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新しい駅舎なのに“紙詰まりのエラー”が頻発する券売機…駅員も気づかなかった『予想外の原因』に「余計に仕事が増えた」

  • 2026.5.29
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。元鉄道駅員の川里です。

今回は、私が駅員時代に体験した「意外な真犯人」をご紹介します。効率化がなかなかうまくいかずに苦労した経験です。

せっかく案内した券売機が…

私が勤務していた鉄道会社では、駅員から機械へのシフトを推進していました。ちょっとでも窓口に列ができれば上司の号令のもと、「きっぷなら券売機で購入できますよ」と声をかけに行くようになっていました。

窓口で駅員からきっぷを買いに来たお客さまに券売機を誘導するのは、私は正直苦手でした。券売機は「いつでも自由に使っていいですよ~」とでも言いたげな顔をして立っていますが、実際にはきっぷのルールと券売機の操作方法を完璧に理解していなければ使えません。新入社員研修で複雑なきっぷのルールに苦しめられる駅員も多いのに、普段は駅員でないお客さまが使いこなせるものでしょうか。

券売機を案内しにくくしている理由は使いにくさだけでなく、販売エラーが一定の確率で起きる点も挙げられます。

券売機にセットされているきっぷ用の紙が引っかかり、停止して余計に時間をかける場合があるのです。また、お客さまが投入した紙幣が破れてエラーになることもあります。

新しい駅なのに、用紙詰まりが妙に頻発

ある年の定期異動で、私は駅舎が新しく建て替えられたばかりの駅に配属されました。新築の香りがする、汚れのないバックヤードを少し不思議な気持ちで通っていると、券売機のエラー発生を示すブザー音が聞こえてきました。

「紙幣が詰まったのかな?」と感じたのですが、どうやらそのときはきっぷ用紙が詰まっていたようです。券売機そのものは前の駅から引き続き使っているのかもしれないと考え、深く気にしませんでした。

ところが、券売機の用紙詰まりは以降も頻発しました。ほかの駅員たちは

「前の駅舎のときは、こんなにエラーにならなかったのに」

と不思議そうに話します。エラーが続くようでは、券売機を案内しようにもこちらが自信を持って「券売機のほうが早いですよ」と言えません。

誰かが間違ってセットした?

この頃は4月に入社した新入社員たちが、初めて1人で駅に泊まる勤務を行うようになる時期でした。そのため「新入社員の誰かがきっぷ用紙をセットする向きを間違ったのでは?」と疑われました。たしかにきっぷ用紙の向きを間違ってセットすると、券売機はエラーを起こします。

上司が新入社員たちの仕事ぶりを聞き取ったところ、誰もセットの向きを間違っていませんでした。また、少なくとも私がエラー対応をした限りでは、きっぷ用紙のセット方向は合っていました。具体的にどこに引っかかったのかもわからず、ただ波打つように詰まっていたのです。

きっぷが波打ってしまった部分を取り除き、再度セットすると、ひとまず正常に動くようになります。しかしこの対応は一時的な解決策に過ぎず、しばらくすればまた券詰まりが発生しました。

事件の真相

窓口の数には限りがあり、コロナ下での出社制限の時期とも重なっていたため、券売機を案内せずに乗り切るのは現実的ではありません。また、券売機限定発売のきっぷもあります。

「頼むから詰まらないでくれよ…」

祈りながらお客さまを券売機へ誘導していました。

このままでは駅員の業務に支障が出るということで、上司が関係個所に連絡し、調査をはじめました。調査結果によると、どうやら券売機裏のスペースの湿度が高く、きっぷ用紙がふやけやすくなっていたために、簡単に詰まってしまっていたとのことです。

これで仕事が…増えた!?

券売機裏のスペースの湿度を下げるため、除湿器が設置されました。これによりきっぷ用紙がふやけにくくなって、エラーが減るはず。私たちは安堵しました。

「よかった。これで券売機でもスムーズに案内できて、エラー対応の仕事も減りそうだ」

ところが、今度は「券売機のエラー対策のため、除湿器を稼働させ続けなければならない」という新たな仕事が生まれました。タンクに貯まった水を定期的に捨てる、地味ながら重要な作業です。基本的には券売機の締切を担当する係が行いましたが、「担当以外でも気づいたらやる」くらいのゆるい運用でした。

新築の駅舎ではありましたが、川が近いためか梅雨の時期だったためか、湿度が上がりやすい状態になっていたようです。また、券売機はきっぷ用紙の詰まり以外にも1円玉のような非対応の硬貨を入れられる、発券途中で用紙切れを起こすなど、湿気が絡まないエラーもあります。

結果として「異常な頻度の券詰まりはなくなったけれど、仕事は増えた気がする」と感じました。


ライター:川里隼生

鉄道会社の駅係員として8年間、4つの駅を経験しました。コロナ禍やデジタル化を通して移り変わってきた、会社としての鉄道サービスの未来像と、お客様それぞれが求めている鉄道サービスのあり方の両方から学んだことを記事にしていきます。


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