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7月に新開業。富士山を望み、自然と呼応する。「GORA KADAN FUJI」が静岡で届ける温泉旅

  • 2025.6.4

閑院宮家が避暑地の箱根に建てた別邸を背景とし、閑院春仁によって1948年に創業された「強羅花壇」は70年余りの歴史をもつ。名称の「花壇」は、宮家が自邸を開放して来賓をもてなす“迎賓の場”を表す言葉を引き継いだものだ。

今夏7月に開業する「強羅花壇 富士」にもそんな風雅な伝統が息づいている。霊峰富士を眼前に、客室は42室に限定。1954年に設立され、世界から厳選された580のユニークなホテルとレストランが加盟する協会「ルレ・エ・シャトー」にも加盟しており、そのホスピタリティの質はお墨付きだ。

自然への敬意を反映した神代杉のカウンターなど、館内には自然のエレメントが取り入れられ、過ごす時間そのものがリチュアルになるよう設計。建物から6メートルも飛び出し、まるで浮遊するかのように霊峰と対峙できる「富士見テラス」は圧巻だ。さらに、富士の裾野地下1500メートルから汲み上げた温泉が体を癒してくれる。客室内の露天風呂はもちろん、中庭の紅葉谷の橋を越えてたどり着く大浴場で風情を感じるのも格別。よりプライベートな滞在には、富士山に近いエリアにある、3棟の離れ貴賓室もおすすめ。湯殿とサウナを備えた棟、専用プールを設けた棟、愛犬と過ごせる棟などそれぞれの特色に合わせて選びたい。

「強羅花壇 富士」が提案するのは、「自然のなかに身を置き、一体化し、溶け合うことで、自己を再生する」 というウェルネス体験。自然界のあらゆるものに神が宿る、という日本のアニミズム精神を建築にも落とし込んだ究極の空間で、自分の内面と心の声にそっと耳を澄ます。そこで得られる極上の平穏は、きっと宝物になることだろう。

富士山を仰ぎ見るロビー
富士山を仰ぎ見るロビー
手前が3棟の離れ貴賓室
手前が3棟の離れ貴賓室
別世界へと誘う境界線としての役割も果たす沓脱石 ©︎三好和義
別世界へと誘う境界線としての役割も果たす沓脱石 ©︎三好和義

強羅花壇 富士

住所/静岡県駿東郡小山町須走110番地1

URL/https://www.gorakadan.com/fuji-teaser/

Text: Kyoko Nakayama

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