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工夫して10秒で計算してみて!「94×97」→暗算できる?

  • 2025.9.20
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一桁×一桁は暗算で、二桁×二桁なら筆算でするという人は多いでしょう。

しかし、筆算をするには紙と筆記用具が必要です。頭の中で暗算したいというときには筆算はあまり適した計算方法ではありませんね。

そこで、今回は二桁どうしの掛け算を暗算できる「インド式計算法」をご紹介します。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
94×97

※制限時間は10です。

解答

正解は、「9118」です。

大変桁数の大きい答えですから、10秒で暗算なんてとてもできそうにないように思えるかもしれません。

ところが、次の「ポイント」で紹介するインド式計算法を使えば、意外に簡単に答えを出せるのです。

ポイント

この問題のポイントは、「100に近い数どうしの掛け算」という特徴を使うことです。

インド式計算法には、二桁の掛け算を暗算する方法がパターン別に存在します。今回のような「100に近い数どうしの二桁の掛け算」であれば、次のようにして暗算できます。

ステップ1:掛け算を(100−▲)×(100−■)の形に直す
ステップ2:(▲+■)×100を計算して、10000から引く
ステップ3:ステップ2の答えに▲×■を足す

では、この方法で今回の問題を計算してみましょう。

ステップ1:94×97=(100−6)×(100−3)
ステップ2:(6+3)×100=900を10000から引いて9100
ステップ3:6×3=18を9100に足して9118

簡単な掛け算と足し算で9118という答えが求められましたね。

インド式計算法が成り立つ背景を見てみよう

インド式計算法は、「どうしてそうなるのか」という背景を押さえた方がやり方を覚えやすくなります。

まず、乗法公式や負の数の掛け算ルールが分かっているという人は、こちらの式変形を見てください。

乗法公式:(a+b)×(a+c)=a×a+(b+c)×a+b×c
a=100、b=−▲、c=−■とする

(100−▲)×(100−■)
=10000−(▲+■)×100+▲×■ ←(−▲)×(−■)は▲×■になる

式を変形すると、インド式計算法と同じ形が出てくるのが分かりますね。

乗法公式や負の数の掛け算になじみがないという人は、長方形の面積で考えてみましょう。

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「94×97」は縦94、横97の長方形の面積を求める式だと考えます。この長方形の縦横が100になるように長さをつけ足して、計算します。

元の長方形の面積(上図黄色)を求めるには、「100×100」を計算した後、付け足した部分の長方形の面積を引けばOKですね。

付け足した部分は縦が6、横が100の長方形(上図ピンク)と、縦が100、横が3の長方形(上図青)ですから、合計「6×100+100×3=(6+3)×100」を引くことになります。

しかし、このときピンクと青の二つの長方形が重なった部分(上図紫)の部分は二回引いてしまうので、引きすぎた分(縦6、横3の長方形の面積=6×3)を最後に足します。

「100×100(10000)」から付け足した長方形二つを引くのがステップ2、引きすぎた部分を足すのがステップ3に該当します。

まとめ

今回は、100に近い二桁の掛け算を暗算するインド式計算法について紹介しました。

もう一度、計算方法を振り返ってみましょう。

(100−▲)×(100−■)→(▲+■)×100を計算して、10000から引き、▲×■を足す

一見複雑に見える掛け算も、この方法なら簡単に暗算できるのではないでしょうか。

インド式計算法には「あるパターン」に当てはまる掛け算を簡単に暗算できる方法がたくさんあります。気になる人は、他のインド式計算法についても調べてみましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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