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最強美容スープ!? 整腸作用もある回復食「ボーンブロス」の作り方や効果

  • 2025.3.20

最近、肉や魚の骨を煮込んで作る「ボーンブロス」が、美容や健康によいということで人気が急上昇中。もともとはアメリカの健康志向が高い人の間でブームになり、最近は日本でも人気が高まっています。そんなボーンブロスの美容・健康効果や作り方、摂り方などを管理栄養士の柴田真希さんに教えていただいたのでご紹介します。

出典元:MAQUIA ONLINE
出典元:MAQUIA ONLINE

株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。女子栄養大学短期大学部卒業後、給食管理、栄養カウンセリング、食品の企画・開発・営業などの業務に携わり、独立。27年間悩み続けた便秘を3日で治した「雑穀」や「米食の素晴らしさ」を広めるべく、雑穀のブランド「美穀小町」を立ち上げる。現在、料理番組出演をはじめ、雑誌や書籍、WEB媒体などでレシピやコラムを提案するほか、食品メーカーのコンサルティングや飲食店のメニュー開発やプロデュースなども手がける。著書に『切るだけ&漬けるだけ! おうちで簡単ミールキット』(学研プラス)、『知識ゼロからのスーパーフード入門』(幻冬舎)などがある。

「ボーンブロス」の気になるQ&A

Q.ボーンブロスってなに?

A 骨を煮出して作るスープのこと
「野菜を煮出して作るスープを“ベジブロス”と言いますが、“ボーンブロス”は骨を煮出して作るスープのことです。英語では“bone broth”で、boneは骨、brothは出汁という意味。鶏や豚、牛、あるいは魚の骨を使って作ります」

Q.ボーンブロスにいま注目が集まっている理由とは?

A 健康や美容によいだけではなく、SDGsの観点からも◎
「健康や美容によい栄養素がとれることから、健康・美容意識が高い人の間で人気が高まっていると思われます。また、通常は捨ててしまう“骨”を使って作ることから、フードロス削減に貢献できるので、SDGsの観点からも注目されています」

Q.ボーンブロスの栄養素とは?

A タンパク質、アミノ酸、コラーゲン、脂質、カルシウムなど
「ボーンブロスと言ってもどの骨を使うかによって栄養素は多少異なりますが、基本的にとれる栄養素は、タンパク質(アミノ酸、コラーゲン)、脂質、ミネラルなどです。骨に含まれるタンパク質のうち、一部は煮出すとスープに流出するものがあり、特に多いのがコラーゲン(ゼラチン)です。ボーンブロスを冷蔵すると、ゼリーのようにぷるぷると固まりますが、これが骨や周りについた肉質から流出したコラーゲンです。また、うっすらと白く固まるものが脂質。鶏ガラスープや牛骨スープなどとボーンブロスとの大きな違いは、可能な限り骨の部分だけを煮込むことによって、圧倒的に脂肪分が少ないヘルシーなスープができあがる点です。そのほか、カルシウムなどのミネラルもとることができます」

Q.ボーンブロスにはどんな効果が期待できますか?

A ダイエットや健康維持、美肌、腸内環境の改善、骨粗鬆症予防など
「まずひとつは、健康やダイエットへの効果です。ボーンブロスは低糖質ですが満足感が得られるので、ダイエット中によいですし、ファスティング後の回復食として飲む人もいます。筋肉や関節に含まれるコラーゲンや、体のコンディション調整に役立つアミノ酸などが豊富に含まれているので、健康維持(関節痛の緩和・免疫サポート)に役立ち、運動をする人にもおすすめです。

また、コラーゲンやミネラルが含まれているため、美肌作りのサポートにも。ボーンブロスには、傷ついた腸壁を修復する効果があるゼラチンが含まれており、整腸作用があることもわかっています。さらに腸内環境が整うと便秘や消化吸収の改善につながりますし、腸管免疫がしっかりと働くことで、免疫機能の維持に役立ちます。カルシウムやコラーゲンがとれるので骨粗鬆症予防効果も期待でき、体が温まるので冷え予防にもつながります」

Q.ボーンブロスの材料にはどんな種類がありますか?  材料によって違いはある?

A 牛、豚、鶏、魚の骨などを使用
「ボーンブロスには、牛、豚、鶏、魚などの骨を使います。肉の骨はスーパーで冷凍で売られていることが多く、魚の骨は“あら”として売られていることが多いです。これらの骨に、にんにく、しょうが、セロリ、玉ねぎなどの香味野菜や、ハーブ・スパイスなどを加えて作るのが一般的。魚の骨を使うと、前述した栄養素のほかに、DHAやEPAなどの良質のオメガ3脂肪酸もとることができます。肉の場合、材料による違いは味で、鶏肉は牛肉や豚肉よりあっさりした味になります。好みで選びましょう」

Q ボーンブロスの保存方法は?

A 冷蔵か冷凍保存を
「目安は冷蔵で1〜2日、冷凍で1ヶ月程です。冷凍保存をする場合は、使い切れる量を製氷器に入れたり、1回分を保存袋に入れて冷凍しておくと使いやすくて便利です」

Q.1日にどれくらい、どのように摂るといいですか?

A スープ1杯程度の量を目安に
「1日にスープ1杯分程度を目安にするとよいと思います」

Q 摂るときの注意点とは?

A 摂りすぎるとお腹を壊す場合があるのでNG
「摂りすぎると、人によってはお腹を壊すことがあるので、摂りすぎないようにしましょう。また、ボーンブロスにほかの食材や調味料を加えて摂る場合、塩分過多にならないように気をつけましょう。ボーンブロスだけを摂るのも栄養が偏るのでNG。ほかの食品もバランスよく摂ること」

Q プロテインの代わりにもなりますか?

A 代わりにはならないのでサポートとして利用を
「ボーンブロスにはタンパク質やアミノ酸が含まれているとはいえ、プロテインの代わりになるほどの量ではありません。プロテインのサポートとして摂るならよいと思います」

Q.市販のボーンブロスを利用してもいい? 選ぶ時のポイントとは?

A 安全性の高いものを選ぶのが理想的
「市販のものを利用してもOK。ただ、できれば安全な商品を選ぶのがおすすめ。成長促進ホルモン剤や抗生物質を与えられることなく育った放牧牛(グラスフェッド牛)や、エサに農薬・遺伝子組み換えの材料を使用していないものなど、安全性が確認されているものを選ぶのが理想的です」

そんなボーンブロスの作り方は、以下をチェック!

「ボーンブロス」の作り方

材料(作りやすい分量)
水…1000~1500ml
鶏がら…300g
にんにく…1片
しょうが…1片(20g)
塩…少々
※長ねぎやセロリ、野菜の皮などを入れてもよい

作り方
① 鶏がらは血合いなどをきれいに洗う。にんにくは包丁の背でつぶし、しょうがは薄切りにする。
② 鍋に水、鶏がら、にんにく・しょうがを入れ、強火にかけ沸騰したら、中火~弱火にしてアクを取りながら弱火にして1時間ほど煮る。(アクがしっかり取れたら蓋をし、水が足りないようなら足す)
③ ザルでこし、ひと煮立ちさせ、塩で味を整える。
※圧力鍋でボーンブロスを作る場合は、材料をすべて入れ、10~15分程圧力をかけて煮る。事前に鍋などで煮てアクを取ってから圧力をかけてもよい。

ポイント
・長い時間をかけて煮込んで、骨からできるだけコラーゲンを抽出することがポイント。冷蔵庫で冷やしたときにゼラチン状になるのが理想的だが、豚の場合はゼラチン状にならないこともある。
・圧力鍋で作る場合でも、アクがたくさん出るので取り除く。
・うまみが多いので、塩は好みで入れなくてもOK。

おすすめの食べ方
水炊きのスープにして、鶏肉や白菜、きのこなどを入れて食べるのもおすすめ。うどんなどの麺のスープにしてもおいしいので、スープもしっかり飲み干して!

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骨が浸る量の水を入れる。灰汁がたくさん出るので丁寧に取り除いて。

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電気圧力鍋でも作ることができ、鍋で作るより、より出汁が出やすい。

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これは鶏の骨で作ったボーンブロス。これを冷蔵、または冷凍保存する。

取材・文/和田美穂 企画・構成/福島美歩(MAQUIA ONLINE)

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