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意外に間違える人が多いかも…?「同時にサイコロを二つ転がす」→一つは2、もう一つは3の確率は?

  • 2025.6.30
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算数や数学で習う知識の中でも、確率の問題は身近に感じやすいのではないでしょうか。

確率の知識を身に着けると、広告の表現が大げさなことに気が付いたり、ゲームの勝率が判断できたりするようになります。

今回の問題を通して、日常を賢く過ごすための道具、確率の基礎知識を確認してみましょう。

問題

同時に二つのサイコロを転がしたとき、一つは2、もう一つは3が出る確率を求めなさい。

解答

正解は、「1/18」です。

確率を計算する公式は次の通りです。

ある事柄が起こる確率=ある事柄が起こるパターン数÷起こりうるすべてのパターン数

この公式を知っていても、パターン数をうまく数えられないと答えを間違ってしまうのが確率の問題の難しいところです。

では、パターン数を正確に数えるための「ポイント」を見ていきましょう。

ポイント

問題のポイントは、「起こりうるすべてのパターン数を数えるときと、ある事柄が起こるパターン数を数えるときの基準をそろえること」です。

今回の問題では、「サイコロの目の組が2と3になるパターン数」を「二つのサイコロの目の組すべてのパターン数」で割ると確率が求められます。

サイコロの目の組が2と3になる確率=サイコロの目の組が2と3になるパターン数÷二つのサイコロの目の組すべてのパターン数

まず、「二つのサイコロの目の組すべてのパターン数」を考えてみましょう。

一方のサイコロが1の目を出したとき、もう一方が出す目は1~6の6パターンあります。

同じく一方のサイコロが2の目を出したときも、もう一方のサイコロが出す目のパターンは1~6の6パターンあります。

これを順に繰り返していくと、一方のサイコロの目6パターンそれぞれに、もう一方のサイコロが出る目6パターンが存在しますから、すべてのパターン数は6×6=36パターンあることになります。

 

次に、サイコロの目の組が2と3になる場合について数えます。

ここで「2と3だから、一つしかパターンはないでしょ?」と考えてしまうと、落とし穴にはまってしまいます。なぜなら、二つのサイコロの目の組すべてのパターン数を考えたときと同じ基準で目の出方を考えなければならないからです。

先のすべてのパターン数を考えたとき、一方のサイコロが1~6の目を出すそれぞれの場合に対して、もう一方のサイコロの目が1~6の6通り出ると考えました。

図にしてみると、次のようになっています。

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この図では、サイコロの目の組が2と3になるパターンは、二つ存在していますね。

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よって、確率は次のように計算できます。

サイコロの目の組が2と3になるパターン数÷二つのサイコロの目の組すべてのパターン数
=2/36
=1/18

パターン数を正確に数えるコツ

確率の問題で、「ある事柄が起こるパターン数」と「起こりうるすべてのパターン数」の数え方の基準をそろえるコツは、同じに見えるものを区別して考えることです。

この問題でいえば、二つのサイコロに名前を付けて区別するとパターン数を数えやすくなります。例として、サイコロAとサイコロBという名前を付けてみたとします。

ここで、サイコロ二つの目の組すべてのパターン数を考えてみましょう。サイコロAの6パターンに対して、サイコロBの6パターンが存在するので、6×6=36パターンです。

また、サイコロの目の組が2と3になるパターンは次の二つだと分かります。

サイコロAが2でサイコロBが3
サイコロAが3でサイコロBが2

このようにサイコロに名前を付けると、2と3の組を取るパターンが二つあることが分かりやすくなります。2/36という計算式もスムーズに出てくるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、二つのサイコロを振ったときの確率の問題にチャレンジしました。

サイコロは、確率の問題ではよく出題されるテーマです。特に二つのサイコロの問題は、画像のような表を使ってパターン数を数えるとミスが少なくなりますよ。

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ただしこのような表を使う場合は、二つのサイコロを区別してパターン数を数えていることになります。

確率の問題では起こりうるすべてのパターン数を数えるときと、ある事柄が起こるパターン数を数えるときの基準をそろえることが大事になります。問題に二つのサイコロを区別するような言葉(大小のサイコロ、赤と青のサイコロなど)が書かれていないときでも、自分でサイコロに名前を付けて区別すると間違いが少なくなりますよ。

同じに見えるものでも区別するのは、確率の問題全体に共通するポイントでもあります。ぜひ、他の確率問題にもチャレンジして、パターン数を数えるコツを身に着けてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。