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日本発! アカデミー賞公認のショートフィルム祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2025」開幕

  • 2025.5.20

日本で誕生し、今年で27回目を迎えた「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(略称:SSFF & ASIA)2025」が開幕した。世界108の国と地域から寄せられた4592点の中から、来年のアカデミー賞への可能性を秘めたライブアクション部門、ノンフィクション部門、アニメーション部門のコンペティションに加え、「Cinematic Tokyo」や「Women in Cinema Project」、「SHIBUYA DIVERSITY」、「韓国ショートフィルム特集」など、多様なキュレーションで世界のショートフィルム約250作品を上映する。

家族の絆やジェネレーションギャップといった普遍的なテーマを扱った作品が多い中、「映画は時代や社会を映す鏡」と言われるだけあり、今年のインターナショナルプログラムでは、イスラエル、パレスチナの紛争を描いた作品が半数を占めたり、Z世代のトランスジェンダーの視点で描く物語が目立った。また、撮影やストーリーテリングのツールとしてAIを使用する作品は例年よりも増えたが、全編AIで製作した作品は減少したのも印象的だ。

ポール・メスカル主演の『流されて』や、「イカゲーム」のファン・ドンヒョク監督による『ミラクルマイル』などの特別招待作に加え、日本からエントリーしている斉藤由貴主演の縦型ショート映画『立て髪貴婦人』や、アオイヤマダと松田ゆう姫主演の『NIGEMIZU』などにも注目したい。フィルムメーカーたちが最長25分という限られた時間の中で、さまざまなテクニックとイマジネーションを駆使して綴る短編映画を、劇場とオンラインの両方で楽しめる映画祭は世界中でここだけ。存分に堪能したい。

『夏至物語 【完全版】』
『夏至物語 【完全版】』

「ジャパンプログラム」の特別上映作品として映画祭の審査員を務める岩井俊二監督が、1992年に製作した作品を自らリメイクした『夏至物語 【完全版】』。アイナ・ジ・エンドを主役に、最愛の人の帰りを待つ少女の愛と狂気に満ちた夏の一日を描く。

『ナイン・デイズ・イン・オーガスト』
『ナイン・デイズ・イン・オーガスト』

女性をテーマにエンパワーメントやジェンダーの平等に取り組む作品が集う「Women in Cinema Project」で注目したいのは、25歳のドイツ人女性監督が手がける『ナイン・デイズ・イン・オーガスト』。「中絶の権利」を問う本作は、子宮からの視点を思わせる丸い穴を通して描くというユニークな手法がとられている。

『NIGEMIZU』
『NIGEMIZU』

日本国内から応募された作品を上映する「ジャパンプログラム」には、アオイヤマダと松田ゆう姫が主演する『NIGEMIZU』がノミネート。アオイの殺害計画を企てるゆう姫だったが、予想外の展開を迎えるドラマとなっている。

『ジェンダー・リビール』
『ジェンダー・リビール』

LGBTQ+作品をピックアップする「Rainbowプログラム」では、カナダ人監督による『ジェンダー・リビール』が登場。上司の赤ちゃんの性別お披露目パーティーに参加した3人のトランスジェンダーたちが、とんでもない体験をするブラックコメディは必見だ。

『世界で一番細いわたし』
『世界で一番細いわたし』

『世界で一番細いわたし』は、10代の頃にぽっちゃり体型だったカナダ生まれのインド人女性監督が、神経性やせ症で体重が25キロにまで落ちたその背景をドキュメンタリーで追いかける。強烈なヴィジュアルとともにルッキズムについて考えさせられる力作だ。

Short Shorts Film Festival & Asia 2025

1999年に米国映画俳優組合(SAG)の会員でもある別所哲也が創立。2025年は4月24日から6月30日まで開催。TAKANAWA GATEWAY CITY、表参道ヒルズ スペース オー、赤坂インターシティ コンファレンス、WITH HARAJUKUほか、オンライン会場にて上映。チケットの詳細はHPよりご確認ください。

www.shortshorts.org/2025

Text: Rieko Shibazaki Editor: Sakura Karugane

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