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警察官「もう大丈夫」刃物を持った犯人を制圧→直後起こった想定外の出来事。元警察官が語る“油断が命取り”になった実例

  • 2026.4.14
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

「もう大丈夫」

そう思った瞬間が、一番危ない。

これは警察の現場だけの話ではありません。

日常生活の中でも、安心したその一瞬にトラブルや犯罪に巻き込まれるケースは少なくありません。

人は、目的を達成したと感じた瞬間に気が緩みます。

しかし実際には、その“最後の一瞬”にこそリスクが潜んでいることがあります。

今回は、元警察官が警察の訓練や実例をもとに『目的が完了するまでは油断してはいけない』という教訓につながるケースを紹介します。

刃物を持った犯人を制圧…その直後に起きた出来事

警察では、拳銃や警棒、体術を用いた逮捕術の訓練が行われています。

その中でも頻繁に想定されるのが、刃物を所持した人物との対峙です。

訓練では、相手の動きを見極めながら間合いを取り、警棒で刃物を打ち落とし、体術で制圧して手錠をかける――

一連の流れを繰り返し身体に覚え込ませます。

一見すると、犯人を制圧した時点で任務は完了したように思えるかもしれません。

しかし、現場ではそう単純にはいきません。

『もう終わった』その一瞬の隙を突かれる

実際にあったケースが、刃物を所持した犯人との負傷事案です。

刃物を警棒で打ち落とし、手錠をかけようとしたところ、ポケットから別の刃物を取り出し、対応していた警察官が負傷した事例があります。

最初に確認できた刃物に意識が集中し、「これで終わった」と判断してしまった一瞬の油断。

その隙を、犯人は見逃しませんでした。

犯人は、こちらの想定どおりには動きません。

むしろ、この『想定外』を突くことで状況を覆そうとします

見えているものだけで判断する危険性

この事例から分かるのは、

『目に見えている情報だけで安全と判断することの危険性』です。

・手に持っているもの以外にも武器を隠している可能性
・単独に見えても、周囲に仲間がいる可能性
・一度落ち着いたように見えても、再び攻撃してくる可能性

こうした“見えていないリスク”を想定できるかどうかで、結果は大きく変わります。

実際の訓練で指導されていたことは

•拳銃や警棒などの武器は、手錠をかけ終えるまで構えたまま保持しろ

•複数で対応している場合、1人は常に犯人の挙動を観察する役を担い、それだけに注力しろ

この2点でした。

人は『終わった』と思った瞬間に判断を誤る

この構造は、日常生活でも同じです。

例えば、マンションに帰宅したとき。

「家に着いた」と安心した瞬間、後ろを気にせずエレベーターに乗ってしまう。

その結果、不審者と同乗してしまう、いわゆる『共連れ』のリスクが生まれ、凄惨な事件と発展したケースもありました。

また、仕事が終わり「やっと一日が終わった」と気が緩んだ帰宅途中。

その“安心感”が、周囲への注意を薄れさせ、声かけやトラブルに巻き込まれるきっかけになることもあります。

さらに、お酒を飲んで酔ってしまったとき。

判断力が鈍り、財布やスマートフォンをなくしたり、思わぬトラブルに巻き込まれたりするケースも少なくありません。

このように、犯罪やトラブルは『油断した瞬間』を狙ってやってきます。人は“安心した瞬間”に、最も無防備になるのです。

学び:終わる最後の瞬間までは、まだ終わっていない

この事例から得られる教訓は、決して難しいものではありません。

『目的が完了するまでは、油断しないこと』

そして

『常に最悪の事態を想定して行動すること』

この2つに尽きます。

どんなに順調に進んでいても、最後の一瞬で状況は変わります。

「ここまで来たから大丈夫」

そう思った瞬間こそ、最も危険です。

最後まで気を抜かないこと。

それが、自分の身を守るための現実的な防犯につながるのです。


ライター:防犯インフルエンサー りょうせい(りょうせい 元生活安全課

元警察官(警察歴10年)。生活安全課で行方不明やDVなどの人身事案を担当し、防犯の広報や啓発活動にも携わる。現在は防犯アドバイザーとして活動し、Xや音声配信(StandFM)を通じて、日常生活に取り入れやすい防犯の工夫を発信している。