工夫して20秒で計算してみて！「45×16」→暗算できる？

ちょっと難しい計算問題を見たとき、電卓アプリを起動したくなるという人は多いでしょう。

しかし、ちょっと待ってください。

その問題、工夫次第で暗算できるかもしれませんよ。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
45×16

※制限時間は20秒です。

正解は、「720」です。

どう計算すれば暗算できるか、分かったでしょうか？

次の「ポイント」では、この問題を簡単に計算するための工夫について解説しています。ぜひ、ご覧ください。

暗算のポイントは、「掛けられる数を2倍、掛ける数を2で割って計算すること」です。

具体的には、次のように計算をします。

45×16
=(45×2)×(16÷2)←45を2倍、16を2で割る
=90×8
=720

二行目の変形は、2倍してから2で割るため、全体の式の意味は変わりません。よって、45×16=90×8がいえます。

90×8は、45×16に比べてずっと簡単に答えを出せますから、暗算しやすいですね。

さて、大事なのはこのような変形を「どうやったら自分で思いつけるか」です。どんな問題でも「掛けられる数を2倍して、掛ける数を2で割って計算」すれば簡単になるわけではないからです。

例えば、49×11を同じように変形をしても、式がややこしくなるだけですね。

49×11
=(49×2)×(11÷2)
=98×5.5←かえって式がややこしくなってしまった

この変形で式が簡単になる条件は、式が「5の倍数×2の倍数」の形をしていることです。

5の倍数に2を掛けると、下一桁に0が現れます。また、2の倍数は2で割り切れますので、計算が簡単になりやすいのです。

5の倍数（5×◎）と2の倍数（2×■）の掛け算（◎と■は整数）

5×◎×2×■
=(5×◎×2)×(2×■÷2)
=10×◎×■←10×◎の答えの下一桁は0

なお、次のように16を2×8に変形して計算する方法もあります。

45×16
=45×(2×8)
=(45×2)×8←45×2を先に計算する
=90×8
=720

掛け算では、計算の順番が変わっても答えは変わりません（結合の法則）。この特徴を使って、先に45×2を計算し、90を作り出しているのがポイントです。

「5の倍数×2を作ること」は、掛け算を簡単にしたいとき、よく使われる工夫です。

暗算をしたい問題の中に5の倍数が現れたら、2を掛ける形に式を変形できないか考えてみましょう。ただし、変形の際には式全体の意味が変わってしまわないように注意してください。今回であれば、掛けられる数の45に2を掛けた後、掛ける数16を2で割ることで、式のイコール関係が保てるようにしていましたね。

計算を簡単にする工夫の種類は、式の形によって変わります。他の暗算問題にもチャレンジして、いろいろな工夫の仕方を考えてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。

文（編集）：VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

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