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「水出し麦茶、不衛生じゃない?」お湯で沸かすべきなのか、保健医療局の回答は?

  • 2025.6.22

暑さの厳しい時期はこまめな水分補給が必要不可欠。世の中にはさまざまな飲料がありますが、特に「麦茶」を愛飲している方は多いかもしれません。

しかし、作り方や保存方法を間違えると思わぬリスクがあるようです。SNSでは、しばしば「水出しOKの麦茶、本当に水出しでいいのか不安…本当はお湯を沸かしたほうがいいのかな?」といった趣旨の投稿が話題になっています。

しかし、重要なのは別の部分にあるようです。今回は、そんな水出し麦茶への疑問と「事実」を紹介します。

重要なのは「水出しか煮出しか」じゃなかった!

SNSを確認してみると、「沸かしたほうが安全な気がする」「水道水で作ると痛みやすい?」という声がある一方、「沸かしてから作るほうが腐りやすいって聞いた」「水出しのほうが長期間飲めると聞いたけど…」という声もあり、多くの方が混乱している様子が見受けられました。

ですが、実は、水出しで作れるタイプの麦茶に関して、水出しと煮出しのどちらかが絶対に安全・危険というわけではありません。

東京都保健医療局の『食品安全FAQ』(2024年)によると、

水出しであっても煮出しであっても、細菌の増殖に大きな差はありません。重要なのは、容器の衛生管理と保存方法です。

とのこと。

つまり、作る際に手が清潔であるか、容器がきちんと洗浄されているかがカギ。お茶そのものに問題がなくても、調理器具や容器が汚れていれば、雑菌が入り込んで繁殖してしまうのです。

また、保存温度と時間にも注意が必要です。保存するときの温度が高く、保存する時間が長いほど、一般細菌数が増えるとのこと。保険医療局が一般細菌検査をしたところ、

  • 10℃で48時間保存した場合:ほとんど菌が増えない
  • 37℃で48時間保存した場合:作成直後の160万倍のコロニー(菌の集まりのこと)が確認された

という結果が出たのだそう。

そのため、作ったお茶は冷蔵庫に入れ、保存容器には口をつけずコップなどに入れるようにし、短時間で飲み切ることを推奨しています。

衛生的な麦茶の作り方&保存ポイント

こちらのポイントを押さえておきましょう。

  • 水出しで作れるタイプの麦茶は、水出しでも煮出しでも細菌の増殖に大きな差はない
  • 容器はしっかり洗って清潔な状態を保つ
  • しっかり洗った清潔な手で取り扱う
  • 作ったらすぐ冷蔵庫へ(常温放置NG)
  • 保存容器に直接口をつけて飲まない。コップ等に移して飲む
  • 作ってから短期間で飲み切る

実は栄養も豊富!麦茶の意外なパワー

麦茶はただの「香ばしくておいしい飲み物」ではありません。実は、以下のような健康効果が期待できます。

  • ミネラル補給に最適:カリウムやマグネシウム、リンなどを含み、汗で失われた成分を補ってくれます。
  • カフェインゼロ:子どもや妊婦さんにも安心して飲めます。
  • 胃にやさしい:熱中症対策だけでなく、体を冷やしすぎず、胃への刺激も少ないのが特徴です。

夏に最適な飲み物である麦茶。水だけだと飽きてしまうという方は、麦茶を取り入れてみてはいかがでしょうか?

みなさんは知っていましたか?

今回は、「水出しの麦茶って本当に大丈夫?」という意見に対する世の中の人の考え、そしてその真相をご紹介しました。

煮沸するべきという人もいれば、水出しの方が長期間飲めるという方も。意見が分かれていましたが、重要なのは容器の衛生管理やお茶の保存方法のようです。食中毒のリスクを減らすためにも、保険医療局の解説をしっかり守るようにしましょう。


参考:保険医療局「水出しのティーバッグの麦茶を飲んでいますが、衛生面で問題ないのでしょうか?煮出したほうがよいのでしょうか?【食品安全FAQ】」
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/anzen/food_faq/sonota/sonota12