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毎日無理なくトライ! 健康寿命を伸ばす6つの習慣

  • 2025.9.1

医師に“どうすれば長生きできるか”と尋ねれば、必ずといってよいほど、いかにも教科書的な健康習慣を挙げるであろう。つまり、砂糖や塩分の多い加工食品を減らし、代わりに新鮮な自然食材を摂ること。そして、喫煙をやめ、飲酒を控えることや定期的に運動を行うことなどが勧められるだろう。これらは華やかさには欠けるかもしれないが、こうした日常的な行動こそが、まさにバイオメトリック検査や点滴サプリメントといった流行の長寿法よりも、科学的な根拠に基づき寿命を延ばし、病気を防ぐことにつながってくるのだ。

ただ問題は、こうした大きなライフスタイルの変化をどう実践するかである。すべてを一度に取り入れるのは難しく、時間がなければ諦めたくなるのも当然だ。しかし、専門家によれば、自分の人生のライフワークを大きく作り替える必要はないそうだ。「小さな変化が積み重なれば、時間をかけて大きな効果を生む」と、内科医のジェフリー・ブーン医師は『SELF』に語っている。

また、スタンフォード長寿センターの共同ディレクターである内科医のデボラ・M・カドー医師も「極端な食事制限や過度な運動にのめり込むことが、必ずしも長寿につながるとは限らない。すべてをバランスよく行うことが重要である」と述べている。そこで、長寿医療の専門家たちが推奨する、“毎日無理なく実行できる6つの小さな習慣”を科学的根拠とともにこれから紹介する。

1. 毎日数分の早歩きor心拍数を上げる運動にトライ

運動は、長寿の習慣の代表格であり、心臓を健康的に保つだけでなく、脳そのものを保護する最善の方法でもある。米国のガイドラインによると、中強度の運動を週150分、または高強度の有酸素運動を週75分、さらに週2回以上の筋力トレーニングを心がけると良いとされる。しかし、研究によれば、1日15分の軽い運動でも平均3年の寿命延長と関連し、週20分の心拍数を上げる運動は心疾患による死亡リスクを最大40%減らすことが示されている。

「ジム通いになる必要はない。日常的に体を動かすことが最も重要である」とカドー医師は話す。特に、歩行は手軽な手段であり、速度を上げればその効果はさらに増すだろう。2022年の研究では、同じ距離でも速く歩くほど、心疾患リスクが低下することが報告されている。

また、日常生活の中に小さな運動を取り入れることも有効だ。階段を使う、通勤や外出時に遠回りをするなどの小さな工夫が積み重なればさらに効果が大きくなる。さらに、短時間でも息が上がる運動を1日数回行うと、がんリスクや死亡リスクが有意に低下することが研究で分かっている。

2. 朝食を毎日食べること

朝食は、一日の中で最も大切な食事である”という言葉には、科学的な根拠がある。複数の研究によれば、朝食を抜くと心疾患や脳卒中の発症・死亡リスクが上昇し、逆に朝食を習慣的に摂る人は死亡率が低い。生理学的にも、朝は心臓や脳が活動のためのエネルギーを必要とする時間帯であり、朝食はそれらに栄養を補給する役割を担う。また、朝食は代謝を活性化させ、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの感受性を高め、加えて炎症が抑制され、血圧も安定しやすいことが報告されている。

3. 色鮮やかな植物性食品を摂取する

植物性食品を中心とする食事にシフトすることは、心血管疾患や2型糖尿病、がんのリスクの低減に繋がる。特に、ケール、ホウレンソウ、ルッコラなどの濃い緑色の葉物野菜やベリー類は強力な長寿食材であると、栄養学者のマイケル・グレガー医師は話す。

研究では、1日80〜100gの葉物野菜を食べる人は総死亡リスクが25%低く、認知機能の低下も緩やかになることが報告されている。また、ベリー類を食べる人は死亡リスクが21%低下するという研究もあり、これらは抗酸化物質が豊富に含まれ、慢性疾患の原因となる炎症を抑える作用があるそうだ。

また、葉物の野菜は硝酸塩を多く含み、体内で一酸化窒素に変換されることで血管を拡張し、循環が改善するともいわれている。2024年のレビュー研究では、少量の葉物野菜の摂取であっても心疾患リスクが15%低下し、死亡リスクは約50%も減少したことが報告された。つまり、日々の食卓に野菜やベリーを取り入れるだけで、健康寿命を少なからず延ばすことができるのだ。

4. ナッツを日常のスナックに

ナッツを日常的に食べる人は、そうでない人と比べて死亡率が最大20%低いことが複数の研究で示されている。2022年のレビューによれば、1日28gのナッツ摂取は、全死亡率を22%減少させたそうだ。ナッツには不飽和脂肪酸や植物由来の生理活性成分が豊富に含まれ、LDLコレステロールの低下や動脈硬化の予防にもつながる。また、オメガ3脂肪酸や抗酸化ビタミン、ミネラルも多く、心血管疾患予防に寄与する。ナッツの中でも特にクルミは、オメガ3脂肪酸と抗酸化物質が豊富で、長寿を促す食品として日常的に取り入れると良いだろう。

5. 寝室は約16〜19℃に涼しく保つ

質の高い睡眠は、寿命を2〜5年延ばすことにも関連している。特に、寝室の温度を約16〜19℃に保つと、深い睡眠である徐波睡眠に入りやすくなるのだ。徐波睡眠中には、脳が老廃物を排出し、細胞修復やホルモンの調整、免疫機能の強化が行われる。

一方、寝室が暑すぎると眠りが浅くなり、これらの回復効果が得られにくい。もし室温調整が難しい場合は、コットン素材など通気性の良い寝具や扇風機を利用するのがおすすめだ。さらに、パジャマの着る数を減らしたり薄いものに変えるなどの工夫が、快眠に繋がる。

6. 定期的に家族や友人と交流を

社会的な繋がりは長寿の大きな要因である。研究によれば、人間関係を多く持つ人は、生存率が50%も高く、逆に孤立している人は死亡リスクが29%上昇することが示されている。家族や友人との交流は認知機能を保ち、ストレスを軽減し、人生の目的意識を強める。カジュアルな会話であっても、それが幸福感を高め、健康や寿命に寄与するのだ。

最後に、これまでの6つの習慣に加えて、“自分の家族の病歴を把握しておくこと”の重要性もブーン医師とエルコリ博士は強調する。これは医師が適切な検査や予防策を提案するための基盤となる。例えば、がんの家族歴がある場合は、早期あるいは頻回のスクリーニングが求められる可能性があり、心疾患や脳卒中の家族歴がある場合は、定期的な血圧やコレステロール、血糖の検査を受けるよう心掛けることが望ましい。未来の大きな健康につながる小さな習慣を、今日から早速取り入れてみては。

Text: Faye Remedios Translation: Mika Mukaiyama

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