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『マンション」か『戸建て』か…老後に選ぶべきはどっち?→お金のプロが教える“後悔しない判断基準”とは

  • 2025.10.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

人生の後半戦を迎え、住まいの選択に頭を悩ませる方は多いでしょう。特に「マンションか戸建てか」というテーマはよく議論されます。どちらにもメリットとデメリットがあり、それぞれのライフスタイルや健康状態、お財布事情によって最適な選択は変わるためです。加えて老後は生活の安全性や維持コスト、管理の手間も重要なポイント。

この記事では、お金の専門家の視点から、老後に後悔しない住まいの選び方をわかりやすく解説します。

マンションと戸建て、それぞれの魅力と課題を多角的に考える

まず。老後の住まいとして「マンション」と「戸建て」、それぞれの魅力と課題を見ていきましょう。

マンションの魅力と課題
老後の住まいとして「マンション」を選ぶメリットは管理面の楽さと安全性にあります。管理会社や管理組合が共用部分の掃除や修繕を行い、セキュリティ設備も整っていることが多いので、防犯面で安心感があります。またマンションは駅チカなど利便性の高い立地に建つことが多いため、病院や買い物施設へのアクセスが良好です。その反面、管理費や修繕積立金などの維持費が必要で、固定費が嵩みがち。さらに集合住宅ゆえの生活音やプライバシーの問題も考慮すべきポイントです。

戸建ての魅力と課題
「戸建て」の魅力は自由度の高さと広さにあります。老後も自分のペースでリフォームや庭いじりが楽しめるうえ、段差の解消やバリアフリー化など自分仕様に住まいを改良しやすいのも大きな利点です。住環境が静かでプライバシーが守られやすく、ペットを飼いやすいのも魅力的です。ただし、修繕や除雪、庭の手入れなどの日常的なメンテナンスは家主がすることとなり、それが負担になるケースも。マンションに比べると火災など災害時のリスクや立地によっては利便性が落ちることもあるので、あらかじめ下調べが欠かせません。

後悔しない住まい選びのポイント〜お金のプロのアドバイス〜

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

マンションと戸建てを比較する項目は多くありますが、お金のプロとしてコスト面から見た住まい選びのポイントを紹介します。

トータルコストは一概にどちらが得とは言えない
老後の住まい選びで最も気になるのはやはりコスト面。マンションの場合、管理費や修繕積立金は固定費として毎月必ずかかるため、ランニングコストは戸建てに比べると高い傾向にあります。さらにマンションによっては修繕積立金が不足して、大規模な修繕工事の際には追加での支払いを求められるケースも少なくありません。

戸建てはランニングコストは安い傾向にありますが、外壁や屋根などの大規模修繕がまとまった負担になる傾向があります。そのため戸建てでも、修繕に備えた積立が必要なことはマンションと同じです。修繕を行う時期や内容によってトータルコストは左右されるため、貴重な検討が必要です。

後悔しない住まい選びのポイントは、資産価値を意識すること
戸建てとマンションの比較では、売却や相続を視野に入れた資産価値の見極めが大切。都心部のマンションは流動性が高く売りやすい傾向がありますが、築年数が経つと値下がりしやすい面もあるため、購入時の立地とブランド力のチェックが欠かせません。戸建ては土地の立地によって評価が変わりやすいため、将来の資産価値を考慮した選択が求められます。

自宅を購入する際には、自分たちの暮らしやすさに加えて「出口」を意識するようにしましょう。「◯年後にこの不動産をどうするか」と「その時の資産価値」をしっかりと検討しましょう。

老後の住まい選びは「自分らしさ」と「出口」をどう両立させるかが鍵

老後の住まいは、「マンションか戸建てか」という二択で悩みがちですが、正解は人それぞれです。快適で後悔のない住まいを実現するには、生活の利便性、健康状態、家族との関係、そしてお金の現実的な判断が不可欠。

マンションの安心感や利便性、戸建ての自由度や広さ、それぞれが持つ特徴をよく理解したうえで、自身のライフプランとコストを照らし合わせて選ぶことが何より大切です。さらに将来この不動産をどうするか、その時の資産価値はどれくらいか、といった出口も意識しましょう。お金のプロのアドバイスを参考にしながら、後悔しない満足度の高い住まいを見つけてください。


監修者:ゆきひろ

信託銀行に勤務する傍ら、金融系の記事も執筆する兼業ライター。日々富裕層顧客に金融や不動産を活用したウェルスマネジメントや税務に関する提案を行っており、培った知識と経験を活かして情報発信を行っている。過去には大手カード会社でクレジットの審査業務経験もあり、金融全般の知識に明るい。FP1級、宅建士を保有。