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「1年間で約3万9千件」約2割の確率で“熟年離婚”…悲惨な末路を辿らないための“3つのポイント”【お金のプロが解説】

  • 2025.8.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

厚生労働省の人口動態統計によると、2022年に同居期間が20年以上の夫婦の離婚は約3万9千件にのぼり、全体の23.5%を占めて過去最高となりました。さまざまな理由で、今後熟年離婚を見据えている人も多いのではないでしょうか。

熟年離婚では、お金に関することをしっかりと準備しておく必要があります。今回の記事では熟年離婚のお金問題について、詳しく紹介します。

熟年離婚に失敗しないためのお金の基礎知識

離婚とお金の問題は、切っても切り離せません。ここでは離婚に関するお金の基礎知識を見ていきましょう。

結婚後に築いた財産は公平に分割する

結婚生活で築いた財産は夫婦が共有したものなので、公平に分配します。半分ずつ分けることが基本とされていますが、夫婦間で財産形成の寄与に差がある場合は7:3や6:4という場合もあるでしょう。専業主婦(夫)の場合は財産分与の権利がないと思っている人もいるかもしれませんが、家庭環境を築いた功績があるため財産分与を受け取る権利があります。

教育費や慰謝料はまちまち

未成年の子どもがいる場合、親権者は非親権者に対して教育費を請求できます。養育費には子供の成人までに必要となる食費・学費・医療費などが含まれ、決められたルールはありません。

また慰謝料は不貞行為やDVなど、離婚の要因によってまちまちです。こちらも決められてルールはないため、離婚の際には準備と話し合いを行い、書面に残しておくなどの対策が必要です。

離婚にかかる費用は?

夫婦間で話し合って協議離婚が成立した場合、費用はかかりません。しかし弁護などに依頼した場合は、数十万以上もの費用がかかることも。離婚を考えるのであれば、離婚にかかる費用も忘れないようにしましょう。

熟年離婚のお金の落とし穴

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

熟年離婚する人が陥ってしまいがちな、落とし穴を紹介します。

退職後の離婚がおすすめ

退職金の財産分与は、受け取っている場合とこれから受け取る場合では取扱が異なります。すでに退職金を受け取っていれば預金などの資産を分割しますが、まだ受け取っていない場合は離婚時に退職したという仮定での財産分与になります。そのため、退職金を受け取っている場合に比べると金額が低くなってしまいます。

年金分割の制度を忘れずに

離婚した場合、年金を受け取る権利も分割できます。しかし年金を受け取るためには年金事務所に対し「年金分割」の手続きをしなければなりません。年金分割の手続きは、離婚後2年以内に行う必要があります。熟年離婚を考える際には、年金のことも忘れずに手続きをしましょう。

ペアローンを組んでいる人は要注意

ペアローンでマイホームを購入していると、名義が夫婦共有になっています。離婚してもローンが無くなるわけでもなく、手続きしなければ名義も共有のままです。共有名義を解消するには、どちらかが買い取らなければいけません。

マイホームを売却するという手段もありますが、ローンの残債が残ってしまう可能性もあります。このようにペアローンは離婚時のトラブルになりやすいため、売却価格を事前に調べておくなどの対策を忘れないようにしましょう。

熟年離婚するならお金の対策が大切!

離婚とお金の問題は切っても切れませんが、熟年離婚では尚更です。

熟年離婚では離婚後の収入を確保するのが難しく、財産分与や年金分割が欠かせません。ローンや教育費の分担なども、事前に調べておくことで協議もスムーズになります。熟年離婚を考えている人は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。


監修者:ゆきひろ
信託銀行に勤務する傍ら、金融系の記事も執筆する兼業ライター。日々富裕層顧客に金融や不動産を活用したウェルスマネジメントや税務に関する提案を行っており、培った知識と経験を活かして情報発信を行っている。過去には大手カード会社でクレジットの審査業務経験もあり、金融全般の知識に明るい。FP1級、宅建士を保有。