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【冬瓜(とうがん)】の旬は夏!?栄養ポイントと夏におすすめの食べ方[栄養士ライター解説]

  • 2025.7.10

7月10日は「冬瓜の日」

冬瓜は暑さに強い夏の野菜
冬瓜は暑さに強い夏の野菜

猛暑が続くと、食欲がわかない、食べてもお腹がいっぱいになって胃もたれやすい…。そんな夏におすすめの食材が「冬瓜(とうがん)」です。冬の野菜と勘違いしがちですが、実は夏の野菜。真夏に収穫し、皮付きの丸のまま冷暗所で冬まで貯蔵可能なことから、この名が付いたと言われています。どんな栄養が含まれているのか、ご紹介したいと思います。

冬瓜は、キュウリやスイカ、ゴーヤ、カボチャと同じウリ科の仲間です。日本では平安時代の書物に冬瓜の記載があり、古くから食べ親しまれてきたようです。もともと熱帯の東南アジアが原産で暑さに強く、栽培しやすい利点も。今年の夏の酷暑にも耐えてほしいものです。なお、「夏“なつ”は“とう”がん」の語呂合わせから7月10日は「冬瓜の日」とされています。

夏の疲れを和らげる水分とカリウムが豊富

冬瓜には、夏の暑さからくる疲れや不調を和らげる栄養が含まれています。95%が水分でカリウムが多く含まれ、古くから「体の熱をさまし、むくみを改善する」野菜として親しまれてきました。

カリウムは体内の水分バランスを調整し、筋肉の収縮や神経伝達にも関わる重要なミネラルです。不足すると、筋肉のけいれん、むくみ、食欲不振などを起こしやすくなります。夏バテの原因の一つは、大量の汗をかくことでカリウムやナトリウムなどのミネラルが失われるため。食事による適度なカリウム補給は、夏の疲れに効果的です(ただし、腎臓に疾患がありカリウム制限が必要な人は、かかりつけ医の指示に従ってください)。

冷え性やダイエット中の人にうれしいメリットも

写真の冬瓜(1/4サイズ)で約760g。ぜんぶ食べても114kcalと低カロリー!
写真の冬瓜(1/4サイズ)で約760g。ぜんぶ食べても114kcalと低カロリー!

また、アミノ酸の一種で血流を改善し、冷え性を緩和する働きのあるシトルリンが含まれ、紫外線などのストレスを和らげるビタミンCの含有量はキュウリの2倍以上。

暑さでほてった体の熱を逃し、クーラーの効きすぎによる冷えや夏の疲れを癒やしてくれる…。夏こそ積極的に取り入れたい野菜が冬瓜なのです。100gあたり15kcalでカロリー(エネルギー)が控えめなので、ダイエット中の人も気にせずたくさん食べられる点も嬉しいですね。

たんぱく質とビタミンB1豊富な鶏肉や豚肉との組み合わせで栄養アップ

冬瓜はクセがなく、淡白な味わいも特徴。皮はかたいけれど、果肉はやわらかく、出汁をしっかり染み込ませた煮物をはじめ、濃い味付けとも相性は良好です。冬瓜だけでは補えない、たんぱく質や疲労回復効果が期待できるビタミンB1が豊富な鶏肉や豚肉、皮膚や粘膜の健康を守るビタミンAも補える卵などと組み合わせると効果的です。

例えば、鶏そぼろあんをかけた冬瓜の煮物、冬瓜と豚肉や鶏手羽先のスープ、冬瓜マーボーなど。夏の暑さで食欲がない時も食べやすいと思います。続編で冬瓜レシピと時短テクをご紹介ますので、ご活用いただけたらうれしいです。

※参考文献:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』、杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018

(野村ゆき)

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