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工夫して10秒で計算してみて!「91×89」→暗算できる?

  • 2025.12.14
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二桁×二桁の掛け算を暗算するのはなかなか難しいものです。

頭の中で筆算をしようとしても、繰上りや桁合わせで混乱してしまい、結局誤答になるケースが多いのではないでしょうか。

そんなときはひと工夫して、計算を楽にできないか考えてみましょう。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
91×89

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「8099」です。

制限時間の10秒以内に答えるのは難しい…。そう感じた人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。

簡単に答えを出すための方法を紹介していますよ。

ポイント

この問題のポイントは、「90を基準に掛け算をすること」です。

具体的に言うと、次のように式を変形して計算をします。

91×89
=(90+1)×(90−1)

91は90に1を足した数、89は90から1を引いた数として考えるのです。

さて、式が(a+b)×(a−b)の形になったときは、次のように変形ができます。

(a+b)×(a−b)
=a×a−b×b

この式でa=90、b=1とすると、今回の問題は次のように計算可能です。

91×89
=(90+1)×(90−1)
=90×90−1×1
=8100−1
=8099

この方法なら、暗算でも答えが出しやすいのではないでしょうか。

(a+b)×(a−b)=a×a−b×bが成り立つ理由

最後に、(a+b)×(a−b)=a×a−b×bという変形が成り立つ理由を考えてみましょう。

まず、次の分配法則を確認してください。

<分配法則>
a×(b+c)=a×b+a×c
(a+b)×c=a×c+b×c

※()の中が−でも分配法則が使える←今回使うのはこの形
a×(b−c)=a×b−a×c
(a−b)×c=a×c−b×c

まずは、(a+b)をひとまとまりと考えて、分配法則を使います。

(a+b)×(a−b)
=(a+b)×a−(a+b)×b

さらに、もう一度分配法則を使います。

(a+b)×a−(a+b)×b
=a×a+b×a−a×b−b×b※
=a×a+a×b−a×b−b×b←掛ける順番を変えても答えが変わらないのでb×a=a×bがいえる
=a×a−b×b

※()の前に−がある場合の符号の変化に注意!「−(a+b)×b」→「−a×b−b×b」になる。

これで式の変形ができましたね。

まとめ

二桁の掛け算を見たら、(a+b)×(a−b)の形に変形できないか観察してみてください。

もしできるなら、a×a−b×bとして計算してみましょう。計算が簡単になる場合がありますよ。

なお、ここで紹介した工夫は、インド式計算法の一種として知られています。インド式計算法を使うと、様々なパターンの掛け算を楽に計算することができます。興味のある人は、他のインド式計算法についても調べてみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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