工夫して10秒で計算してみて！「45×1.6」→暗算できる？

少し複雑な掛け算をパパっと計算できたら、すごいと思いませんか？

式の形をじっくり観察し、工夫をすると、一見複雑な掛け算がすぐに計算できることがあります。

今回の問題も、工夫次第で案外簡単に暗算できますよ。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
45×1.6

※制限時間は10秒です。

正解は、「72」です。

掛けられる数は二桁、掛ける数は小数の計算です。計算がとても面倒に見えるので、10秒以内の解答は難しそうですね。

しかし、この二つの数字の「ある特徴」を活かせば、計算はとても簡単になります。

次の「ポイント」で、どんな工夫をしたらよいのかを確かめてみましょう。

この問題のポイントは、「5の倍数の特徴を利用すること」です。

5の倍数は、2を掛けると切りのよい数になります。そして、切りのよい数が掛け算に登場すると、計算がぐっと楽になります。

今回でいえば、45は5の倍数です。45に2を掛けると90になり、掛け算の中で扱いやすくなります。

しかし、45に勝手に2を掛けると、式全体の意味が変わってしまわないか、気になりますよね。

そこで、ただ45に2を掛けるのではなく、1.6の方から「×2」を借りてくるようにしましょう。

具体的には、次のように計算をします。

45×1.6
=45×0.8×2 ←1.6を「0.8×2（1.6の半分は0.8）」にして、「×2」を見える化
=45×2×0.8 ←「×2」を前に出して「45×2」の形を作る
=90×0.8

掛け算は掛ける順番を変えても答えが変わらない性質があるので、「45×0.8×2」を「45×2×0.8」に書き換えて、45に2を掛ける形を作っています。

これで、式は「90×0.8」という形に変形できました。後は、計算をするだけです。

小数の掛け算がややこしく見えるという人は、さらに式を簡単にしてみましょう。

90×0.8
=9×10×8×0.1 ←90を「9×10」、0.8を「8×0.1」に分解
=9×8×10×0.1 ←「10×0.1」になるよう式の順番を変える
=9×8×1 ←「10×0.1=1」を利用する
=9×8
=72

一見ややこしく見える今回の問題ですが、工夫をすることで「一桁×一桁」の九九レベルにまで簡単にできました。これなら、暗算でも楽に計算できますね。

掛け算の中に「5の倍数」と「偶数」が入っている場合は、5の倍数に偶数から借りてきた2を掛けて、切りのよい数にしてみましょう。切りのよい数の掛け算は、計算が簡単になります。

なお、掛け算には掛ける順番を自由に変えても答えが変わらないという性質があります。この性質を利用すると、今回のような工夫ができます。

掛け算を見たときは、より簡単に計算するにはどんな順番で掛けていくのがよいかを考えてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。

文（編集）：VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

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