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『突然の介護費用』に慌てない家庭はやっていた…準備してよかった“3つのこと”とは?【お金のプロが解説】

  • 2025.10.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

親や親戚の介護が急に必要になったとき、最も戸惑うのが「介護費用」の問題。想像以上にかかるお金に驚き、戸惑う家庭は少なくありません。実際、介護費用は介護保険だけでは賄いきれず、自己負担が予想以上に膨らむこともあります。そんな「突然の介護費用」に直面しても、しっかりと準備しておくことで、乗り越えられた家庭が実際にやっていた共通のポイントがあるんです。

今回は、お金のプロの視点から「準備してよかった3つのこと」をわかりやすく解説します。

介護の費用はどれだけかかる?見通せる準備の重要性

介護費用は「いつ」「どのくらい」「どんな介護が必要か」で大きく変わります。例えば、介護保険の給付範囲は一般的に1〜3割の自己負担が基本ですが、住居改修費や介護用品は自治体によって補助の有無が異なり、負担はバラつきがあるのが現状です。さらに、介護の期間が長引けば、それだけ自己負担額は大きく膨らみます。

そうした状況を踏まえ、無計画に「いずれ介護が必要になるかも?」という漠然とした意識だけでは、突然の出費に対応できないケースがほとんど。だからこそ「いつ何が起きても慌てない」ために、情報収集と資金準備が大切になります。

準備して本当に役立つ「3つのポイント」

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

 

では、介護費用の不安を減らすために、どんな準備が効果的なのでしょうか?お金のプロの知見を基にした「準備してよかった3つのこと」をご紹介します。

  1. 介護保険と公的制度の知識を深めること
    介護保険だけでなく、自治体が行う介護サービスや補助の内容を事前に把握しておくことが重要です。たとえば、住宅改修費補助や福祉用具購入補助を活用すれば、費用負担を大幅に減らせます。役所や地域包括支援センターの相談サービスを利用し、公的制度の最新情報を得ておきましょう。

  2. 民間の介護保険や貯蓄を準備しておくこと
    介護保険の自己負担では賄いきれない費用をカバーするために、民間の介護保険を活用するのが効果的です。さらに、毎月少しずつ「介護資金」として別口座で貯蓄を始めておくと安心感が増します。複数の資金源を持つことで、経済的なリスクを分散できます。介護に備えた貯蓄をする場合、意識したいのが「必要な時にきちんと使えるお金にしておくこと」です。介護や老後に備えた費用を別口座で管理している人は、少なくないでしょう。しかし認知症になってしまうと、家族でも引き出せず本来の目的に使えません。口座に代理人を設定したり、認知症に備えた信託商品を活用したり、必要なときにしっかりと使えるようにしておくようにしましょう。

  3. 家族や親族と介護の話し合いを済ませること
    介護の費用に備えるためには、親の資産を把握したうえで話し合いをすることが重要です。また、お金の準備だけでなく、介護の方針や負担の分担について早い段階で家族会議を開くこと。話し合いで互いの希望や役割を理解しあうことで不要なトラブルや追加費用を防げます。例えば、どの介護サービスを優先し、誰がどの費用を負担するのか明確にすることが大事です。

これら3つのポイントはどれも、早めの行動がカギとなります。たとえば、まずは「地域包括支援センターに相談」して公的サービスの利用可能範囲を確認し、次に「公的介護保険の自己負担を見越した家計シミュレーション」を作成。その上で「民間の保険」を検討し、最後に家族と「介護方針の基本合意」を図る流れが理想的です。

このような準備を経て介護を始めた家庭では、いざ介護が必要となった際にも「具体的に対応できる手順がある」という安心感が大きく違います。無計画なまま悩み続けるのではなく、着実に準備することが精神的にも経済的にも負担を軽減する大きな助けとなるのです。

将来の安心は「今の準備」が決め手

突然訪れる介護費用の負担は、多くの家族が直面する問題です。でも、「どうにもできない」と思う前に、できることはたくさんあります。公的制度の理解、民間保険や貯蓄の積み立て、そして家族の話し合い。これら3つのことを早くから準備しておくことで、介護費用の不安をぐっと和らげることができます。

未来の安心は、今日の一歩から始まります。


監修者:ゆきひろ

信託銀行に勤務する傍ら、金融系の記事も執筆する兼業ライター。日々富裕層顧客に金融や不動産を活用したウェルスマネジメントや税務に関する提案を行っており、培った知識と経験を活かして情報発信を行っている。過去には大手カード会社でクレジットの審査業務経験もあり、金融全般の知識に明るい。FP1級、宅建士を保有。