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「もう根性ですね」「手が緊張して」伝説の朝ドラ女優・のん、“初の棋士役”に挑戦…役作りで立ちはだかった“大きな壁”

  • 2025.9.10

9月からABEMAで放送が開始するABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』。のんが、実の父への復讐を誓い、将棋の世界へと飛び込む主人公・国見飛鳥を、藤木直人が、飛鳥を導く元棋士・藤堂成悟を演じる。

TRILLでは、これまで演じたことがないタイプのヒロインに挑戦するのんさんにインタビューを実施。前編では、初の棋士役にどう向き合ったか、撮影中のエピソードについて伺った。

飛鳥は、「荒っぽいけど、繊細な女の子」

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(C)AbemaTV, Inc.

ーー将棋ドラマでありながら、父親に対する復讐物語である本作の脚本を読んだ時の感想を教えてください。

最初に読んだ時は、「おお、将棋かあ」と意外性に心を掴まれました。すごく不幸な目に遭っている主人公で、これまで演じたことがないタイプの役柄だなと、新鮮な気持ちを抱きつつ、どうやって演じようかなと考え始めていました。

ーー飛鳥にはどんな印象を持ちましたか?

ぶっきらぼうで振る舞いは荒っぽいけど、内面は繊細で鬱屈した気持ちがあるどこか危なっかしい女の子という印象がありました。前半は飛鳥にとって辛く重たいシーンが続くので、そこから将棋の世界に入り、飛鳥が変化していくのでどうやって惹きつければいいか、最後まで見ている人の心を掴むためにどうすればいいか、模索していました。

ーー飛鳥は、元々好きだった将棋に距離を置いて生きてきた人物です。好きから目を素向けていたところから、好きに向かって努力していく飛鳥をどう捉えていますか?

将棋を好きな気持ちを抑えていただけで、心の奥底に将棋が好きな気持ちがずっと残っていた子なんだと思っています。将棋の世界に戻ってきた理由は父親への復讐ですが、将棋に打ち込むきっかけ、好きを取り戻すきっかけになっているんですよね。父親が将棋の世界でカリスマになってしまったからこそ、将棋が忘れられない、無視できない存在になってしまった。自分は将棋をもうやれないと思っているのに、目につく場所に将棋がずっとあって気になってしまう。好きへの気持ちがどんどんこじれて、飛鳥という人物が出来上がっていると感じていました。

将棋に初挑戦!ひたすら手を動かし、駒と仲良くなった日々

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(C)AbemaTV, Inc.

ーー役作りの上で意識したことはありますか?

飛鳥は将棋を始めてから、ずっと抑え付けられていたポジティブな部分がどんどん出てくるので、そのきっかけをどう含めるか、序盤から終盤にかけて変化していく飛鳥の人間性のグラデーションをどう付けるかを意識しました。

あとは、何よりも将棋ですね。駒の扱いがすごく難しくて。特に自分の駒を相手の駒にぶつける指し方があって、習得に苦労しました。将棋指導に入ってくださった女流棋士の竹部さゆり先生から、「1日100回指していれば、絶対うまくなる」と言われて、その言葉を胸に朝起きてぼーっとしているときも手を動かして、駒を指すだけの練習をしていました。もう根性ですね。

あとは、オンラインでコンピューター相手に将棋を指して

、その盤面を実際に将棋盤の上に再現して、手を動かして指すということをしていました。ハンデありでやっていたので、将棋の腕前自体は上がってないと思います(笑)

ーー将棋の経験はあったのでしょうか?

全くなかったです。今回の撮影に向けた準備で初めて駒を触りました。将棋の所作が本物に見えないといけないので、相当難しいというのは分かっていたんですが、役柄を知って純粋にワクワクしたので、頑張って練習しようと決めて飛び込みました。

ーー飛鳥らしい将棋のスタイルを作る上でどんな工夫をしましたか?

将棋の中継を見たり、対局の動画をたくさん見ていました。特定の方を参考にするというよりは、さまざまな方の駒を持ち変えるときの手の動きや考え込む時の動作などを見て、ありったけの資料を頭の中に叩き込んだ上で、飛鳥だったらどんな所作をするかを考えました。

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(C)AbemaTV, Inc.

ーー撮影中の印象深い思い出はありますか?

駒を持ち替えようと掴んだ瞬間に、駒を四方八方に飛ばしてしまったことがあって、カットがかかって、もう一回ということがあったのが心苦しかったです。結構練習して駒の扱いに慣れてきた時期だったんですが、撮影となると手が緊張してしまうことがあって。手が緊張しないように、力を抜くことで変わっていきました。

あとは、第1話の鼻血ですね。第1話の山岸監督とは、以前MVでもご一緒したことがあるんですが、そのときに「のんさんには鼻血を出してもらいたい!」と言われて、鼻血を出す面白い感じのシーンがあったんです。今回、脚本を読んだら山岸監督担当回で印象的な鼻血のシーンがあったので、「鼻血つながりですね」と監督と話していました。また、「のんさんは鼻血が似合うんですよ〜」と言われました笑。

ーー共演者の方との印象深いエピソードはありますか?

藤木さんが演じる藤堂とは、バディのような関係で物語が展開されていくんですけど、藤木さんは現場でもずっとカッコよくて、美脚で。藤木さんの男臭さのある役柄って新鮮だなと感じていたんですが、そこに藤木さんが持つ色気みたいなものが合わさって、本当にかっこいいなと痺れました。現場での気遣いも素晴らしくて。夜中までロケ撮影のある肌寒い日があったんですけど、その日に機械ごと熱々の肉まんを差し入れしてくださったんですよ!私はキャストなのもあって、寒さのケアをしていただいていたんですが、2つも食べちゃいました。

中村獅童さんは父親役だったんですが、飛鳥にとっては復讐をする相手なので、緊張感を保つために遠い距離感で接してくださっていたんです。でも最終日に「インスタのアカウント、フォローしたよ」ってすごく優しく話しかけてくださって、すごく嬉しかったです。フォローしたら悪いかなと思いながら、獅童さんのアカウントを密かに見ていたので、その後すぐにフォローバックしました。


■ABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』
2025年9月29日(月)夜8時より無料配信(全 8 話)
トップページ URL:https://abema.tv/video/title/90-2038
特報映像URL:https://abema.tv/video/episode/90-2038_s1_p501

<第1話>
放送日時:2025年9月29日(月)夜8時~
放送チャンネル:「ABEMA SPECIAL」チャンネル
放送URL:https://abema.tv/channels/abema-special/slots/9gaaXdgA6scLDd

(C)AbemaTV, Inc.

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202