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『貯金』があっても気をつけて…老後に起こりやすい“金銭トラブル”とその“対策法”をお金のプロが解説

  • 2025.9.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「老後は貯金があれば大丈夫」というイメージがありますよね。でも実は、たとえ十分な貯金があっても、思わぬ落とし穴があるのをご存知でしょうか?年金や資産があっても、高齢者を狙った詐欺や家族内の財産トラブルなど、金銭トラブルは、老後生活で意外と多く発生しているのです。この記事では、老後に起こりやすい金銭トラブルの実態と、その対策方法について、わかりやすく解説します。老後の不安を少しでも減らすために、ぜひ最後まで読んでみてください。

老後の金銭トラブルはなぜ増える?知っておきたい背景と種類

年齢を重ねるごとに、金銭トラブルのリスクが高まることは、専門家の間でも知られています。まずは、その理由から見ていきましょう。

高齢者は定期的な収入が、年金に限られている場合が多く、資産の管理も自身で行うケースがほとんどです。また、認知機能の低下や社会的孤立、情報収集力の低下などが加わると、悪質な勧誘や詐欺に巻き込まれやすくなります。

代表的なトラブルとしては、金融詐欺、悪徳商法、そして家族間での遺産や財産の争いなどが挙げられます。特に詐欺の手口は巧妙で、息子や銀行の職員をかたって現金をだまし取るケースも少なくありません。

これに加えて、高齢者の財産管理に対する無理解や、信頼できる相談相手の不足もトラブルを複雑にしています。実際、金融庁の調査によると、65歳以上の高齢者の被害が全体の詐欺被害件数の大きな割合を占めているという報告もあります。

具体例で学ぶ!老後に起きがちな金銭トラブルと予防策

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ここからは、老後に多い金銭トラブルの具体例をいくつかご紹介し、それぞれの対策法について解説します。

・振り込め詐欺や還付金詐欺
警察や金融機関からの電話を装い「年金が戻る」「税金の還付がある」などと誘い、現金やカード情報をだまし取る手口です。対策としては、本人確認ができない電話には絶対に応じず、不審な電話やメールは家族や知人に相談することが重要です。

・悪質な訪問販売や契約トラブル
高齢者を狙った訪問販売で、高額商品やサービスを契約させられるケースも多いです。断りづらい雰囲気でも「一度家族と相談します」と答え、契約書をよく確認することが大切。消費生活センターなどに相談するのもおすすめです。

・家族間の財産トラブル
相続を巡って親族が揉めることも少なくありません。遺言書を作成したり、生前贈与を計画的に行うなど、トラブルを未然に防ぐ準備が必要です。また、司法書士や弁護士など専門家への相談も有効です。

さらに、金融機関と連携し「見守りサービス」を利用することで、不正なお金の引き出しを早期に察知することが可能です。何よりも、日頃から家族や信頼できる人と、お金のことを話し合っておくことが安心につながります。

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出典:マネーシップス 石坂貴史

賢く備えて、老後の金銭トラブルから身を守ろう!

老後は多くの方が安心して暮らしたいと望んでいますが、お金に関するトラブルは、誰にでも起こり得る問題です。十分な貯金や年金があっても、詐欺や悪徳商法、家族間の財産トラブルなどが原因で、生活が一変するケースは決して珍しくありません。

大切なのは、情報を正しく知り、日頃から対策を講じておくことです。電話や訪問での不審な話には慎重に対応し、信頼できる相談相手を作りましょう。さらに、遺言書の作成や財産管理の方法を専門家に相談するなど、できる準備を少しずつ進めてください。

老後を豊かに、そして安心して過ごすためには「お金の知識」と「適切な対策」の2つが欠かせません。ぜひこの記事をきっかけに、家族や専門家と話し合い、安全な老後生活を築いてくださいね。


監修者:石坂貴史

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証券会社IFA、2級FP技能士、AFP、マネーシップス運営代表者。累計1,100件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制、教育」の6つのFP分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。


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