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猛暑時に停電! 冷蔵庫の中はどうなる? 対応方法を解説

  • 2025.9.8

夏から秋は停電が発生しやすい季節です。停電が発生すると、この時期に欠かせない冷房器具が使用できなくなるほか、冷蔵庫の中の物を冷やし続けることが難しくなります。

すると、冷たい飲み物などを補給できなくなることによる熱中症発症のリスクや、傷んだ冷蔵庫内の食品を食べたり飲んだりして体調を崩すリスクが高まります。

この記事では、停電時の冷蔵庫内の食品廃棄を判断するラインや停電復旧時のポイントに加え、停電発生時の暑さ対策や備えておきたい防災グッズについてまとめました。

夏はさまざまな気象現象が原因で停電が起こりやすい

夏から秋は、以下のような気象災害によって停電が発生するリスクがあります。

・ 台風の暴風
・ 大雨による土砂災害
・ 大雨による浸水
・ 大気が不安定になって発生する落雷

また、気象現象以外にも、猛暑に伴う電力需要の急増による停電の可能性もあります。特に台風は、大雨や暴風が電柱の破損や倒壊を大規模に引き起こすこともあり、停電が長期化するケースも少なくありません。

食中毒にも注意! 停電時に冷蔵庫の中の食品廃棄を判断するライン

停電が発生した際には、特に食中毒リスクが高まります。そのため、食品の管理や適切なタイミングでの廃棄が必要です。

冷蔵庫内の場合は、一般的に停電後2~3時間は冷気を保つことができますが、4時間を超えると庫内温度が上がってくるため、傷みやすい食品は廃棄を検討するラインとなります。

中でも、肉・魚・乳製品などの生鮮食品は品質維持が難しくなるため、冷やすことができない時間が続く場合は、廃棄が必要になります。クーラーバッグと氷または保冷剤がある場合は、冷蔵庫内の生鮮食品をクーラーバッグに入れ、5℃以下で管理することで長持ちさせることもできます。

ちなみに保冷バッグは、アウトドアメーカーや釣り具メーカーのものが保冷力に優れていておすすめです。また、冷凍庫に2Lのペットボトルを1本凍らせておき、クーラーバッグに入れれば、水が漏れることなく中を冷やせます。溶けたら飲み水として使うこともできます。

冷凍庫の場合

一方、冷凍庫については扉を閉めた状態で、半分程度入っている場合は24時間、ぎっしり詰まっている場合は48時間ほど保冷効果が持続されます。

冷凍庫内が5℃以下に保たれている場合、食品は安全だと考えられますが、そうでない場合や解凍されて常温に近づいた場合は廃棄を検討するラインとなります。

冷蔵庫や冷凍庫の中の温度を上げないためには、扉の開け閉めをできるだけ少なくすることが重要です。停電時においては、冷蔵庫の中の傷みやすい物から食べ、火を通して食べられるものは早めに調理することも大切です。

停電復旧後の確認ポイント

停電復旧後は、二次被害を防ぐためにいくつか確認しておきたいポイントがあります。

夏の停電時の暑さ対策

停電が発生して冷蔵庫や冷凍庫の冷却機能が失われると、庫内の冷却グッズが使えなくなり、冷たい飲み物も補給できなくなるため体温を下げることが難しくなります。

暑い時期に停電が発生した時は、熱中症のリスクをできるだけ下げる行動や対策が必要です。

水分を補給する

まずは水分を補給することが大切です。コーヒーやお茶のように利尿作用が高い飲料はできるだけ避けて、水やスポーツドリンクなどを補給しましょう。

また、汗をかくと大量の塩分が体外に放出されます。体内の塩分濃度が低くなると体温調整機能が正常に働かなくなるので、塩飴や少量の塩も合わせて摂取しましょう。

体の熱を冷ます

体の熱を体外に排出するための対策も必要となります。冷凍庫に保冷剤や氷が残っている場合は、タオルなどで巻いて太い血管がある首に当ててください。

保冷剤がない場合は、タオルを水で濡らして首に巻きましょう。体を濡らすと、その水分が蒸発するときに体の熱を下げられます(気化熱の原理)。また、水風呂に入って体を冷やすこともおすすめです。

そのほか、車のエアコンで体を冷やすのも効果的です。

暑い時期に停電が発生すると、暑さを避けるために車を使う人が増え、ガソリンスタンドが混雑することがあります。慌てずに給油するためにも、普段からガソリンが半分から3分の2くらいになったら給油する習慣をつけておきましょう。

停電に備えて用意しておきたい防災グッズ

冷却タオル(冷感タオル、クールタオル)とは、冷たさを感じられるタオルのことで、首に巻いて体を冷やせます。凍らせた保冷剤を中に入れて使用するタイプのほか、濡らして使用するタイプ、特殊な繊維による接触冷感タイプなどがあります。

首元にかけて使用するネッククーラーは、冷却レベルや送風を切り替えられることができ、気候に合わせて効率的に体を冷やせます。また、持ち運べる携帯氷のうは、円筒に入れて使うことで体の箇所をピンポイントに冷やせます。円筒は冷たさをキープする役割もあり、長時間使うことが可能です。

ポータブル電源は、電力量が1,000 Wh以上あるものを備えておくと、冷蔵庫や扇風機などさまざまな生活家電を使うことができます。ちなみに、カセットボンベやガソリンで動く自家発電機なら1,000Wh以上のものが多いです。繰り返し使うことができる車のシガーソケットや太陽光などで充電できるタイプもあると便利です。

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また、停電時に非常食や水を使用した場合、ストックを補充しておくことも忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は、停電時における冷蔵庫の食品廃棄の判断基準や暑さ対策について解説しました。不測の事態に備え、停電した時のことをイメージし何が必要になるのか考えておくことをおすすめします。その上で、今すぐに備えられるものがあれば早めに用意しておきましょう。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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