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2クール連続“ドラマ主役”に 「どんどん好きになる」「演技上手い」8年前、バブリーダンスで一世を風靡した若手女優

  • 2025.6.12

若手女優・伊原六花がいま、深夜帯ドラマの主役として存在感を強めている。現在放送中の『パラレル夫婦』では死別した妻という難役を感情豊かに演じ、7月スタートの『恋愛禁止』では罪を抱えたヒロインという更なる挑戦が待ち受ける。バブリーダンスで注目を浴びたダンス部出身の彼女が、なぜここまで演技者として注目を集めているのか。2本のドラマを軸に、伊原六花の演技力と可能性を紐解いていく。

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(C)SANKEI

『パラレル夫婦』で魅せた“静”の感情

現在放送中のドラマ『パラレル夫婦』では、事故で夫を失った女性・なつめを演じている伊原六花。夫(伊野尾慧)と1日3分だけ再会できる“ミックス”という奇跡の設定のなかで、彼女は悲しみと希望、疑念と愛情の狭間で揺れる女性を繊細に演じている。

このドラマで特筆すべきは、伊原の「静」の芝居だ。大きな動きや声ではなく、視線の動きや呼吸、わずかな口元の揺れで“情動”を伝えてくる。なつめが妊娠を告白するシーンでは、罪悪感と決意、喜びと怖さが一度に押し寄せ、涙を浮かべながら語る姿に多くの視聴者が心を打たれた。

伊原の演技がすごいのは、「演技っぽさ」がないところだ。涙を流すシーンひとつとっても、それは台本通りの泣きではなく、“その人の人生を生きているからこその涙”に見える。その自然さこそが、彼女の演技の真骨頂だ。

『恋愛禁止』で挑む“狂気と罪”

そんな伊原が次に挑むのは、7月スタートの『恋愛禁止』。タイトルからして攻めた印象だが、内容はさらに衝撃的。伊原が演じるのは、衝動的に元恋人を殺してしまった女性・瑞帆。しかもその遺体は何者かに“消され”、彼女は次第に追い詰められていく。

この作品では、伊原六花が“狂気”と“罪”をどう表現するのかが注目される。これまでの可憐なイメージを一新し、嫉妬や後悔、恐怖といった負の感情をむき出しにする役柄だ。瑞帆の感情は複雑で、時にヒステリックにも、時にただの被害者にも見える。その多面的な人格を、伊原がどう演じ分けるのか、非常に楽しみだ。

“恋愛禁止”というテーマも象徴的だ。演じる瑞帆は、過去の恋愛にトラウマを抱えながらも、ふたたび誰かに寄り添おうとする。伊原の持つ“おっとりとした親しみやすさ”と、“芯の強さ”がこの役に深みを与えるだろう。

ダンスで鍛えた“感情の身体表現”

伊原六花の演技力を語る上で欠かせないのが、彼女の“身体表現力”だ。元・登美丘高校ダンス部のキャプテンとして“バブリーダンス”で一世を風靡した彼女は、舞台や映像においても、その身体性の高さを武器にしている。

たとえば、感情が高ぶったときの立ち姿、泣き出す直前の肩の震え、走り出すときのスピードと力加減。どの瞬間にも「ダンサーの目」が活きており、全身で感情を届けてくる。演出家にとっては、こんなに頼もしい存在はいないだろう。

伊原六花の“美声”も忘れてはならない。滑舌が良く、耳なじみのよいトーンで、感情の波を声色で巧みに表現する。『パラレル夫婦』では、ささやくような声のなかに悲しみや想いがにじむ一方、『ブギウギ』などの舞台調のドラマでは堂々とした発声で観客を魅了していた。感情の振れ幅を“声”でも自在にコントロールできる、数少ない若手女優だ。SNSでも、「どんどん好きになる」「演技上手い」などといった声が上がっている。

20代半ばを迎え、伊原六花のキャリアは次のステージに入っている。等身大の若者役から、母性や狂気、社会的な立場を持つ役柄まで。その幅広さが、彼女の未来を明るく照らしている。

「感情を踊る女優」という表現が、伊原にはよく似合う。今後も、彼女の出演作を通して、見る者の心を軽やかに、時に重たく揺さぶってくれることだろう。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_