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「無数の“銀色の物体”が1LDKを埋め尽くし…」遺品整理のプロが直面した、セーフティーネットから漏れた“孤立の現実”

  • 2025.12.16

社会問題に切り込みながら、遺品整理や特殊清掃業務のリアルを伝えるYouTubeチャンネル「遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)」。

今回は、ある集合住宅の一室で起きた、現代社会の「孤独」と「セーフティーネット」について考えさせられる「【衝撃のゴミ屋敷】無数の銀色の物体が住居を占拠!?その正体は…」という動画をご紹介します。

「銀色の物体」の正体が分かったとき、そこには現代社会が抱える、切ない現実が隠されていました。

「弟が亡くなった」兄夫婦からの依頼

依頼者は、故人の兄夫婦。

故人は病院で亡くなりましたが、残された部屋は大変なことになっていたといいます。メモリーズ代表の横尾さんが現場に入ると、そこには驚きの光景が広がっていました。

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出典:『遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)』(YouTube)

部屋を埋め尽くす「銀色の物体」の正体

1DKの部屋を埋め尽くし、壁のように積み上がっていた銀色の物体。

正体は、無数の「宅配弁当の容器」でした。

本来であれば健康を維持するために頼んでいたはずのお弁当。しかし、ほとんどのものは手付かずの状態、数え切れないほどの量が部屋を占拠してしまっていました。

一方で部屋の奥には、代わりに口にしていたと思われるジュースやコンビニ弁当が入った袋が散乱。健康な食事は喉を通らず、手軽なもので空腹を満たしていたのかもしれません。

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出典:『遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)』(YouTube)

トイレも風呂も使えない…過酷な住環境

横尾さんによると、カップラーメンや紙パックが散乱するケースは多いものの、ここまで「お弁当」だけが蓄積している現場は初めてだといいます。

浴槽の中まで容器で埋め尽くされ、トイレも使用できない状態。故人は、この隙間で生活し、ここで食事をとっていたことになります。

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出典:『遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)』(YouTube)

「片付けようとしていた」痕跡

スタッフたちで懸命に仕分け作業を進めます。ゴミ処理のルールに従い、容器と食べ残し、発泡スチロールを一つひとつ手作業で分別していく過酷な作業です。

作業を進める中で、運動器具や、ゴミをまとめようとした複数の袋も見つかりました。「健全な生活がしたい」という前向きな意志を持ちながらも、病気(腎臓病)の悪化により、体が思うように動かせなくなってしまった故人の無念さが伝わってくるようです。

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出典:『遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)』(YouTube)

見守りの難しさと、社会の課題

故人は透析治療を受けていましたが、自宅での異変には誰も気づくことができませんでした。

宅配弁当サービスには「見守り」の側面を期待されることもありますが、今回のケースでは、結果として安否確認や異変の早期発見には繋がりませんでした。

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出典:『遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)』(YouTube)

すべての宅配弁当サービス業者に見守り義務があるわけではありません。しかし、外部との接点があっても救えなかったという事実は、重くのしかかります。

プロが語る「つながり」の大切さ

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出典:『遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)』(YouTube)

横尾さんは、この現場を通して「社会的なセーフティーネットから漏れてしまったケース」だと語り、孤立を防ぐための「人とのつながり」の重要性を訴えています。

単なる「片付け」ではなく、故人の生きた証と向き合う遺品整理。今回ご紹介した動画は、離れて暮らす家族のことや、近所との付き合い方について、改めて考えさせられるきっかけになるかもしれません。



動画:「【衝撃のゴミ屋敷】無数の銀色の物体が住居を占拠!?その正体は…

取材協力:『遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています


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