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「本当に大変」鎌倉で相次ぐ“白タク行為” 国交省の啓発活動に「感謝します」「強制力を作って」

  • 2025.9.30
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出典:photoAC(写真はイメージです)

近年、訪日外国人観光客の増加に伴い、観光地での混雑やトラブルが注目を集めています。特に鎌倉高校前駅周辺では、人気スポットとして多くの観光客が訪れ、地域住民や通行人に影響を及ぼすオーバーツーリズムの問題が指摘されています。

さらに、観光客の増加に伴い、無許可でタクシー営業を行う「白タク」行為も目立つようになっており、安全面や法令遵守の観点から大きな課題となっています。

こうした状況について、地域住民や観光客の間では「住民としては迷惑」「取締が必要」などの声が上がっており、さまざまな意見が交わされています。

果たして、「鎌倉周辺を中心とした白タク問題」について、世の中の人はどのように考えているのでしょうか。SNSなどの声を中心に紹介します。

「白タク行為」の根絶に向けた啓発活動を実施

白タクとは、国土交通大臣の許可を受けずに料金を受け取り、自家用車で旅客を運送する行為のことです。これは道路運送法違反にあたり、処罰の対象です。

近年、訪日外国人観光客の増加に伴い、配車アプリなどを利用した白タクの事例も増えており、空港や観光地を中心に警察による摘発を受ける事件が増加しています。

白タク行為の検挙件数は、令和5年では33件、令和6年では80件と増加しており、警察では「白タク行為」の未然防止と取締強化に努めています。

そんな中、関東運輸局神奈川運輸支局では、9月24日にJR鎌倉駅前や江ノ電鎌倉高校前駅踏切周辺で、鎌倉市役所や神奈川県タクシー協会の協力のもと、訪日外国人旅行者に向けて啓発チラシを配布し、「白タク」を利用しないよう呼びかけました。

神奈川運輸支局では、2月7日にも鎌倉警察署で「白タク行為に係る対策会議」が開催され、会議後にはJR鎌倉駅や若宮大路、江ノ電鎌倉高校前駅で、同様の啓発活動が行われています。

「白タク」の危険性を理解し、安全で安心な移動を選ぶことが、観光客自身の身を守ることにつながります。地域や行政の取り組みにも注目しながら、正規の交通手段を利用する意識を広めていきたいところです。

白タクの多さに住民は…

鎌倉は観光地として人気を集めていますが、そこには日常を送る住民もいます。そうした住民からは、戸惑いの声が多く寄せられていました。

  • 通る度に、あそこは本当に大変な場所だと感じます。
  • 観光地周辺に住む住民としては迷惑です。
  • 以前よりもそれらしき客が増えたし、道を尋ねられたこともある。

こうした状況を受けて、白タク根絶に向けた啓発活動を歓迎する声も上がっていました。

  • 対応してくれた鎌倉署に感謝します。
  • 警察の白タク取締後は目に見えて白タクの迷惑行為が減っていると思います。
  • このまま継続して頑張ってほしい。

取締を強化してほしい

一方で、啓発活動だけでは十分ではなく、取締の一層の強化が必要だと指摘する声もあります。

  • ビラだけでは効果が薄いと思う。
  • もっと厳しく取り締まって、逮捕も必要。
  • チラシ配りだけでなく、切符を切るなりレッカーするなり強制力を使ってほしい。
  • 白タクをしているドライバーを捕まえていくことしか解決の道はない。
  • 玄関口である空港での周知や取締も必要だと思う。
  • 利用者も罰することで、利用者を減らすほかない。

こうした意見からも、白タク問題の深刻さと、抜本的な対策を求める声の大きさがうかがえます。 今後は、行政や関係団体が一体となり、利用者とドライバー双方に対して継続的に取り組んでいくことが求められそうです。

白タク行為が起きてしまうことへの懸念

白タク行為は、利用者にとっても知らず知らずのうちに巻き込まれてしまうリスクがあります。 特に訪日外国人にとって、日本の法律や交通ルールを十分に理解するのは容易ではありません。

  • 白タクを利用した訪日客は、そんなことを言われてもどうしたらいいのか分からないと思う。
  • そもそも白タクを知らない外国人もいるのではないか。
  • 外国人観光客は違法だと思っていないだろう。
  • 白タクとライドシェアの違いがわからない。
  • 白タクと一般車の区別はつきにくい。

今後は多言語での情報発信や、観光地での啓発活動の強化が重要になっていきそうです。

なぜ白タク利用者が後を絶たないのか

白タクを利用する人が後を絶たない背景には、交通インフラへの不満も原因の一つとして考えられます。鎌倉エリアでは、列車の混雑や交通渋滞が慢性的な問題とされています。そのため、鎌倉は混雑しているというイメージが生まれているのが現状です。

こうした背景があると、「正規タクシーが来ないなら仕方ない」「移動手段を確保したい」という思いから、白タクを選択する人が出てきても不思議ではないのかもしれません。

また、内閣府規制改革推進室が実施した訪日外国人対象の「移動実態等に関する調査結果」によると、滞在時の移動手段のうち約4割がタクシーを利用したと回答しています。

さらに、タクシーを利用したことのある人のうち約7割が「タクシー利用時に困った経験がある」と答えており、その上位3つにあたる内容は以下の通りです。

  • タクシー乗り場に行列ができており、乗れなかった/待ち時間が長かった
  • 言語が異なることが理由で、電話での予約ができなかった
  • タクシー乗り場にタクシーが来なかった/来るまでの待ち時間が長かった

こうした実態は、正規タクシーが利用しにくいという不満を生み、白タクの利用を誘発する背景となり得るでしょう。今後は、効率的な配車導線整備や多言語対応の強化といった対策が求められるのかもしれません。

安心・安全のために

今回は、「鎌倉周辺を中心とした白タク問題」に対する世間の声を紹介しました。

実際に鎌倉に住む人や観光で訪れた人からは、「大変な場所」「迷惑」といった声が挙がっており、白タク行為に困惑している様子がうかがえます。

そんな中、国土交通省関東運輸局などは「鎌倉における白タク行為防止の啓発運動」を実施しました。啓発運動の実施には感謝の声がある一方で「もっと取締を強化してほしい」という意見も多数寄せられました。

これらの声からは、啓発活動を継続することで訪日外国人旅行者の白タクに対する理解を深め、利用者側のリテラシー向上を図ることが重要であることが分かります。

また、白タクの取締強化と並行して、地域全体の交通課題を解決するために、新たな交通サービスの導入や継続的なインフラ整備といった取り組みも重要となるでしょう。


出典:警察庁「令和7年警察白書」(第5章第5節 白タク行為の検挙件数の推移)(https://www.npa.go.jp/publications/whitepaper/index_keisatsu.html)、

近畿運輸局「違法タクシー(白タク)の検挙について」(国土交通省)(https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/tetsuzuki/taxi/illegaltaxi.html)、

関東運輸局神奈川運輸支局「『白タク行為に係る対策会議』の開催及び『鎌倉における白タク行為防止の啓発活動』を実施します。」(国土交通省)(https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/s_kanagawa/date/ka_p250131.pdf

関東運輸局神奈川運輸支局「『鎌倉における白タク行為防止の啓発活動』を実施します。」(国土交通省)(https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/s_kanagawa/date/ka_p250916.pdf)、

国土交通省関東運輸局公式アカウント(https://x.com/mlit_kanto_unyu/status/1888871248572326138)、

観光庁「1.地域概要」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001878826.pdf)、

内閣府規制改革推進室「移動実態等に関する調査結果」(https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2409_05local/local_material/local_250131_2.pdf