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「そういえば、ずっと観ている…」実は“3クール連続”出演の『名俳優』 視聴者を惹きつける“圧巻の演技”

  • 2025.6.29

気が付けば、何クールも続けてドラマに出演しているという俳優は多い。ゲスト出演なども含めると、1クールで2、3作品出演ということも。

それが主要キャストとして連続で出演しているとその存在感はより大きくなる。

安田顕も数クール続けて出演している俳優のひとりだ。

何かある、と思わせる存在感

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(C)SANKEI

安田が何クールも続けて出ているというのは今に始まったことではないのだけれど、2025年はより存在感が強い。

1月クールは『日本一の最低男※私の家族はニセモノだった』、4月クールは『ダメマネ!ーダメなタレント、マネジメントしますー』に出演。その間に大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』、『俺の話は長い~2025・春~』も。「そういえば、ずっと安田顕を観ている……」という人も少なからずいるのではないだろうか。

直近の作品を振り返ってみると、いずれもキーマンとしての役どころだ。

『日本一の最低男※私の家族はニセモノだった』では主人公・一平(香取慎吾)の区議会議員選挙出馬へのサポートをする役どころ。『ダメマネ!ーダメなタレント、マネジメントしますー』では主人公・神田川美和(川栄李奈)のドSな上司。ただ、そのポジション通りのキャラクターではなく、主人公をけしかけ、何かを企んでいる。

『日本一の最低男』と『ダメマネ』でのキャラクター性自体は異なるが、「実は何を考えているか分からない」という点では共通しているところがある。

ただ、企みをしつつも、本当の悪ではなさそう……と思ってしまうのは個人の印象に寄りすぎるだろうか。

その声に、つい聞き入る

『日本一の最低男※私の家族はニセモノだった』では、区議会議員選挙に出る予定だった一平が紆余曲折あり、区長選挙に出ることに。派手なパフォーマンスを行い、嫌われ役を演じる一平。その対抗馬のひとりとして出馬したのが安田演じる真壁だ。優しく語り掛けるように話し、人々の言葉に耳を傾ける。その姿勢が区民たちには支持されることに。この流れ自体が一平と真壁の企みによるものだが、真壁の話し方が主張が強くないのに、惹きつけられてしまう。寄り添いと、言葉が心に届きやすい。

『日本一の最低男』では役柄的にもその特徴がより際立っていたが、どの作品でも、つい聞き入ってしまう。

一方、『べらぼう』で演じていた平賀源内は陽気で早口。でも、影も見え隠れしていて、どこか不安を掻き立てていた。この人は何を抱えているのかと心を寄せずにはいられない。

食えない役どころだったのが『ダメマネ』。川栄李奈との演技合戦もすさまじかった。ここでは逆に目と表情が秀逸。冷たさと優しさが同居する演技は圧巻だった。

史上最大のモテ安田顕が観られるのか

さて、7月期は2本のドラマが控えている。

WOWOWで放送予定の『怪物』(水上恒司とW主演)、もう一本は『奪い愛、真夏』だ。『奪い愛、冬』を始め、大きな反響を呼んでいる「奪い愛」シリーズの最新作だ。安田が演じるのはヒロイン・真夏(松本まりか)と禁断の恋に落ちる時計メーカーの御曹司社長。公式サイトには「安田顕が自分史上最大の《モテ男》に!」という文言が。確かに、安田が恋愛ドラマに出ているという印象は薄い。バラエティなどで見せる姿は時折すっとぼけていて、破天荒な香りが感じられるが、ドラマや映画では抗いがたい大人の色気をはらんでいる。それが発揮されるのか……ここに来てまた新たな魅力を見せてくれることになりそうだ。

蛇足だが、個人的には『シナモンと安田顕のゆるドキ☆クッキング』もとても好きだ。


※記事は執筆時点の情報です

ライター:ふくだりょうこ(Fukuda Ryoko)
うさぎと暮らすライター。シナリオやインタビュー、コラム、エッセイなどを中心に執筆。小説とお酒と音楽とドラマがあればだいたいご機嫌。