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腸内環境を改善するための、3つのシンプルなルール

  • 2025.8.31

近年、腸内細菌叢(腸内フローラ)に大きな注目が集まっている。遺伝子配列の解析により、腸内に存在する細菌群の驚異的な力が解明されつつあることも背景にあるだろう。フランスの薬学・生物学者であるアンドレ・ビュルケルによれば、腸内細菌叢の活動が「脳にメッセージを送り、神経伝達物質に作用して気分を左右する」のだという。

腸内環境の不調は、膨満感や倦怠感から不眠症、免疫力の低下、うつ状態、便秘まで多岐にわたる。腸内環境が悪ければ、体の他の部分にも悪影響を及ぼす。では、どうすれば腸内細菌叢を最適化できるのだろう? 以下に、健康な腸内環境を保つための3つのシンプルなルールを紹介する。

1.適切な食品にフォーカスする

腸内細菌叢は、気分、睡眠、運動器系(筋骨格系)と循環器系、さらには体の免疫システムに直接影響を及ぼし、その影響は腸や消化機能だけにとどまらない。腸内環境を健康に保つためには、腸内細菌叢を最大限にケアする必要がある。

ビュルケルは著書のなかで、腸内細菌叢を健康に保つために摂取すべき5つの成分を挙げている。

  1. 小麦、豆、バナナなどに含まれる難消化性デンプン:腸内の善玉菌に栄養を与える。
  2. オーツ麦や大麦などに自然に含まれる水溶性食物繊維の一種であるβ-グルカン:善玉菌を増やして悪玉菌を減らし、同時にコレステロール値を下げてくれる。
  3. アスパラガス、チコリ、メロンなどに含まれるフルクタン(炭水化物の一種):腸内細菌叢のバランス調整に役立つ。
  4. ケール、イチジク、アーモンドなどに含まれる食物繊維:腸内細菌叢の多様性を高め、これらの微生物が食物繊維を利用して脳の健康と代謝に良い短鎖脂肪酸を生成する。
  5. デーツ、お茶、香辛料、ココアなどに含まれるポリフェノール:プレバイオティクス(善玉菌を育成する食物繊維や糖類)として働いて腸内細菌叢を豊かにし、保護する効果がある。
Fresh salad with chia seeds on bluish kitchen table

2.生で食べる

多忙でストレスフルなライフスタイルに、加工食品の多い食生活や抗生物質への依存が相まって、腸内細菌叢の働きは試練にさらされている。「腸内ディスバイオーシス(腸内細菌叢のバランスが崩れた状態)」は、自己免疫疾患、変性疾患、さらにはうつ病につながる可能性があることが分かっている。とはいえ、プレバイオティクスを活用することで、私たちは腸内細菌叢の働きを最適化できるのだ。

「生で食べられる果物、野菜、新鮮なハーブには、栄養素と食物繊維が含まれています。少なくとも、42℃以下で調理すれば栄養素も食物繊維も熱で破壊されることはありません」と説明するのは、生食と植物由来の料理を推奨するフランス人シェフ、マリー=ソフィー・Lだ。

マリー=ソフィー・Lのローフードに関する著書では、毎日の食事に取り入れやすいシンプルで「体に優しい」食品のリストを紹介している。それは、ナッツ類(ココナッツ、カシューナッツ、マカダミアナッツなど)、種子類(チアシード、ヘンプシード、ソバの実)、そして野菜だ。野菜はジュース、スムージー、スープなど、あらゆる形で摂取できる。またリンゴも、2~3日間集中して摂取することで消化器系を休ませ、体調を整える効果があるという。

3.プロバイオティクスを取り入れる

ヨーグルト、キムチ、納豆、味噌、ケフィアなどの発酵食品はプロバイオティクスと呼ばれ、腸内の善玉菌を補充してくれる。これらの食品で腸内細菌叢を強化することは可能だ。しかし、一部の医師は「やみくもに摂取しても意味がない」と主張している。自身の腸内細菌叢の状態や現在抱えている不調に応じて、適切に的を絞った上で摂取するのが重要だからだ。

アンチエイジング医学の専門家であるヴァレリー・ルデュック医師は、腸内細菌叢のDNA分析に大きな期待を寄せている。「この分析が利用可能になれば、プロバイオティクスやサプリメントをより的確でパーソナライズされた形で処方できるようになるでしょう」と語っている。今後の展開に注目したい。

FROM VOGUE.FR

Text: Mélanie Nauche Translation: Yukari Saio

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