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夫婦仲は良いのに貯金ゼロ…“お金がたまらない家庭”が陥りやすい『落とし穴』とは?【お金のプロが解説】

  • 2025.9.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「夫婦仲は円満、それなのに気づけば貯金がほとんどない…」そんな家庭は意外と多いものです。仲が良いからと言ってお金の管理が自動でうまくいくとは限らず、日常の“何気ないお金の流れ”に思わぬ抜け穴が潜んでいます。

今回は、幸せな夫婦生活を送っているのに貯金が増えない家庭に焦点を当て、気づきにくい原因や家計の落とし穴についてわかりやすく解説します。

仲の良さと貯金ゼロのギャップを生む4つの盲点

夫婦仲が良いにもかかわらず貯金ができない理由は、じつは日常生活の些細な習慣に関係しています。まず、多くの夫婦は「お金の話がしにくい」「お互いの支出を詳しく把握していない」ことが多く、家計の“見える化”ができていません。これにより自分たちの収支の実態がつかめず、無駄遣いに気づかずに浪費が積み重なります。さらに、仲の良さゆえに「相手の欲しいものは否定しない」「記念日や日常の買い物でお互いにプレゼントし合う」といった心遣いが、お財布の負担となっているケースも多いのです。

また、将来のための貯金を夫婦で具体的に計画していないことも落とし穴。収入があるからといって漫然と使い続けてしまい、気付けば手元に余裕が残らないというケースがあります。家計の管理面では、「お互いに完全に任せっきり」や「収入の範囲内でギリギリ使い切る」場合、結果として貯蓄は生まれにくくなります。こうした盲点は、仲の良さや信頼関係が逆に誤解を生み、家計管理の緩みを招く原因になっているのです。

貯金ゼロ家庭からの脱出への道筋

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

具体的にどうすれば「夫婦仲は良いけど貯金ゼロ」という状態から抜け出せるのでしょうか。実は、根本は「家計の透明性向上」にあります。家計簿アプリや共有の口座を利用して、お互いの収入と支出を可視化すれば、無意識の支出が明らかになります。また、生活費以外の趣味や交際費を「毎月いくらまで」と事前に決めておきお互いが把握できるようにしておくと、過剰な浪費に気づきやすくなるでしょう。

さらに、貯金の目的を明確にすることも有効です。旅行、マイホーム、老後資金など、夫婦で具体的な目標を共有すれば、貯蓄に対するモチベーションも高まります。これらは心理的にも大切で、単に「お金がない」という不安から解放され、将来設計がしやすくなります。家計管理を「楽しむ」ことを意識して、節約ばかりでなく賢くお金を使うことを話し合うのも良いでしょう。

さらに、信頼し合うパートナーとはいえ、お金をめぐる問題は感情的になりやすいもの。同時に「お金は夫婦のチームプレー」という認識を持ち、お互いが冷静になり安心できるコミュニケーションを続けることも大切です。こうした取り組みが積み重なることで、貯金ゼロから脱却し、健全な資産形成が実現できます。

貯金ゼロへの落とし穴を知り、夫婦仲をさらに良くする賢い家計のはじめ方

夫婦仲が良いからといって、お金が自然と貯まるわけではありません。むしろ、信頼や仲の良さが「家計の管理意識の緩み」という落とし穴を作り出してしまうことがあります。お金の透明性を高め、目的を明確にし、パートナー間のコミュニケーションを大切にすれば、無理なく貯金ができる家庭に変わっていけます。

「お金が貯まらない」という悩みは、単なる数字の問題ではなく、夫婦の生活設計や価値観を振り返るチャンスでもあります。お互いを尊重し合いながら賢く家計を管理し、将来にわたって安心できる経済基盤を築いていきましょう。


監修者:有限会社バード商会 代表取締役 鳥谷 威(https://financialplanertk2021.com/

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得意分野は、家計管理(とくに光熱費)と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にて家庭の光熱費削減や新電力の業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。
現役世代の人の家計が『今より豊かになるように』という想いのもと、約3年かけてCFP(R)資格を取得。
現在は、各種金融メディアでの執筆・監修・日本FP協会の支部相談員としても活動中。
20・30代の人に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく日々奮闘中。