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台風の夜に60代女性「朝転んでから手が痛い」と救急要請…元救急隊員が「判断が難しかった」と語る現場の事情

  • 2026.7.4
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。ライターのとしです。

救急要請は、症状の重さだけでなく、天候や時間帯によって判断が難しくなることがあります。

今回の要請は、台風の影響で雨風が強い夜間に入った、60代女性の「手が痛い」という訴えでした。

現場へ向かう時点で、道路状況や搬送中の安全にも気を使う事案です。

台風の夜に入った要請

その日は夜になってから雨風が強くなっていました。

現場に到着すると、女性は自宅にいて、手の痛みを訴えていました。

まず確認したのは、いつから痛みがあるのかという点です。

話を聞くと、痛みはその日の朝から続いていたとのことでした。

女性は自宅の廊下で転び、手をついた際に痛めたそうです。

日中は様子を見ていたものの、痛みが引かず、夜になって不安が強くなっていました。

さらに台風の影響で外に出にくく、自力で病院へ行く手段もない状況でした。

手の状態と歩行を確認した

救急隊は、痛みの部位や腫れ、変形の有無を確認しました。

手をついて痛めた場合、打撲だけでなく骨折が隠れていることもあります。

指先のしびれはないか。
手は動かせるか。
皮膚の色は悪くないか。
痛みが強くなっていないか。

そうした点を見ながら対応していきます。

また、転倒している以上、手以外のけがも確認します。

頭を打っていないか。腰や足に痛みはないか。歩行はできるのか。

本人の訴えが手の痛みだけであっても、現場では全体の状態を見る必要があります。

移動手段の問題も重なっていた

今回難しかったのは、手の痛みだけで判断できないところでした。

緊急性だけで見れば、搬送の要否をすぐに判断しづらい事案でした。

ただ、夜間で、台風が近づいていて、病院へ行く手段もない。

その状況が重なると、本人の不安はかなり大きくなります。

救急車は、病院への移動手段として使うものではありません。

それでも現場では、「では今どうするのか」を考えなければならない場面があります。

本人が痛みを訴え続け、悪天候の中で受診手段がない。

そうした背景も含めて対応を考える必要がありました。

悪天候では搬送にも気を使う

台風の夜は、救急隊側にも普段以上の注意が必要です。

救急車まで移動するだけでも、雨風で濡れてしまうことがあります。

足元が滑りやすく、転倒にも注意が必要です。

道路に枝や物が落ちていることもあり、病院へ向かう道中も普段通りとはいきません。

手の痛みだけであっても、強い風の中で移動すれば、本人にとってはかなり心細いものです。

できるだけ濡れないようにする。

足元に注意しながら移動する。

搬送中の揺れや安全にも気を配る。

悪天候の日は、こうした一つひとつにも神経を使います。

早めに相談する大切さ

この事案で感じたのは、受診のタイミングの難しさです。

女性の手の痛みは、朝から続いていました。

日中のうちに相談や受診ができていれば、台風の夜に不安を抱える状況は避けられたかもしれません。

もちろん、痛みがどの程度続くのかは本人にも分かりません。

「少し様子を見よう」と考えるのも自然です。

ただ、天候が悪くなることが分かっている日や、移動手段に不安があるときは、早めに相談することも大切になります。

悪天候の日は、受診への不安が強くなりやすいものです。

一方で、救急車が移動手段のようになってしまう難しさもあります。

症状、時間帯、天候、移動手段。それらが重なると、現場の判断は簡単ではありません。

日中から続く痛みを、いつ受診につなげるか。

そのタイミングの大切さを感じた事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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