を入れて必要な数を並べ、全体をブルーシートで巻きます。

木の板や折り畳みテーブル、畳など板状のものが用意できる場合は、それを玄関など水を防ぎたいところに立て、それが動かないように土のうや段ボールに入れた水のうなどで外側から支えます。

このように、土のうが用意できなくても、代わりの方法がいくつかあります。

便利な市販品も

自分で水を詰めて水のうを作ることもできますが、水で膨らむタイプの「簡易土のう」が市販されています。

市販品は保管の手間はありますが、土のうや水のうを作るよりは幾分手軽に用意することができます。浸水が心配される地域に住んでいる場合はこういったものを用意しておいても良いかもしれません。

天気予報をよく確認して事前の対策を!

自治体によっては無料で土のうを配布する「土のうステーション」を設置していることがあります。家の近くにあるか、運ぶ力があるか、といった懸念点はありますが、どこにステーションが設置されているか確認しておくと良いでしょう。

台風や豪雨災害の情報を日々チェックし、居住地域で被害の危険がある場合は、雨が降る前に対策することが大切です。

水のうは、家にいつもあるような身近な材料ですぐ作ることができ手軽です。ポリ袋や段ボール箱は、汎用性が高い材料として災害時にも様々な場面で活躍します。普段から多めに準備しておくことをおすすめします。

<執筆者プロフィル>
シマサキアヤ
フリーランスライター

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