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【六本木】企画展 死と再生の物語(ナラティヴ)@泉屋博古館東京~7月27日(日)

  • 2025.7.18

六本木の泉屋博古館東京では企画展「死と再生の物語(ナラティヴ)―中国古代の神話とデザイン―」が2025年7月27日(日)まで開催されています。

本展では、泉屋博古館(京都)の貴重な青銅器・青銅鏡コレクションを中心に、「動植物」「天文」「七夕」「神仙への憧れ」という4つの視点から、重要文化財7面を含む館蔵の名品を通して、鏡のデザインに宿る神仙信仰などの「物語」をひも解きます。

出典:リビング東京Web

世界屈指と称される住友コレクションの青銅器・青銅鏡から名品を厳選して公開

古代中国の文物に描かれる動植物は、天地をつなぐ神秘的な役割を担っていました。七夕伝説や瑞獣、神仙思想など、死と再生をめぐる壮大な世界観が、鏡や画像石に表現されています。現代の日本にもつながる神話とデザインの源流をたどる展覧会です。

※主催者側の許可を得て撮影しています。

第1章 天地をつなぐ動物たち

古代中国の文物には、虎や象、龍や鳳凰など、多彩な動物たちが登場します。 彼らはただの装飾ではなく、天と地をつなぐ「媒介者」として重要な意味を担っていました。

出典:リビング東京Web

展示風景

フクロウ・ミミズクをさすとされる鴟鴞(しきょう)も、おそらくは夜行性の猛禽類という性質が注目され、死後の世界とかかわりの深いモチーフとして扱われていました。

出典:リビング東京Web

展示風景 手前 重要美術品《鴟鴞尊》中国・殷(前13-前12世紀)泉屋博古館

動物たちが伝える、古代人の死生観と宇宙観に触れてみてください。よく見るととても愛らしいフォルムをしています。

出典:リビング東京Web

展示風景:重要文化財《鴟鴞尊》(中国・前漢時代、前2〜後1世紀) 早稲田大学會津八一記念博物館蔵

第3章 鏡に映る宇宙

第3章では、天文とデザインの深いつながりに注目します。 「淳祐天文図」は、中国古代の独自の星座体系を今に伝える、南宋時代の貴重な天文石図です。太陽や月、星の規則的な運行は、死と再生の象徴として人々の心をとらえ、特別な意味をもってデザインに取り入れられてきました。

出典:リビング東京Web

《淳祐天文図》原石:中国・南宋淳祐7年 (1247)コスモプラネタリウム渋谷蔵

 重要文化財《画文帯同向式神獣鏡》には、琴弾きの伯牙(はくが)、その理解者で友人の鍾子期(しょうしき)、そして琴の師匠である成連(じょうれん)を象徴する図像が刻まれていると考えられています。

中国の有名な琴にまつわる故事をモチーフにした絵柄が鏡面に表現されています。

出典:リビング東京Web

重要文化財《画文帯同向式神獣鏡》中国・後漢末~三国(3世紀) 泉屋博古館

同時開催 「泉屋ビエンナーレSelection」

住友コレクションの中国古代青銅器は、高度な鋳造技術と独創的な文様が特徴で、金属工芸の範となっています。金属の希少性や輝き、堅牢性を生かした豊かな造形美が魅力です。

出典:リビング東京Web

佐治真理子《きいてみたいこと ~Who are you?~》2021年 泉屋博古館蔵

泉屋博古館(京都東山・鹿ケ谷)で2021年・2023年に開催された泉屋ビエンナーレでは、中国古代青銅器から得たインスピレーションを現代鋳金作家が表現した作品を制作。今回はその一部の作品が東京館で初公開。古代から続く技術と現代の感性が融合した鋳金芸術もまた魅力的です。

出典:リビング東京Web

久野彩子《time capsule》2023年 泉屋博古館蔵

会場内のショップでは作品をモチーフにしたユニークなオリジナルグッズが販売されています。画像左は《戈卣》(かゆう) 古代中国の青銅器の酒器をモチーフにしたクッション。展示作品とほぼ同じくらいのサイズでミミズク(鴟鴞)が背中合わせになったようなフォルムが可愛らしいです。画像右は《鴟鴞尊》(しきょうそん)のポーチです。京都の泉屋博古館とフェリシモのコラボグッズです。

出典:リビング東京Web

展覧会のタイトル「死と再生の物語」からは、少し重たい印象を受けるかもしれませんが、会場に展示されている古代中国の青銅鏡には、想像を超える多彩なデザインが刻まれています。 「どうしてこんな形に?」と思わず見入ってしまうその造形の背後には、神話や宇宙観、そして自然への深いまなざしが込められています。 現代の感性にも響くデザインセンスと、遥か昔の人々の想像力に出会える展覧会です。 ぜひ会場で、作品の魅力に直接ふれてみてはいかがでしょうか。

 

企画展 死と再生の物語(ナラティヴ)―中国古代の神話とデザイン
会場:泉屋博古館東京(東京都港区六本木1-5-1)
会期:2025年7月27日(日)まで
休館日:月曜日、7月22日(火)(7月21日は開館)
開館時間:11:00〜18:00
※金曜日は19:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで
料金:一般1,200円、学生600円、18歳以下無料
*障がい者手帳等をご呈示のかたはご本人および同伴者1名まで無料
アクセス:東京メトロ南北線の六本木一丁目駅北改札正面 泉ガーデン1F出口から徒歩3分など
URL:https://sen-oku.or.jp/tokyo/

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