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30代女性「具合が悪い」一言だけの通報で駆けつけた救急隊…玄関先で初めて気づいた“異変”に「通報内容だけだと見えなかった」

  • 2026.7.3
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

救急要請では、通報の段階で詳しい症状が分かることもあれば、ほとんど情報がないまま現場へ向かうこともあります。

今回の要請は、30代女性の体調不良でした。

通報内容は「具合が悪い」というもの。

一見すると幅の広い内容ですが、現場では重い病気が隠れていることもあります。

「具合が悪い」だけでは状態が読みにくい

救急隊にとって、「具合が悪い」という通報は判断が難しいものです。

発熱なのか。
腹痛なのか。
めまいなのか。
意識がもうろうとしているのか。

通報の時点では、具体的な症状まで分からないことがあります。

通信指令員も、通報者から聞き取れる範囲で情報を集めています。

ただ、通報者が慌てていたり、本人がうまく話せなかったりすると、詳しい状態までは把握しきれないこともあります。

そのため、今回のケースでも、現場に着くまでは軽症なのか重症なのか判断しづらい状況でした。

救急隊は、幅広い可能性を考えながら準備して向かいます。

玄関先で声を出しにくい状態だった

現場に到着すると、女性は玄関先にいました。

意識はあるものの、こちらの問いかけに対して声を出すのが難しそうです。

表情もいつも通りではなく、言葉がうまく出てこない様子がありました。

さらに確認すると、片側の手足に力が入りにくいようにも見えます。

「具合が悪い」という通報内容からは分からなかった所見です。

この時点で、救急隊としては脳卒中の可能性を考えました。

「若いから大丈夫」とは言えません。

脳卒中は高齢者に多い印象があるかもしれませんが、30代でも疑うべき症状があれば見逃せない病気です。

発症時刻と麻痺の確認を急いだ

脳卒中が疑われる場合、発症時刻の確認はとても大切です。

いつから症状が出たのか。
最後に普段通りだったのはいつなのか。
急に話せなくなったのか。
片側の手足の力はどうか。

救急隊は意識状態や麻痺の有無を見ながら、家族や関係者にも状況を確認していきました。

本人がうまく話せない場合、周囲の人からの情報が大きな手がかりになります。

同時に、搬送の準備も進めます。

玄関先から救急車までの動線や、傷病者を安全に運ぶための人手も必要でした。

そのため、消防隊にも応援を要請しました。

観察と搬送準備を同時に進める

現場では、観察だけをしていればよいわけではありません。

女性の状態を確認しながら、家族への連絡、搬送手段の確保、医療機関への受け入れ確認も並行して進めます。

脳卒中が疑われる場合は、搬送先の選定も重要になります。

どの医療機関で受け入れ可能か。どのくらいで出発できるか。

現場で必要な確認をしながら、できるだけ早く搬送につなげたい場面でした。

最初の通報は「具合が悪い」という一言でした。

しかし、現場に着くと、声が出にくい、片側に力が入りにくいという重要な所見がありました。

通報内容だけで軽く考えていたら、見落としてしまう可能性もあったと思います。

一言の通報に重い病気が隠れることもある

この事案で感じたのは、通報内容だけでは現場の重症度は分からないということです。

「具合が悪い」という言葉の中には、さまざまな状態が含まれます。

少し休めば落ち着く体調不良のこともあります。

一方で、脳卒中のように急いで対応が必要な病気が隠れていることもあります。

救急隊には、到着するまで限られた情報しかありません。

それでも、現場に入った瞬間から表情、話し方、手足の動き、意識状態を見て判断していきます。

今回のように、具体的な症状が分からない通報ほど、幅広く考えて準備する必要があります。

「具合が悪い」という一言でも、現場では重い病気が隠れていることがある。

そのことを改めて感じた事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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