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間違いなく“今年屈指”のドラマ「こういうの待ってた」俳優陣の豪華さと完成度、“豪華で純度の高いエンタメ”性が話題

  • 2025.8.8

Netflixで絶賛配信中の『グラスハート』が話題沸騰、その理由は明確だ。俳優陣の豪華さ、音楽ドラマとしての完成度、そして何よりも、SNS上でも話題になっているほどの“豪華で純度の高いエンタメ”性。「俳優のアベンジャーズ」「こういうの待ってた」と絶賛の声が相次ぐとともに、「今年一番の日本ドラマ」との呼び声も高い。本作は、佐藤健が主演・プロデュースを務める青春音楽ラブストーリー。どこまでも純粋でエモーショナル、とびきりドラマチックでもある音楽ドラマを、世の中は求めていた。

音楽で、つながるふたり

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『グラスハート』Netflixにて独占配信中

物語は、女性ドラマー・西条朱音(宮﨑優)が「女性だから」という理由でバンドをクビになり、雨のなか孤独にドラムを叩くシーンから始まる。その音にピアノで応えたのが、佐藤健演じる藤谷直季。朱音のモノローグ「そこには、音しかなかった」がすべてを語るシーンだ。言葉よりも先に、音でつながるふたり。この冒頭数分で、視聴者は彼らの音楽に、そして背景に漂う人生の香りに、深く引き込まれていく。

直季は、言ってしまえば音楽の申し子、音楽の神様に愛された存在だ。ひとたび作曲に没頭すると、時間も気温も人の存在も忘れ、前後の記憶さえ曖昧になってしまう。彼の圧倒的な集中力と、それを包み込むように支える周囲の人間模様は、観る者の感情を揺さぶる。なかでも同じバンド「TEN BLANK(テンブランク)」のメンバーである高岡尚(町田啓太)が、無言で直季にマフラーを巻いてあげるシーンは、静かな優しさが溢れていた。

特撮トップ俳優の共演

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『グラスハート』Netflixにて独占配信中

そして、本作のもうひとつの大きな話題は、特撮ファンをわかせる菅田将暉と佐藤健の共演だ。彼らはともに平成仮面ライダーシリーズで主演を務めた俳優でもある。

菅田が演じるのは、直季の異母兄・真崎桐哉。金髪に首筋のタトゥー、無骨なピアスに大ぶりなネックレスという派手なビジュアルとは裏腹に、どこか不器用で感情に蓋をしてきた男。5話、彼が直季の前で涙を堪えきれず、ピアノの旋律に身を委ねる姿は痛ましくも、美しい。

彼らが同日にリリースすることになった楽曲が酷似しており、そのメロディがふたりの血の繋がり、記憶、そして感情を炙り出していく。桐哉がピアノの前で椅子に立ち上がるカットは、菅田将暉が歌う『まちがいさがし』のMVとリンクしてもいて、特撮ファンと音楽ファン双方の心を震わせることになった。

あえて言葉にするとしたら、佐藤健の演技は「静」、菅田将暉の演技は「動」。その対比が作品に独特の緊張感を生み出している。

佐藤は、表情や仕草のわずかな変化で内面を描く職人。真顔の奥にある感情を、観る側が積極的に読み取る構造が、本作の余白を彩り豊かにしている。一方、菅田は存在感で語るタイプ。だが決して大仰にはなっておらず、キャラクターの弱さや不安を丁寧に演じることで、桐哉という役柄そのものに深みを与えている。

理解されずとも止まらない、自分を信じる芯

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『グラスハート』Netflixにて独占配信中

また、宮﨑優の存在も忘れてはならない。朱音というキャラクターには、挫折を経てもなお音楽を愛し、自分の音を信じようとする強さがある。周囲に理解されなくても、直季だけは彼女のなかの芯を見抜いてみせたのだ。それが物語の核にもなっている。

志尊淳演じる坂本一至から「俺、あんたの音、好きじゃない」と言われても、彼女は立ち止まらない。このしなやかさが、観る者に勇気を与えるのかもしれない。

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『グラスハート』Netflixにて独占配信中

『グラスハート』の魅力は、ライブシーンの臨場感にもある。音楽ドラマは数あれど、ここまで楽曲のクオリティが高く、また演者の演奏や歌唱がリアルなものは稀ではないだろうか。音がキャラクターの言葉となり、心を動かす力となっている。

このドラマは、音楽、家族、愛、そして自分の居場所を探す物語だ。誰かとともに音を鳴らすことの喜びと痛みを描きながら、極上のエンタメを成立させている。ラブストーリーとして、青春群像劇として、そして音楽を愛するすべての人へのラブレターとして。『グラスハート』は、間違いなく今年屈指のドラマ体験といえる。


『グラスハート』Netflixにて独占配信中
[出演]佐藤健、宮﨑優、町田啓太、志尊淳、菅田将暉、唐田えりか、髙石あかり、竹原ピストル、YOU、藤木直人

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧・Twitter):@yuu_uu_



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