これどうやって計算するか覚えてる？「4^3÷2^3」→正しく計算できる？

今回は、累乗を含んだ割り算にチャレンジしましょう。

この問題には、累乗の意味が分かっている人でも計算ミスをしやすい「落とし穴」があります。

慎重に計算を進めてくださいね。

問題

次の計算をしなさい。
4^3÷2^3

正解は、「8」です。

128と答えてしまった人はいませんか？

間違いが起きやすい原因とその対処法については、次の「ポイント」で解説しています。

「累乗の意味が分からなかった」という人も、「分かっていたのに答えを間違えてしまった」という人も、ぜひご覧ください。

この問題のポイントは、「累乗を先に計算すること」です。

まず、累乗とは何かを軽く復習しておきましょう。累乗は、同じ数を何個か掛け合わせる計算のことです。何個掛け合わせるかは指数という数で表します。

指数は本来、掛け合わせる数の右上に小さく書きます。ただし、上付き文字が使えないテキストでは、^を使って累乗を表すことがあります。この記事でも、指数は^を使って表記します。

例えば、2^3は2を3個掛け合わせる計算です。計算するときは、次のように掛け算に直せば答えが出せます。

2^3←指数は3
=2×2×2
=8

ただし、この累乗の計算方法には盲点があります。上で見たように、累乗は同じ掛け算の繰り返しなのですが、計算順序の面から見ると累乗と掛け算の扱いは同じではありません。

まずは、次の計算順序のルールを見てください。

<計算順序のルール>
次の順序で計算します。
1.括弧の中※()や{}などの種類があります。
2.累乗の計算
3.掛け算・割り算
4.足し算・引き算
※同じ優先順位の計算がある場合は、左から計算します。

2と3をご覧ください。累乗は、普通の掛け算や割り算よりも先に計算することになっています。

この点を理解せずにいると、今回の問題を次のように間違って計算してしまう可能性があります。

<間違った計算例>
4^3÷2^3
=4×4×4÷2×2×2←累乗を掛け算に直す
=16×4÷2×2×2←掛け算と割り算は同じ優先順位なので左から順に計算
=64÷2×2×2
=32×2×2
=64×2
=128←誤答！

これだと答えが8になりませんね。

間違いの原因は、累乗を単なる掛け算として扱ったことです。単なる掛け算であれば、式の中の割り算との優先順位は同じになります。しかし、累乗は割り算よりも先に計算すべきなのです。

正しい計算過程は次のようになります。

<4^3÷2^3の正しい計算過程>

4^3←先に累乗を計算
=4×4×4
=64

2^3←先に累乗を計算
=2×2×2
=8

4^3÷2^3
=64÷8←先に計算した累乗の答えを式に反映する
=8

間違った計算例と正しい計算過程の違いをよく見てください。累乗を先に計算するかどうかが、割る数の違い（2か8か）に現れていますね。

このように、累乗の計算順序を誤ると、式の内容が大きく変わってしまうことがあるので注意しましょう。

今回の問題では、累乗の計算順序がポイントになりました。

累乗と掛け算が全く同じだという考えは、今回のような問題で誤答する原因になりかねません。

今回の問題を通して、「累乗は掛け算や割り算よりも先に計算する必要があること」を覚えましょう。思わぬ計算ミスを防ぐことにつながりますよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。

文（編集）：VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

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