包帯を巻いた女性客「金持ってない」歌舞伎町で絶句した“衝撃発言”に…温厚な店長「もう店に来ないで」

ぼっちながらも、それなりに楽しく暮らしている、ナエくま（ナエくまのブログ）さん。日常や思い出のあれこれを漫画にしたため、ブログで発信している彼女には、歌舞伎町の飲食店で働いていた過去があります。

そんなナエくまさんが、かつて歌舞伎町の飲食店で働いていた頃の話には、にわかには信じがたいようなエピソードがたくさん。今回はその中から、とある"包帯だらけの女性客"とのやり取りと、それを見守った店長の懐の深さについて詳しく話を伺いました。

包帯を巻いた女性「パスポート預けるから…」

「その方、最初からすでに怪我をしていて、包帯が巻かれていたんです。そして、入店してからしばらく経っても注文しないので、なんだか異様な空気感を纏っていました」

その後、ようやく注文を受け、食事を始めた女性。ようやく帰るのかと思いきや、次の一言にナエくまさんは耳を疑いました。

「実は私、お金持っていないんだよね」

突然の一言に、ナエくまさんは言葉を失ってしまったといいます。戸惑う様子をよそに、その女性客は「友達にお金を借りてくるから、ちょっと出てくるわ」と言い出し、続けざまに「パスポート預けるから」と衝撃の発言。

「まさかと思いましたが、本当にパスポートをカウンターに置いて、出て行こうとしたんです」当時の様子を、ナエくまさんはそう語ります。

その異様さに戸惑いつつ、「戻ってくるんですか？」と尋ねたナエくまさん。すると返ってきたのは、「決まってんだろ！」という逆ギレのような返答でした。普通の飲食店では考えられない状況に、当時20代前半だったナエくまさんは完全に困惑してしまったといいます。

「私もまだ若かったので、あまり強く言えず、とりあえず店長に相談したんです。そうしたら店長が出てきて、店の外でその女性と2人で話をしていました」

直接のやり取りは聞こえなかったものの、後から店長に内容を確認すると。

「『もうお金は払わなくていいから、パスポート持って帰って。今後はもう店に来ないで』って言ったらしいです。店としても厄介なトラブルを抱えたくなかったんでしょうね」

歌舞伎町という土地柄、トラブル客も日常茶飯事。そんな状況の中で、冷静かつ毅然とした判断を下したのが、当時の店長でした。

-- 店長の毅然とした対応のギャップに驚きました！当時の店長はどんな方だったのしょうか？

その店長、喋り方がちょっと可愛らしくて、"〇〇子どうかしてる〜"みたいな口調の人だったんです。でも、とにかく肝が据わっていて、お客さんにも店員にも、ちゃんと一線を引いてくれる人でした。

聞けば、もともと歌舞伎町の店舗にいた店長は一度本社勤務に異動になったそうですが、「自分には向いてない」と直談判し、現場に戻してもらった経歴の持ち主だとか……。

多分、事務作業とかパソコン仕事より、接客の現場の方が合ってたんでしょうね。あの強烈な客たちを相手にするには、あの人くらい肝が据わってないと無理だったと思います。

-- 他にも"この店長はすごい"と感じた出来事はありますか？

働き始めて1週間くらいの頃、キャバクラへのホールケーキの出前があって、私が転んでグチャグチャにしてしまったんです。もう大惨事で、"絶対怒られる…"と思ったんですけど、全然怒られなかった。

むしろ店長は、潰れたケーキの箱を見てニコニコしながら、「開けなくてもグチャグチャなのわかるでしょ〜！」と他スタッフに冗談を飛ばしていました。

店長は怖いというより、どこか余裕があるというか。私のことを気遣ってくれていたんだと思います。ケーキを破棄しながら嬉しそうだった姿は、ちょっと変だけど忘れられません（笑）

包帯を巻いた女性客がパスポートを担保に店を出ようとした事件は、歌舞伎町という特殊な環境だからこそ起きた出来事でした。しかし、そんな異常事態にも動じることなく、適切な判断を下した店長の懐の深さは、当時新人だったナエくまさんにとって大きな学びとなったようです。

リアルな接客体験や予想外の人間ドラマが、今のマンガ作品に活きていると語るナエくまさん。

歌舞伎町での色濃い日々は、思い出としても、クリエイターとしての糧としても、大切な財産となっています。一人でも楽しく暮らすナエくまさんの日常マンガ、これからも楽しみですね。

▼「包帯客パスポート事件」の全容を描いたナエくまさんのマンガ

客「実はお金持ってきてないんだよね」店員「はぁ…」→食事後、客のとったまさかの行動

クリエイター情報：ナエくま（ナエくまのブログ）
関東在住。ぼっちながらも、それなりに楽しく暮らしている。くまとカモが好き。日常や思い出のあれこれを漫画にし、ブログで発信しています。