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【冬瓜(とうがん)レシピ】どうやって食べるの?下ごしらえのポイントは?栄養面で相性のいい食材や調理法は?栄養士ライターが解説

  • 2025.7.10

意外と知らない「冬瓜」の食べ方

意外と知らない「冬瓜」の食べ方
意外と知らない「冬瓜」の食べ方

その名前からはイメージが付きにくいのですが、夏に収穫の最盛期を迎える「冬瓜(とうがん)」。野菜売り場に並んでいても、目立ちにくいこともあり、気づいてないかも!?

「どうやって食べるのか分からない」「味なさそう」とスルーしてしまっている人もいるかも知れませんね。おすすめ冬瓜レシピを紹介しますので、この夏ぜひトライしてみてください!

冬瓜の栄養を生かす調理のポイント

冬瓜に含まれる栄養の注目ポイントは次の通りです。

・体内の水分バランスを整え、むくみや疲労感を和らげるカリウムが豊富

・紫外線などのストレスを緩和するビタミンC含有量がキュウリの2倍以上

・血行をスムーズに促し冷え性改善が期待できるシトルリンを含む

・成分の95%が水分で食欲が落ちたときも食べやすい

・100gあたり15kcal(キロカロリー)の低エネルギー食材

カリウムとビタミンCは水溶性なので、栄養を生かすなら煮物や汁ごといただけるスープがおすすめ。とろみのある冷たい煮物やスープに仕上げると、見た目も涼しげで、冬瓜の優しい食感と出汁の風味がベストマッチな夏向けの一品になります。また、鶏肉や豚肉、卵などと組み合わせ、たんぱく質を補強すると栄養バランスがアップします。下ごしらえの時短テク、冷たい煮物、アレンジレシピを具体的にご紹介しましょう。

下処理の時短ポイントはピーラー皮むき×レンチン下ゆで

冬瓜の皮むきはピーラーを使うとラクです。
冬瓜の皮むきはピーラーを使うとラクです。

冬瓜は皮がかたいため、包丁よりもピーラーを使ってむくのがおすすめ。皮を薄くむくことができるので、透き通った翡翠(ひすい)色に仕上がり、見た目もキレイです。

これくらいのワタの量なら取り除かず、料理に生かしましょう。
これくらいのワタの量なら取り除かず、料理に生かしましょう。

種が多い場合は取り除きますが、気にならないようならワタごと使ってもOK。

暑い夏は、レンチン下ゆでが合理的。ラップはふんわりかけてください。
暑い夏は、レンチン下ゆでが合理的。ラップはふんわりかけてください。

また、迷うのが下ゆでは必要なの?ということ。ゆでこぼすことで、冬瓜の青臭さが軽減されて味が染み込みやすいメリットがある反面、水溶性の栄養成分も流れ出てしまいます。

家庭料理で楽しむ場合は、電子レンジ加熱(煮物の場合は下ゆでナシ)で構わないと筆者は考えます。

暑い夏にさっぱり食べられる定番料理「冬瓜の冷たい煮物」

写真はできたての「冬瓜の煮物」。冷やすと味がより染み込むように感じました。
写真はできたての「冬瓜の煮物」。冷やすと味がより染み込むように感じました。

冬瓜に足りない、たんぱく質とビタミンB群を強化し、しょうがで肉の生臭さや冬瓜の青臭さを抑えて血流改善も促せる一品です。

時短のため顆粒だしを使用していますが、昆布やカツオ出汁を作って使えばより本格的な味わいになります。鶏ひき肉を最初に鍋の中でお酒を加えてほぐしておくことでダマにならずに仕上がります。できたてはトロミが強く残っているので食感が優しく、冷蔵庫で冷やして食べるとトロミは薄まりますが冷たいスープ感覚でいただけます。

<材料:2~3人分>・冬瓜:1/8個分(350g程度)・鶏ひき肉: 50~100g程度・しようが:1かけ分(15g程度)・酒:大さじ2・水:300ml(1.5カップ)・顆粒だし:小さじ1・砂糖:小さじ2・薄口しょうゆ(または塩):小さじ1/2・水溶き片栗粉:片栗粉大さじ1+水大さじ1

<作り方>(1)冬瓜の皮をピーラーで薄くむき、食べやすい大きさに切ります。しょうがは半量をみじん切り(またはすりおろし)、半量を細い千切りにします。(2)鍋に鶏ひき肉、酒を入れて菜箸などで肉をほぐすように混ぜてから火にかけ、しょうがの半量(みじん切りまたはすりおろし)、冬瓜(1)、水、顆粒だし、砂糖を加え、沸騰したらアクをすくって中火~弱火に。落とし蓋をして冬瓜に竹串がスッと通るまで煮込みます(10~15分程度が目安)。(3)水溶き片栗粉を加え、ひと煮立ちさせ、とろみがつけばOK。器に盛り付け、しょうがの半量(細い千切り)を添えてできあがり!

市販のソースを混ぜれば簡単!「時短マーボー冬瓜」

「マーボー冬瓜」にすると、淡白な冬瓜がパンチ力のあるおかずに変身!
「マーボー冬瓜」にすると、淡白な冬瓜がパンチ力のあるおかずに変身!

豚ひき肉と緑黄色野菜を組み合わせ、冬瓜には足りない、たんぱく質、ビタミンB1、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンを補強します。ニンジンを追加したり、たっぷり刻んだ青ネギをトッピングしたりするのもおすすめ。冷蔵庫の残り野菜を活用しましょう。

<材料:2~3人分>・冬瓜:1/8個分(350g程度)・豚ひき肉: 50~100g程度(市販ソースに含まれている場合はナシでも可)・パプリカまたはピーマン:1個・さやいんげん:10本(70g程度/サッと下ゆでしておくと時短になります)・サラダ油:大さじ1・市販のマーボーソース:1袋<作り方>(1)冬瓜の皮をピーラーで薄くむき、食べやすい大きさに切ります。(2)耐熱皿にカットした冬瓜を重ならないよう並べ、電子レンジで600W×6分程度加熱し、ザルで水気を切ります。(3)フライパンに油を熱し、豚ひき肉を色が変わるまで炒め、野菜を炒め、下ゆでした冬瓜(1)の順に加え、全体に火が通ったら市販のマーボーソースを加え、絡めるように5分程度煮込めば完成!

補足&まとめ

冬瓜の皮を活用した、きんぴら。卵かけごはんのお供にしていただきました!
冬瓜の皮を活用した、きんぴら。卵かけごはんのお供にしていただきました!

なお、皮の部分は捨てずに、サッと下ゆでしてから、きんぴら炒めに活用すると食品ロスに貢献できます。

また、スープに活用する場合は、食べやすい大きさに切った冬瓜を冷凍保存して、冷凍のままスープに投入すると、短い加熱時間でも食感がやわらく仕上がります。

冬瓜を丸ごと1個買った場合は、新聞紙などで包んで部屋のいちばん涼しい場所で保存を。カットした冬瓜は、ラップに包んで冷蔵保存し、できるだけ早めに使い切りましょう。

※参考文献:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』、杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018

(野村ゆき)

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