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ヨウジヤマモト、葛飾北斎や輪島塗など祖国日本の文化を西洋的服作りにのせて【2026-27年秋冬 パリコレクション】

  • 2026.3.14

3月6日(現地時間)に開催されたヨウジヤマモトのショーの招待状は、木版画用の摺り道具、バレンだった。先シーズンに引き続き、また「Japan」に焦点が当てられるのか。そして、版画がコレクションに用いられるのか。

そう推測しながら臨んだショーでは「昭和枯れすすき」やちあきなおみの「紅とんぼ」といった昭和歌謡が流れ、着物を思わせるルックが続いた。男性のように腰の低い位置で帯を巻いているように見えるピースも。和風の生地や柄も用いている。またシューズには、鼻緒のようなディテールが施されていた。

ここのところキーカラーのルックが数体同時に出てくるのが常となっているフィナーレでは、黒のニットのピースを纏ったモデルたちが下駄の音を鳴り響かせながら登場。それらに描かれていたのが葛飾北斎の作品だった。バレンでほのめかしていた版画とは、浮世絵のことだったのだ。

有名な風景画はあえてセレクトしなかったようで、フィナーレ以外に登場したルックを彩っていたヴィジュアルにも北斎の作品が含まれていた。なお、ジュエリーライン、ヨウジヤマモト バイ リーフェのヘッドピースには輪島塗が用いられている。バレエシューズはレペットとのコラボレーションだった。

デザイナー山本耀司の祖国日本への関心はまだ続いているようだが、今回ピックアップしたのは1867年のパリ万国博覧会をきっかけとするジャポニズムの興隆によって世界中の芸術家たちに影響を与えた北斎。1981年に身体のラインを覆い隠し、黒をメインとしたコレクションでパリ ファッション ウィークに乗り込み、「黒の衝撃」と称されて話題となった自身と重ねたのかもしれなかった。以降「伝統的な西洋的服作りへのアンチテーゼ」に奮起してきた山本だが、先シーズンからは「西洋的服作りと祖国日本の文化の融合」という方向へとシフトしている。今は内省する時期にあるのだろうか。

※ヨウジヤマモト2026-27年秋冬コレクションを全て見る。

Photos: Gorunway.com Text: Itoi Kuriyama

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