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【新ゴボウの栄養】普通のゴボウとの違いは?下処理、おすすめの食べ方[栄養士解説]

  • 2025.5.18

新ゴボウの栄養・食べ方を解説!

5月10日はゴボウの日
5月10日はゴボウの日

実は、5月10日はゴボウの日でした。年中スーパーに並んでるイメージのゴボウ。なぜ5月10日なのでしょうか?「5(ゴ)+1(棒)0(お)」の語呂合わせから制定されたそうです。秋から冬が旬のイメージがあるゴボウですが、春から初夏にかけて、まさに今こそ「新ゴボウ」がおいしいシーズンです。冬のゴボウと比べてアクが少なく、色白でやわらかく香りも上品なのが特徴です。注目してみてください。

一般的なゴボウと「新ゴボウ」の違い

一般的なゴボウと新ゴボウの違いは、収穫時期と食感です。一般的なゴボウは秋から冬に収穫されるのに対して、「新ゴボウ」は春から初夏に早採り収穫されるため「春ゴボウ」「夏ゴボウ」とも呼ばれています。また、一般的な冬のゴボウは、太く黒っぽい見た目で土の香りが強くて歯応えはかため。一方、「新ゴボウ」は細く色白で甘みがあって香りも穏やか、食感もやわらかめです。ゴボウ特有のクセが苦手な人も「新ゴボウ」なら食べやすいのではないでしょうか。

新ゴボウは下処理もラクチン!

冬のゴボウは繊維が多くかたいため、泥付きの皮をタワシや包丁の背でこそげ取り、下茹でして調理するのがセオリー。水にさらしてアク抜きする、ひと手間も必要です。ですが、「新ゴボウ」は皮が薄いため、そうした下処理が時短で済みます。皮の汚れを手でこするように洗い落とし、アク抜きも基本的には不要です(白く仕上げたい場合は変色を防ぐため酢水に1~2分さらすと良いでしょう)。

新ゴボウの栄養

▲ゴボウサラダ。マヨネーズとの相乗効果で、便秘改善が期待できます。
▲ゴボウサラダ。マヨネーズとの相乗効果で、便秘改善が期待できます。

2種類の食物繊維が生活習慣病や肥満を予防

ご存知のように、ゴボウは食物繊維が豊富な食材として知られています。ゴボウ100gに5.7gの食物繊維が含まれ、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランス良く含んでいるのが特徴です。

中でも水溶性のイヌリンは糖の吸収を抑える働きがあり、糖尿病の予防効果が期待されています。

また、不溶性のリグニンは腸内の残留物を排出する機能性が注目され、大腸がん予防や肥満予防の研究が進んでいます。

食物繊維は油と一緒に摂取すると腸の中でコーティングされ、便の滑りを良くしてお通じがスムーズになる相乗効果も。

▲新ゴボウの素揚げ。子どもさんのおやつにも、大人のおつまみにもおすすめ!
▲新ゴボウの素揚げ。子どもさんのおやつにも、大人のおつまみにもおすすめ!

ゴボウの素揚げ、油で炒めてから煮るきんぴらゴボウや筑前煮は理にかなった食べ方です。「新ゴボウ」は火の通りが早く、素揚げ、きんぴらも手早く調理が可能ですよ。

皮に含まれるアクの正体はポリフェノール

ゴボウの切り口が変色しやすいのは、ポリフェノールの一種「クロロゲン酸」によるものです。アクの成分であると同時に、血糖値の上昇を抑えたり、体内の酸化を防ぐ抗酸化作用が注目されています。

皮に多く含まれているのでゴボウを調理する際は真っ白になるほど、こそげすぎないようにしましょう。「新ゴボウ」は皮むきとアク抜きが不要なので、栄養を最大限に活かすことができそうですね。

ゴボウと相性の良い食材

ゴボウにはビタミンAやビタミンKなどの脂溶性ビタミンがほとんど含まれていないため、これらが豊富な食材と組み合わせると栄養を補うことができます。

▲ゴボウ+ニンジンのきんぴらは、ゴボウに足りない栄養を補える組み合わせ。
▲ゴボウ+ニンジンのきんぴらは、ゴボウに足りない栄養を補える組み合わせ。

ニンジン入りのきんぴらゴボウは栄養バランス面+彩りアップにおすすめの組み合わせです。

▲新ゴボウの適度な歯応えを活かし、ハンバーグの肉だねに加えても。
▲新ゴボウの適度な歯応えを活かし、ハンバーグの肉だねに加えても。

また、ゴボウは組み合わせた食材のうまみや調味料をよく吸収するため、牛肉と組み合わせる柳川風やしぐれ煮、豚肉との組み合わせる豚汁などは好相性の献立で、たんぱく質補給も兼ねられます。

まとめ

実は、ゴボウを野菜として栽培して日常的に食べているのは日本や台湾など一部の国だけ。欧米では食べる習慣がないそうです。日本人にとって身近な根菜といえるゴボウを手軽に味わえるのが「新ゴボウ」の魅力。スーパーなどで見かけたら、ご賞味あれ。

※参考文献:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』、杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、板木利隆監修『新・野菜の便利帳 おいしい編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009

(野村ゆき)

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